拝田さんの話

『HAM』の夢(※広義)小説

紫陽花の下には


『桜の樹の下には屍体が埋まっている!』
 ってのは梶井基次郎の『桜の樹の下には』だ。ポイントとしては、何の死体だとは限定してないとこか。
 虫とか小動物とか何かしらの死体は、桜の樹の下だけでなく、確実に土の中に埋まっているものだ。目視で死体と判断できるレベルで残っているかはさておき。
 だからあの紫陽花の下にもきっと、何かが埋まっているんだろう。
 自分の記憶とHAMの記録と照らし合わせて確認したけど、毎年赤色の紫陽花が今年は青く色づいている。
 紫陽花のガク(あれは花ではない)が青い時は土壌が酸性なんだったか。正確には土壌のpH値でなく土壌のアルミニウムが以下略。
 あそこには何が埋まっているんだろう。
 それとも、何かがなくなったんだろうか。
 などと考えながら、比較的最近掘り返されたように見える紫陽花の根本をじっと見つめていた。


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 2020/06/30