九条空
2025-08-28 01:58:46
44306文字
Public Other
 

【CoCシナリオ】しょくざいの部屋

推奨人数:1~2人
推奨職業:犯罪者
推奨技能:聞き耳
推定プレイ時間:4時間程度




【球を扉にはめる】

扉に球をはめようとする時点で、探索者が悩んでいる。
かつ、探索者がトランシーバーをもっていると、トランシーバーに通信が入ります。
当然、かけてきたのは三田でした。

「まったく君は世話がやけるな」

三田の声色は相変わらずです。
しかし、音声が飛び飛びで、今にも通話が終了してしまうような気がしました。

「聞きたいことがあるんじゃないのか」

球のはめかたについて聞くと、三田が答えてくれます。

「ここの住民が日本人しかいないことからもわかると思うが、この空間は日本の作法に習っているところが多い。それを踏まえた上で言うが、日本の伝統礼法では『左を上位、右を下位』とするのだ」

機械修理や電気修理に成功すれば、トランシーバーの通話をわずかに安定させることができます。それにより、三田がもう一つ追加で教えてくれます。

「最後に得た透明の球は、お前の球だ。お前の罪の象徴だ。新参のお前がここでは一番下っ端になることは、当然わかるだろう?」

トランシーバーからは、大きなノイズが聞こえます。

「ここまで教えてわからんのなら、もうなにもわからんだろう。適当に、好きにしろ。もう2度と、会わないといいな」

それきり、トランシーバーはうんともすんとも言わなくなりました。

・・・ ・・・ ・・・

扉にあるすべてのくぼみに、すべての球は問題なくはまります。
正しい順番は以下の通りです。

赤の扉に豚。
ピンクの扉に山羊。
緑の扉に狐。
黄色の扉に狼。
黒の扉の上にロバ、下に熊。
青の扉の上にライオン、下にグリフォン。
茶色の扉に猫。
白の扉に透明の球。

9つの球をすべてはめるまでは、球は自由に取り外すことができます。
球をすべてはめてしまうと、その順番が正しくても外れていても、もう球はとれなくなります。

◇順番があっている場合
ガチャリ、という鍵が開いたような音が2箇所から聞こえてきます。

◇順番があっていない場合
ガチャリ、という鍵が開いたような音が聞こえてきます。

白い扉はいつのまにか、少し開いています。
その隙間に手を入れれば、扉を開くことができそうです。
球の順番があっていても外れていても、すべての球をはめた時点で白い扉と、最初の部屋への扉はどちらも鍵が開きます。

エンドA 「正しい扉から出る」

扉を開けると、あなたが最初にいた机と椅子のある真っ白い空間につながっていました。
椅子には、誰かが座っているのがわかります。そこにいたのは、あなた自身でした。

「よくぞここまでたどり着いた、訪問者よ——なんつって。やっほー! 待っていたよ」

あなたとまったく同じ姿をしていますが、明らかに別人であることがわかります。
驚愕していると、もう一人のあなたがぺらぺらと喋り出します。

◇球の順番を正しくはめていた場合
「めんどくさいギミックをよくぞ乗り越えてきた! うんうん、球の順番ね、あれわかんないかな〜とも思ったんだけど、いやあ、君は理解してくれたよね。褒めてあげよう。ほら、アメちゃんだ」

もう一人のあなたは、あなたの手のひらに飴玉を握らせてきます。
▼KP情報
食べるとSAN値回復<1D10>。この飴玉は持ち帰ることもできます。
この飴は人数分もらえます。

・・・ ・・・ ・・・

「これが何か、君はもうわかっているかな? アンサーをどうぞ!」

もう一人のあなたが机を指差すと、そこには女の子(罪悪感)が座っているのがわかります。

罪悪感と答えれば「そう、正解!」と拍手をしてくれます。

それ以外の回答の場合
「ブッブー! 外れ! マジかよ、君。鈍感がすぎるぞ!
もっとファンタジー小説を読むなり脱出ゲームをやるなりしたほうがいいと思うよ。
サブカル的に遅れてるね。めちゃくちゃヒントを出していたじゃないか」
と、もう一人のあなたは答えます。

