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チーバオ(QiBao)
2021-10-30 17:27:04
8139文字
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Sky二次創作『深淵覗きの断章』
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【#深淵覗きの断章】ネモと、影の夢の贈り物
ネモフィラが語る、『深淵覗きガーベラ』との出会いの経緯と、異能力“交信”の目覚めの話。
Twitterで連載していたやつの加筆修正版となっております。
⚠原作の諸要素に対する独自解釈・捏造・オリジナル設定あり⚠
Fanmade by チーバオ(QiBao)
#sky創作 #sky二次創作
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「ネモ
……
良かった
……
あのまま目覚めないかもって思ってた
……
」
オレの手をずっと握り締めていたガーベラは、その直後に驚いて飛び退いた。
「ガーベラ?!」
「
……
私、いま、私自身を見てた。キミの目で」
「は?」
最初は訳が分からなかった。
でも、アイツの提案でもう一度手を繋いで、その言葉の意味を理解した。
普段以上に、アイツとの『繋がり』が強く感じられたし、アイツの視界を介して、オレはオレ自身を見下ろしていた。
「おいおいおい、どうなってんだよこれ
……
何でガーベラの視界が
……
お前、今目は見えてるのか?!」
「落ち着いて
……
私の目は普通に見えている。今度は、さっきみたいにキミの視界を私に貸してほしい」
「はぁ?!」
「実験だ。そういう風に念じてみてくれ。私は目を閉じてるから」
仕方なく意識を集中させ、目を瞑り、開く。
すると、視界は元通り、目を閉じたガーベラからオレのものに切り替わる。
アイツの手を強く握り、アイツを見上げて、アイツの意識にオレの視界を繋げる様をイメージしながら呼びかけたのさ。
「オーケイ、ガーベラ。目を開けてくれよ」
ガーベラはオレをじっと見つめて、「成る程、成る程」と笑った。
「ちゃんと、キミの視界が見えてる。キミ、こんな風に『白イタチ』の私を見上げてたんだね
……
おや?」
「ん?」
オレも、オレの視界を使っていたガーベラも、ガーベラの背後
―
闇の中で燃える白蝋燭の道のずっと奥に、淡く光る無数の何かを見つけた。
「なあガーベラ、一旦オレの手を離してくれ」
その通りにしたガーベラは、オレの見ている方向を見つめ直し、困惑した。
「消えた
……
さっきの光
……
あれ、もしかしてキミにしか見えないのかい?」
オレは頷いて、ガーベラに手を差し出した。
「そうらしいな。だから、オレが手を引くし視界も貸してやるぜ」
きっとあれが道標になってくれる、って予感がしたからな。
《ずっと前から似たものを知っている》ような、不思議な感覚もあった。
オレはガーベラの手を引き、靄の怪物のルートを避け、白蝋燭を辿り、淡い光の源を目指した。
その正体は、精霊や星の子と同じくらいの大きさの、数多くの不確かな霊体だった。
精霊の記憶に似てるけど、それよりずっと朧げで、弱々しい。
オレの視界でソイツらを見たガーベラも「こんなもの、生まれて初めて見た」と驚いてたな。
「コイツら、この試練に残留してる思念かもしれねえぞ」
石窟の第二壁画
―
四つの試練と脱落した精霊達が描かれた壁画を思いだして、そう確信した。
理由は解らねえけど、オレの目には、遥か昔に試練に挑戦した精霊達や、直近で試練に挑戦した星の子達の思念が視えていた。
星の子が持つ『精霊の記憶を辿る』能力と、似てるようで異なる力によって。
精霊と思しい霊体はだいぶ薄れていて、見た目や形も判然としない。きっと物凄く古いヤツだからだ。
一方、星の子と思しい霊体はまだはっきりしていて、特に輝きが強かったのは、三人組の霊体だった。
オレに対して呼びかけている。何故だか強くそう感じた。
「この子達、私が触っても、蝋燭で灯しても、何も起きないな」
「多分、見えているオレでないと、ダメなんだ」
一呼吸置いて、オレは三人組の霊体に近づき、大鳴きで呼びかけた。
すると、見知らぬ星の子達の姿が、声が、オレの意識に流れ込んできた。
(((わかった、わかったぞ! こっちの道が正しいんだ!)))
(((待って、置いていかないで!)))
(((大丈夫よ、ほら、私の手を握ってなさい)))
「ネモ、今のは」
アイツにも、オレを介して見えていたし聞こえていたらしい。
「オレ達の前に、ここを踏破した星の子達の記憶だ! 追うぜ!」
星の子達の記憶はより強く輝き、火の玉となって先へ進み始める。
そして、時々霊体として現れて、まだ灯していない白蝋燭の道を指し示した。
オレとガーベラは、喜びと達成感に満ちた記憶を夢中で追いかけて、火の試練の終点
―
力を授かる瞑想の像まで辿り着いていた。
勇気の知恵の力で靄の怪物を薙ぎ払い、光の翼も手に入れて。
オレたちはようやく、無事に石窟に帰還した。
「ありがとう、ネモ。キミのおかげで上手くいった!」
ガーベラに抱き締められた時、いつもの眩暈と記憶混濁の症状に襲われたけど、それは今までで一番軽度で短いものだった。
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