【#深淵覗きの断章】ネモと、影の夢の贈り物

ネモフィラが語る、『深淵覗きガーベラ』との出会いの経緯と、異能力“交信”の目覚めの話。
Twitterで連載していたやつの加筆修正版となっております。

⚠原作の諸要素に対する独自解釈・捏造・オリジナル設定あり⚠

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#sky創作 #sky二次創作




 巨きな闇へと続く一本道。
 瞑想後に現れた光景は、今までの試練がお遊びに思えてくるような、異様な不気味さを湛えていた。
 暴風域や捨てられた地を楽しそうに駆け回り、その勇敢さとスリル好きでオレをヒヤヒヤさせてきたガーベラでも……はしゃぐ事なく、暫くあの闇を深刻そうに見つめていた。
「風の試練は暴風域より大変だったけど、これ、それ以上に手強いやつかもしれないよ」
 ガーベラの懸念は、後に現実となった。



 一本道を通って闇の世界に突入してから、多分1時間以上は歩き回ったと思う。
 試練のルールでケープと魔法と道具を奪われているオレたちは、互いの赤蝋燭の火を通わせながら、配置された白蝋燭や石碑に火を灯し、終点を目指して進んでいた。
 けど、余りにも濃い暗闇と、そこで蠢く赤目の靄の怪物が非常に厄介でさ。
 暗闇に光を奪われては以前灯した石碑に戻され、どうにか合流できたと思えば靄の怪物に襲われ。それを繰り返して、試練の第三層でオレ達は迷子になってしまった。
 既に灯した白蝋燭を辿るうちに、順路を進んでるのか、逆走してるのか、解らなくなっちまったのさ。
 オレたち以外の星の子とは、ひとりも遭遇出来なかった。

「こんなところで諦めたくない」
「オレだって同じ気持ちだぜ」
「でもさ、ネモ……これからどうしたら良いんだろう……
 石碑の火に当たっていた『深淵覗き』は、酷く落ち込んでいた。
 その気になりゃ、念じて本拠点ホームに戻る事もできたけど。
 それでも、オレたちは勇気を示したかった。
 共に闇を切り開く勇気を。
 どんな困難が在ろうと、進み続ける勇気を。
 いつ終わるのかも解らない、苦しみに向き合う勇気を。

 ガーベラに助けられ、教えられ、支えられてきたオレは。
 あの時、何がなんでもガーベラを助けたかった。

「お願いだ。どうか、成し遂げる力を」
 そう呟いた瞬間。
 火の試練の真っ暗闇が、石碑の火やガーベラが、オレの目の前から消え失せた。