くだらないクイズが終わると、もう一人のあなたは言います。

「これは君の罪悪感。生かすも殺すも君の自由、ってね。
扉を抜けると、元の場所に帰ることができるだろう。
君はここで選択することになる。この罪悪感を連れて行くのか、ここに置いていくのか」

もう一人のあなたは続けます。

「これを連れて行くなら君は罪悪感に苛まれるだろう。辛い人生が待っているかもしれない。
せっかく死に物狂いでここから出たのに、最後は狂って死んでしまうかも!
これを置いていくなら、そこからはハッピーハッピーな人生が待っている。
罪悪感など忘れて、自分のためだけに生きられるって寸法だ」

もう一人のあなたは、あなたに決断を迫ります。

「さあ、選択をしてくれ」

・・・ ・・・ ・・・

◇もう一人の自分を扉の向こうに連れて行こうとした場合
「いやいやいや、それはない。私は連れて行けないよ。
残念ながらそういうシステムは導入されてないんだなあ」

その瞬間、もう一人の自分が、あなたの目と鼻の先に立っています。

「まあちょっとした意表をつく、なかなかいい着眼点だとは思った。
感心させられたからご褒美をあげよう。ほら、アメちゃんだ」

あなたは口にアメ玉を放り込まれます。
それは尋常でなくおいしかったです。SAN値回復<1D3>
▼KP情報
他にもなにか面白いRPがあれば、ニャルラトホテプは面白がって褒めてくれ、アメちゃんを口の中に入れてくれます。その度にSAN値回復<1D3>

◇もう一人の自分に対し、わがままを言う・けんかを売る・攻撃するなどの行為
もう一人のあなたは「悪い子はおしおきだぞ〜」と言いながらぽかり、と殴ってきます。
ダメージは<1D100>。
ここで死んでももう一人のあなたが、

「ごめんごめん、やりすぎちゃった! 加減がわかんなくて、ごめんごめん!
ここまできて、こんなくだらないことで死ぬとか、ゲーム的にもほんとないよね!
いやごめんほんとまじほんと申し訳ない、いやほんと」

と言いながら応急手当てをしてくれ、HPが全回復します。
一瞬で死に、一瞬にして蘇る意味のわからない現象に恐怖を覚え、SANチェック<1/1D3>

《罪悪感を置いていく場合》

あなたが扉をくぐると、視界が真っ白に染まります。
そして、あの空間にいるまえにいた、元いた場所に立っていることに気がつくでしょう。

なんと気分の清々しいことでしょうか! あなたは最高の気分でした。

今後何を行っても、あなたは罪悪感というものを覚えることが2度とないのです。
ですが、罪悪感が皆無である人間を、もはや通常の人間と呼ぶことはできません。
あなたは往々にして、こう呼ばれるのでした。

——狂人、と。

ロストです。

《罪悪感を連れて行く場合》

あなたが扉をくぐると、視界が真っ白に染まります。
そして、あの空間にいるまえにいた、元いた場所に立っていることに気がつくでしょう。
ほっとすると同時に、重苦しい気分になります。

あの空間で行動を共にしていた罪悪感が、今はあなたの心のうちに、明確に存在していることを自覚したからです。
これまでどれだけ陽気に、どれだけ残虐に振舞っていようと、あなたは「罪を犯している意識」があったのでした。
今までも多少はその感覚があったかもしれません。
けれどそれは氷山の一角で、自身の罪悪感の全貌を理解できていなかったのでした。
あなたは自分の心の中にある罪悪感のすべてに、気がつくことができたのです。

このときあなたは、もう一人の自分が問いかけてくるような錯覚を覚えるでしょう。

「さあ、選択をしてくれ」

もう一人の自分が現実に現れたわけではありませんでしたが、あなたはやはり、選択をしなければなりません。
罪悪感をどう扱うか、それはすべてあなたの自由です。
罪の意識から心を改めて犯罪から手を洗うもよし、罪の意識とうまく付き合い、犯罪を続けるのもよし。また、選択を保留にするのも良いでしょう。
すべては、あなたにかかっているのです。

