冬暁
2025-12-15 20:40:05
6792文字
Public 鳴保
 

NRHS Calendar 2025 No.3

12/15〜12/20、12/25の鳴保カレンダーまとめ。


12/25 『クリスマス』


「おかえり」
 そう声をかければ、切れ長の目がはたりと瞬いた。
「お前、なんでここにいるんだ……
「なんか無性に会いたくなってん」
 第3部隊のクリスマスイベントは恙無く終わり、出動もなかった。対して、第1部隊では次元門に対処しながらのイベントだったと聞いている。第3部隊から応援もあり、多少の遅れはあれど終えたという報告もあった。
 それでも慣れないイベントをこなしながらの討伐は流石に疲れただろう。
 そう思ったら居ても立っても居られなかった。
「お疲れさま、鳴海サンタさん」
 頬に触れれば冷えている。しんしんと降り始めた雪は、薄らと地面を染めていた。車からここに来るまでの間に体が冷えてしまったんだろう。
 保科は温もりを移すように頬を包むと、鳴海は手を重ねた。
「まさか鳴海さんのサンタ服姿が見られるとは思ってへんかったわ。やっぱりかっこええな」
「ボクが着ているんだから当然だろ」
 ふふん、と自慢げに鼻を鳴らす姿に苦い笑みをこぼす。
「去年まではせえへんかったのに、今年はやったの長官のことがあったから?」
…………
 鳴海は僅かに瞳を揺らすと、そのまま目を伏せた。まだ癒えぬ傷だ。もしここにいたのが保科副隊長であれば、見せてはもらえない痛みだった。
「鳴海隊長がいつもと変わらずそこにいてくれる。それだけで安心できるもんなぁ。まぁ、子供らに随分振り回されとったみたいやけど」
「ボク様と遊べる機会だというのに、なかなか生意気なガキどもばかりだったんだ」
「良くも悪くも鳴海さんは親しみやすいところがあるからな」
 弄りやすいとも言うけど。
 その言葉は飲み込みつつ笑えば、鳴海も柔らかく眉を下げた。
「楽しそうやったって聞いとる。流石や」
「当然だろ」
「頑張ったサンタさんにもご褒美が必要やなぁ」
 その言葉に鳴海は眉を上げて、挑発的に笑う。
「何をくれるんだ?」
「鳴海さんが欲しいもん」
 唇で三日月を描き、保科は薄い唇を啄んだ。離れる前に一際甘く囁く。
「なぁんでもあげるで」
「違えるなよ」
「もちろん」
 喜びを混ぜた吐息を漏らした後、鳴海が顔を寄せる。目を閉じれば甘い熱が触れた。


Posted by 冬暁/薄明