riririnf
2025-01-18 10:28:05
20630文字
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会いたい

ヌヴィフリ逃亡書いてみた④
やっと本格的にヌヴィレットが出てきます。
捏造・ネタバレ過多。



「鍾離!鍾離!!」
 ヌヴィレットと別れた後、旅人とパイモンは往生堂へ駆け込んだ。
 そこには目的の人物がまだ残っていて、数刻前と変わらぬ姿で茶を啜っている。
 けれど普段の彼は璃月各地をうろついており、ひとところに──特に職場に長く居座ることはあまりない。もしかすると、自分達の訪れを予期して待っていたのだろうか?
 そんな疑問が頭をよぎるも、今はそんな場合ではない。思考を巡らせる旅人よりも早く、パイモンが本題を切り出した。
「大変なんだ!フリーナが奥蔵山で行方不明になったんだ!!」
「──ほう」
 簡潔かつ分かりやすく重大事件を知らせる台詞に、それでも鍾離は少しも動じることはない。案の定パイモンは、心配じゃないのかよ!?と叫び声を上げた。
「勿論、心配している。だが、どうして俺の所に?その話の通りなら、すぐにフリーナ殿の捜索に向かうべきだろう」
 そうは言いつつ、事情は分かっているのだろう。この問いかけは会話を進める以上の意味を持たない。
「今、ヌヴィレットが先に探しに行ってるの。でも、このままじゃフリーナを見つけ出せない。だって先生の術があるから。そうでしょ?」
 フリーナを望む道に導くという、『奇門遁甲』。フリーナがヌヴィレットに関わる全てに会いたくないと願っている以上、自分達もヌヴィレットも、フリーナを見つけられない。
「だから、術を解いて」
「それは出来ない」
「お前、またそれかよ!!」
 相変わらず、鍾離の返答は無情のまま。それにパイモンが激怒するのも、繰り返し。
「術は髪飾りに込められ、既に俺の手を離れている。そしてその髪飾りは今手元にない。だから俺にもどうにもならないんだ」
 パイモンの怒りなど意にも介さず、飄々と肩を竦める鍾離の言葉に、嘘はないように思われた。
「なら、お前がフリーナを探しに行けよ!どうしても夕刻までに見つけださないといけないんだ!!」
 パイモンの叫びは、最早悲痛、と言える響きになっていた。さしもの鍾離も捨て置けなかったのだろう。琥珀の瞳が細められた。
「──無論、いよいよの事態となれば、俺も動くつもりだ。だがその時にはもう、俺の答えは出ているぞ」
 答え。それは、試しの終わり。つまり、ヌヴィレットとフリーナの関係に、見切りをつけるということ。
 なんだかんだ、自分達はいつも鍾離の期待に応え続けてきた。だから彼の──岩王モラクスの失望を、知らない。
 彼の瞳に失望が映された時、一体どうなってしまうのか。
 まるで予想がつかない展開に、旅人は息を呑む。隣のパイモンも同様だ。
 黙り込む二人に、鍾離の顔が和らいだ。
「そう心配せずとも、物事は在るべき道へと進んでいく。俺達は此処で、ただその答えを待てばいい」
 鍾離はただ穏やかな声で、そう告げた。