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葉咲透織
2025-05-19 16:18:27
12537文字
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帰還ifシャアシャリ、全部まとめてみた
帰還ifシャアシャリ企画のために、これまで書いたものをまとめました(一部pixivのリンク)女体化と戻ってこなかったifは抜いてあります。さすがに……。
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極彩色のピエタ
どこからともなく、ふらふらと今にも倒れそうな様子で現れた赤い男に、彼は真っ先に駆け寄った。
「大佐
……
大佐!」
震える声は、しんと静まり返った場によく響く。赤い男は耐えられなかったようで、助けに来た知己の胸にもたれかかる。淡い緑の色彩を纏う男は、その格好から軍人である。赤い男もまた、一年戦争時の将校のユニフォームであるということに気づいた観衆は、どれくらいいたことか。
ともかく軍人の緑の男でも、同性の身体を立ったまま支えるのは、バランスが崩れて難しかったのだろう。彼は地に膝をつき、赤い男の頭を腿に載せた。手を握り、「大佐
……
」と、それ以外の言葉を忘れてしまったかのようだ。
「やぁ、大尉
……
ずいぶんと男前になったな。ああ、ほら、泣くんじゃない。せっかく褒めたのに、台無しだろう」
「だって
……
!」
ギリギリ聞こえる言葉の断片から推測するに、甘いやりとりを行っているようだ。もっと離れたところだったら、何も聞こえない。それがむしろ、神秘性を増す。現に隣にいた男は、持っていた紙に鉛筆でスケッチをしていた。芸術家志望なのだろう、上手いもんだった。
男は涙を流し、夢中になって絵を描く。その涙の理由を、なんとなく察した。
あまりにも美しい光景は、崇高である。どこかで見た構図だな、と思っていたら、ひょんなことからそれが、愛する子を喪った聖母の像によく似ていたのだと気づいた。
赤と緑のピエタ。スケッチはキャンバスに写され、彩色され、反響を呼んでいる。鑑賞客の多くは、あの日ふたりをまの当たりした人間だと思う。何度も見に来ている連中は、特に。常連と視線を交わし、会釈する。
あの日から、聖母のごとき慈悲深い緑の男の目を、こちらに向かせてみたいという願望が、胸のうちに巣食っている。
「大佐は死んでません(迫真)」
「ははっ。そうだな。私も、自分を産んだ男を抱く趣味はないな」
「大佐っ!」
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