【#深淵覗きの断章】ネモと、影の夢の贈り物

ネモフィラが語る、『深淵覗きガーベラ』との出会いの経緯と、異能力“交信”の目覚めの話。
Twitterで連載していたやつの加筆修正版となっております。

⚠原作の諸要素に対する独自解釈・捏造・オリジナル設定あり⚠

Fanmade by チーバオ(QiBao)
#sky創作 #sky二次創作


「おおっと、赤蝋燭あかキャンドル……あれ、キミはもしかして」
 草原の交流広場で、オレは偶然、リトルな影の子と灯しあった。



 リトル仮面にマッシュヘア、金紫のタッセル髪飾り。
 黒ズボン服と、預言のペンダント、鮮やかな橙色の蝶形ケープ、背中のランタン。
「うわぁ、雨林で倒れてた子じゃん! 空色ケープに、髪と服は雛鳥のやつ。数日ぶりに会えるなんて!」
 リトル星の子は、オレの姿を見るなり親しげに話しかけてきた。
「へ? いや、あの……お前、一体誰だ?」
 困惑したオレは、そう返事するしかなかった。

「あ、そっか。あの時の私はこの格好じゃなかったわね。そりゃあ解らないか」
 そう言って、リトルっ子は祠でサササっと着替えを済ませた。
「ふふ……ほーら、この格好なら見覚えがあるだろう。私の、もう一つの姿さ」
「嘘だろ、お前……あの時のイタチ仮面?!」


 目の前に現れたのは、あの日の雨林で助けてくれた、モヒカン三つ編みヘアに白イタチ仮面の背高星の子。纏う服もケープも、ペンダントや髪飾りも、あの時と一緒。
「その通り。思い出してくれてほんとに嬉しい! 普段はね……リトルなカワイイ姿で過ごしてるの! 良ければ一緒に、おしゃべりしない?」
 マッシュヘアのリトルっ子に戻った星の子は、オレの恩人と同一人物だったわけだ。

 これが、オレとガーベラの二度目の対面さ。
 まさか、アイツが『リトル・ガーベラ』と『白イタチのガーベラ』……二つの姿を用途に応じて使い分けてるなんて思わなかったぜ。

 その後、オレはアイツに、あの日雨林で気絶した理由……他者の記憶の悪夢と記憶混濁の事を話した。
 今まで出会った子達と違って、アイツは黙って、予想以上に真剣な態度でオレの話を聞いてくれた。
……だからオレは、他の子から貰う名前じゃなくて、オレ自身を定める名前で呼ばれたくてさ。あ、名乗るの遅れたけど、オレの名前は『ネモ』って言うんだ」
「そうなんだ……あのね、私も持ってるよ! 自力で思いついた、誰かに呼ばれたい名前。私の、本当の名前!」
 アイツは……ガーベラはオレに跪き、友愛の白蝋燭を差し出した。



「私の名前は『ガーベラ』。『深淵覗きガーベラ』。もし良ければ、私と友達になってくれないかな。キミが悩んでる悪夢の事や記憶の事について、私の知識で手助け出来るかもしれない!」



 誰にも解ってもらえる訳がないって、諦めてたから。
 ガーベラがそう言ってくれた事が、とても嬉しくてさ。
 だからオレは、『浅葱空のネモ』として、深淵覗きガーベラの友達兼、弟子になる事を決めた。



 この世全ての謎を解き明かそうと意気込むアイツの知恵を借りて、オレを襲う症状の原因を探るために。
 そもそもオレが、星の子が何者なのかを知るために。