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望月 鏡翠
2025-07-21 23:07:02
10761文字
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リアタイ
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シズメ 04
シズメ/三角 麻弓/南国期間
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透明で青い海はリゾート地のようだ。
はしゃぎすぎると熱中症になるかもしれないと、海の様子が変わった当日は釣りをしたり冷房が効いた校舎の中から観察したりと、のんびり過ごしていた。
しかし真っ先に海に飛び込んでいくクラスメイトなどを見ていると、楽しそうで自分もやりたくなってくる。
暑い陽に、水に浸かるのは心地が良いだろう。
ビーチのような場所は霊山までいかないと楽しめないと思っていたけれど、近くの旧校舎の屋根の上に寝そべっている人もいた。なんとなく、建物の屋根の上だから乗っちゃ駄目だと思っていたのだけど、そんな使い方をしていいんだと新鮮に感じながら、ボートで傍を通り過ぎた。
最近暑くなったから、先生が氷を作ったりアイスを配ってくれたりしていて、甘いものはしばらくお目にかかれないと思っていた生活に、途端に彩りが加わった。
麻弓はボートで海い出たことはあるけれど、泳ぎは試したことがない。プールで泳ぎの練習をして、海を眺めて、それで満足してしまっている。
波がなくて足がつく場所に床があるって大切だ。
今日は海の様子が変わってから初めて、プールに遊びに行く予定だった。
体育館に水着を取りに行く。隣には、布団を並べて寝ている家入 愛美がいる。
「愛美先輩、今日は部活ですか?」
自然科学研究部もそうだが、文化部は学校が海に沈んでも活動できる。時折部活に顔を出しているらしい。
「今日はまだ何をしようか決めていないです」
駄目元で聞いてみて良かった。予定がないなら、付き合ってもらえないだろうか。
「え〜、じゃあ一緒に泳ぎに行きませんか。一人で水着になるの心細いし」
ボートで繰り出すときはなんの躊躇いもなく近くにいる人に声をかけられるというのに、水着で遊ぶのだけは周りの目が気になって、妙に緊張してしまう。
「いいですよ」
更衣室から出てきた愛美は学校指定の水着ではなかった。
「かわいい! おしゃれですね」
私服は持ち込んでいたが、水着は学校指定のものしかもってきていない。こんなことなら、用意しておけば良かった。学校指定の水着は、健全で健康だけど味気ない。
いつも三つ編みにしている髪の毛は、邪魔にならないように纏めてある。
流石に同じクラスでなければ、水着姿なんて目にすることはない。その姿は寝巻きや自分のシャツを着ているとき以上に、新鮮に映った。
「麻弓さんも、きっと髪型を変えるだけで雰囲気が変わると思いますよ」
「髪型か〜」
今すぐにできるものがぱっとは思い浮かばない。
「あ、愛美先輩のしてるやつやりたいです」
「これですか? いいですよ」
更衣室に冷房はない。
暑苦しい密室から抜け出して、プールサイドのベンチを借りて髪の毛を結ってもらうことにした。
「泳ぐのに慣れたら、海にも遊びに行ってみませんか?」
美しい海と珊瑚礁を見に。
ああ、そうだ。水中カメラも忘れないようにしないと。
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