巨きな闇へと続く一本道。
瞑想後に現れた光景は、今までの試練がお遊びに思えてくるような、異様な不気味さを湛えていた。
暴風域や捨てられた地を楽しそうに駆け回り、その勇敢さとスリル好きでオレをヒヤヒヤさせてきたガーベラでも
……はしゃぐ事なく、暫くあの闇を深刻そうに見つめていた。
「風の試練は暴風域より大変だったけど、これ、それ以上に手強いやつかもしれないよ」
ガーベラの懸念は、後に現実となった。
一本道を通って闇の世界に突入してから、多分1時間以上は歩き回ったと思う。
試練のルールでケープと魔法と道具を奪われているオレたちは、互いの赤蝋燭の火を通わせながら、配置された白蝋燭や石碑に火を灯し、終点を目指して進んでいた。
けど、余りにも濃い暗闇と、そこで蠢く赤目の靄の怪物が非常に厄介でさ。
暗闇に光を奪われては以前灯した石碑に戻され、どうにか合流できたと思えば靄の怪物に襲われ。それを繰り返して、試練の第三層でオレ達は迷子になってしまった。
既に灯した白蝋燭を辿るうちに、順路を進んでるのか、逆走してるのか、解らなくなっちまったのさ。
オレたち以外の星の子とは、ひとりも遭遇出来なかった。
「こんなところで諦めたくない」
「オレだって同じ気持ちだぜ」
「でもさ、ネモ
……これからどうしたら良いんだろう
……」
石碑の火に当たっていた『深淵覗き』は、酷く落ち込んでいた。
その気になりゃ、念じて
本拠点に戻る事もできたけど。
それでも、オレたちは勇気を示したかった。
共に闇を切り開く勇気を。
どんな困難が在ろうと、進み続ける勇気を。
いつ終わるのかも解らない、苦しみに向き合う勇気を。
ガーベラに助けられ、教えられ、支えられてきたオレは。
あの時、何がなんでもガーベラを助けたかった。
「お願いだ。どうか、成し遂げる力を」
そう呟いた瞬間。
火の試練の真っ暗闇が、石碑の火やガーベラが、オレの目の前から消え失せた。
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