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望月 鏡翠
2025-07-21 23:07:02
10761文字
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リアタイ
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シズメ 04
シズメ/三角 麻弓/南国期間
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夜、星を見ながら夕食を食べようと屋上に上がる。座るのにちょうどいい場所を探していると、真っ白い塊がそこで動いた。幽霊でもでたのかと思って、手に持っていた食事をひっくり返しそうになったが、そこにいたのは鎮 寿一郎だった。
学校が海に沈むと同時に現れた、霊媒師。何か事情は知っていそうだけど、肝心のことはわからないままだ。
つまり麻弓は、その人が誰なのかよくわからないままだった。
確か口寄せの儀式で、死んだ人に会えるとかなんとか言っていた気がするが、会いたい人がいなかったので、今のところ使っていない。たぶん、あっても何を話せばいいのかわからなくなってしまうだろう。
そんなことよりも、鎮が日が暮れてもまだここにいるということの方が気になった。確か日中もずっとこの祭壇の前にいなかっただろうか。
食事や水分補給はちゃんとしているだろうか。
そうでなくても、霊媒師の正装なのか彼が着ている真っ黒な和服は熱が篭って暑そうだ。
「え、怪しいおじさんずっとここにいる。大丈夫ですか〜。冷えたお水とか入ります?」
階下から持ってきたばかりのペットボトルは、まだ冷えている。
「これ釣った魚を唐揚げにしたので、よければ食べてくださ〜い」
揚げ物は、未知の食材の全部を知っている味にしてくれる。今日は特にぐるくんというよく食べられている魚を揚げたから、きちんと食べられる料理になっているはずだ。
鎮は麻弓の差し出した料理を見て、鼻で笑った。
「フン。おじさん呼ばわりか。
……
唐揚げか。この状況でわざわざ調理とは、結構な事だな。まぁ、くれるというのならば貰ってやらんでもない。頂こう」
一瞬受け取ってもらえないかと思ったが、食べてはくれるらしい。
野良猫に餌やりしている気分。
そっけないけど食べてくれる。
「え、だって〜毎日カップ麺とか菓子パンも不健全じゃないですか」
栄養バランスを考えるならカロリーメイトを選んで、購入すればいいんだろう。ただ、毎日それだと飽きてしまう。食事でも、余暇の過ごし方でも、日々の彩りが必要なのだ。
勉強しかすることがないなんて味気ないし、料理はいい気晴らしになっていた。
鎮には気晴らしはあるんだろうか。
それとも霊媒師としての使命とかがあるから、そういうのは必要ないんだろうか。
(大人って大変そう)
やっぱり、この人が一番怪しくて人間じゃないっぽい。
それでも食事は人間と同じようにしているみたいだ。
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