罪悪感を自覚したあなたは、もうあの空間にとらわれることもなく、誰かに選択を迫られることもないのですから——

生還です。

《生還報酬》
現実世界に帰ることができた:15
茶色の部屋の憂鬱そうな子供を殺さなかった:1D6
ニャルラトホテプの本来の姿を見た:1D10
ニャルラトホテプに追加でアメちゃんをもらった:1D6

9つの玉を正しい順番ではめることができた:
この空間で発症した性的倒錯は、現実世界に戻った時にはすべてなくなっています。
正しい順番でなかった場合、性的倒錯が1D6ヶ月残ります。
探索者が望んだ場合、好きな性的倒錯を一生残しても良いです。
しかし、「10:ハーマトフィリア(失態性愛)」だけは、現実世界に戻ってくるとすぐに治ります。

ちなみに、「しょくざいの部屋」で負った怪我はそのままです。

エンドB 「違う扉から出る」

あなたが白い扉の隙間に手を入れて、扉を開けると、気の抜けた声が響きます。

「おっとっと!? まだ準備中だったんだけどなあ。覗きはいけないぞ!」

扉を開け切り、部屋の中を一望したあなたが目撃したのは、異形の化け物です。
それは貌のない円錐形の頭部を持つ肉の塊で、触腕、鉤爪、手が際限なく伸縮するものでした。
SANチェック<1D20/1D100>
ここでSAN値が0になった場合は、エンドCに移行します。

◇SAN値が0にならなかった場合
「ちょっと待っておくれよ。まったく、ノックくらいしてもらわなきゃあ困る」

そういうと、異形は瞬く間に姿を変えました。
それは、あなた自身の姿です。もう一人のあなたが、目の前にいます。

「よくぞここまでたどり着いた、訪問者よ——なんつって。やっほー! 待っていたよ」

(以下、エンドAと同じ処理)

エンドC 「罪悪感を破壊する」または「SAN値が0になる」

《白の扉を開けていない場合》

あなたは自分の体がふらふらと勝手に歩き出すのを理解します。
無意識に向かったのは、白い扉の前でした。
扉に触れると勝手に開き、あなたは扉の向こうへ吸い込まれるように入っていきます。
(という描写を入れてから、次の描写に移行)

・・・ ・・・

気づけばその部屋は、あなたが最も居心地がいいと思うような内装に変わっています。
永遠にここにいたい——そう思うことでしょう。そんなあなたに朗報です。
なんと喜ばしいことに、あなたはこの部屋に永遠に住むことができます!

ここはあなたの部屋になったのです。新居へようこそ!
この部屋の中で、最高に楽しい日々を送ることができるでしょう。

いずれ、あなたの部屋に人が訪れることがあります。そこであなたは悟るのです。
部屋を訪問してきた人物は、かつての自分と同じ状況にあるのだと。

あなたは部屋の主として、その訪問者に望みを告げるでしょう。
その望みがかなえられると、あなたは異形の姿に変わります。そして、不思議な力に導かれて部屋から出て行く時、あなたは知ることになります。

もう2度と、自分は現実世界には戻れないということに。

ロストです。

▼KP情報
この空間から脱出した探索者(住民)は今後、異形の化け物としてドリームランドでニャルラトホテプに飼われることになります。
たまに人間の姿に戻してもらうこともあるかもしれません。
そのときはきっとニャルラトホテプのお遊びに付き合って、どこかのシナリオで、いろいろなことを強要されることになるのでしょう。
それを断ることは、あなたにはできません。
なぜなら探索者はもはやニャルラトホテプのペットであり、人間ではないのですから。

これらの情報は、後日談としてPLに語っても良いです。

エンドD 「HPが0になる」

気がつくと、あなたは何やら浮遊感に包まれているのに気がつきます。
うっすら目を開くと、その浮遊感は、液体の中に浸っているから得られるものだということを理解するでしょう。

あなたがいるのは、液体の入ったガラスケースの中でした。
そこから見えるのは、書類の散らばる研究室と、そこを歩き回る白衣を着た男です。

薄れ行く意識の中で、あなたは悟るでしょう。
自分は死ぬまで、この男の実験台(おもちゃ)にされるのだということに。

ロストです。

▼KP情報
別名三田エンド
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