Privatter+
Font
Serif
Sans Serif
Color
Light
Dark
auto
Font size
Large
Medium
Small
Language
Japanese
English
Sign in with Google
Sign in with ID and password
Account ID
Password
Sign in
Forgot password?
Create account
冬暁
2025-12-01 23:58:27
7783文字
Public
鳴保
Clear cache
NRHS Calendar2025 No.1
12/01〜12/07に投稿した鳴保SSまとめ。2025だけど、2026があるかは謎。
タイトルがない代わりに日付+お題。
1
2
3
4
5
6
7
8
12/07 『公園』
強い酒精が香る体は、ふらふらと覚束ない。機嫌良く鼻歌混じりに歩く姿は完全な酔っ払いだ。
店を出るまではまだ理性が働いていたものの、部下たちの姿がなくなれば驚くほどに酒が回っている。
「保科ぁ、あんまり先に行くな」
「鳴海隊長が遅いだけやぁ」
そう言いながら立ち止まるから、その間に追いつく。鳴海自身、気分がふわふわとしていて軽く酔っている自覚がある。いつもより歩みが遅いのは確かだが、千鳥足のくせに変わらない保科の方がおかしい。
「あ、鳴海隊長。公園ある」
「住宅街だからな」
「公園行こ。懐かしなってきたわ」
「なんでだよ」
保科は話を聞きもせずに小さな公園へと歩き出す。遊具や砂場が薄灯に照らされている。子供のいない夜の公園は何処か侘しい。
ブランコに座った保科はそれはもう楽しそうに爆笑している。
「ヒィッ! あかん、足が浮かへんっ! ハハハッ、低すぎィ!」
「ひっくり返って頭でも打てばいいのに」
そうなれば多少酔いも覚めるだろう。まぁ、足を浮かせることもできないからそれすら難しい話だ。酔っていようと足がしっかり着くブランコから落ちるアホでもない。
子供に合わせたサイズ感に一頻り笑った後、保科は東屋にある石のベンチに座った。
「きもちぃ」
「早く帰るぞ酔っ払い」
「鳴海隊長やってそうやん」
「お前ほどじゃないわ!」
じと、と火照りに潤んだ瞳が睨みつける。どうやら動く気がないらしい。鳴海はため息を吐くと、隣のベンチに腰を下ろした。
「そもそも何でお前と帰ってるんだ」
「知らん」
店を出たら自然と肩を並べていたような気がする。お互い帰る方向も違うのに。何故か誰もそれをツッコまなかった。
酔っ払いの集まりだから仕方ない。
「オラ、さっさと起きろ。ボクは早く寝たい」
丸い頭をべしりと叩く。叩かれた本人は鳴海をぼんやりと見上げていた。
「鳴海隊長かっこええよなぁ」
「なんだ急に。気持ち悪い」
「顔だけはタイプ」
「だけはってなんだ。お前に好かれても嬉しくないが、だけって。性格もいいやろがい」
「鳴海隊長わかりやすくて、単純なとこは好きです」
「貶してんのか喧嘩買うぞコラ」
もぞもぞと保科が動き出す。体を起こすと、何故か鳴海の隣に座り直した。布越しに触れる体温が熱い。
「僕に好かれても嬉しくないん?」
頭が重いのか、肩に預けて見上げてくる。
「重い。熱い。寄るな」
「僕は鳴海隊長好き」
「は」
肩に擦り寄った保科は熱っぽい吐息を漏らす。
「好きです」
熱に潤んだ瞳が零れ落ちそうな感情を映している。目は口ほどに物を言う。その言葉が浮かぶほどには、その瞳は確かに物語っていた。
「よ、いすぎだ
……
」
「酔ってへん」
「酔っ払いはそう言う」
「こんな時やないと、言えへんだけや」
「その自覚はあるのかよ」
肩を押し退ければ、柳眉がきゅぅと寄る。
「きらわへんで」
「きら、ってない
……
」
「ホンマに? 僕のこと好き?」
縋りつくように鳴海の裾を握った。酔った勢いで色々暴露してるくせに、その手が震えている。酔ってるからだろうか? どちらにせよ、心を打ち明けた人間に刃を向ける理由もなかった。
じわじわと込み上げる熱に舌を打つ。自分も酔ってるからだと言い訳しなきゃやってられなかった。
鳴海はガシガシと髪をかくと、白い街灯を睨みつける。
「好きだよ、悪いか」
1
2
3
4
5
6
7
8
Posted by 冬暁/
薄明
Reaction
If you make a mistake, you can cancel it by pressing the reaction.
Custom color
Reset color
広告非表示プランのご案内