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ちよど
2025-01-10 11:52:47
12144文字
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わし様など
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練習1P 500個記念企画短編化まとめ
#練習1P、のタグで書いていたもの。このたび、読んでくださったみなさまのおかげで500個書けたので記念企画としていくつか短編化しました。
リクエストしてくださった方々ありがとうございました。
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生前ビマさん+次男
「インチキに決まっておるだろう!馬鹿者!」
■原文■
「ああ、アビマニュ」
たゆたう煙の向こうの人影にドラウパディーが膝をついた。噂を聞いてこっそりとふたりで訪ねたのは死者に会えるマントラを知るバラモン。その男が微笑む。
「さあ、彼の手を取って」
見間違えようもない甥が俺を見て嬉しそうに笑う。幼い頃そのままの表情につられるように足を踏み出した俺は、突き飛ばされて振り向いた。
あり得るはずのない声。いや、この場だからこそ。
宿敵の姿を探した視界に刃が光る。
「ドラウパディー!!」
妻に振り下ろされた短剣をなんとか掴んだ俺に男は忌々しそうに顔を歪めた。
「ドゥリーヨダナの信奉者はみんな殺したはずだ」
俺の言葉にバラモンは握りしめたままの短剣に視線を落とした。
「遊びだとあの方々は笑っておられました。一人娘を犯して殺した男にこれでトドメを刺せと」
「
…
まっとうなバラモンに人殺しをさせたのか」
悪趣味な趣向に眉を顰めると男は俺を見て、妻を見た。
「私の娘の敵討ちをしてくれた王子の胸を裂いた男よ、血で髪を洗った女よ。呪われるがいい」
それ以上の呪詛を塞ぐために俺はまた血を流した。憎しみは終わらない。ならどうしてあいつの声がしたのだろう。
■短編化■
「ビーマ。あなたにしか頼めないの」
妻がそう強請れば俺は断らない。それが例え他の兄弟に隠れて街の噂を確かめに行くことだとしても。
大きな戦争が終わり、街は日常を取り戻しつつあった。行き交う人々に紛れて俺達ふたりが訪ねたのは森の小さな庵だ。
そこにひとりで住んでいるバラモンの男は死者に会えるマントラを知るらしい。
いきなり訪れた俺達に男は丁寧に頭を下げた。
「お待ちしておりました尊きお方、貴方様のお会いしたい方はどなたでしょうか?」
「アビマニュを」
妻が自分の子供ではなくアルジュナと第二夫人の子を指名すると男は微笑んだ。丁寧な仕草で庵の奥に促す。
先に大柄な俺が入り、続いてドラウパディーが入る。小さいと思っていた庵は意外に広く数人が暮らせそうだった。
「妻がいるのか?」
壁に掛けてあった柔らかな模様の布に男は困ったように眉を下げる。
「妻は亡くなりました。あれは娘のものです。嫁入りに持たせてやろうと思っていたのですが」
男は首を振った。
あの戦いで死んだのはクシャトリヤだけではない。巻き添えになった者も大勢いたし、俺が戦後に処断した者も多い。男の娘婿はその中のひとりだったのかもしれない。
手に血の感触が甦る。
それに気づくはずもなく男はこんな庵に似つかわしくない繊細な香炉に火を移した。男のマントラの響きと共にゆったりとした煙が庵に満ちていく。
たゆたう煙の向こうに人影が浮かび上がった。
「ああ、アビマニュ」
涙を滲ませてドラウパディーが膝をついた。秘儀を成した男が微笑む。
「さあ、彼の手を取って」
卑怯な手段で嬲り殺された甥が煙越しに俺を見て嬉しそうに笑う。幼い頃そのままの表情につられるように足を踏み出した俺は、突き飛ばされて振り向いた。
あり得るはずのない声。
宿敵の姿を探した視界に刃が光る。
「ドラウパディー!!」
妻に振り下ろされた短剣をなんとか掴んだ俺に男は忌々しそうに顔を歪めた。
「ドゥリーヨダナの信奉者はみんな殺したはずだ」
俺の言葉にバラモンは握りしめたままの短剣に視線を落とした。
「私にあの香炉を下賜したのはドゥリーヨダナ様ではありませんよ。ビーマセーナ様」
この装飾が入った短剣もあの香炉もこんな庵に住むバラモンには不相応だ。だが、ドゥリーヨダナでなければ誰が。
不審に思う俺の表情を読んで男は顔を歪めて笑った。
「遊びだとあの方々は笑っておられました。一人娘を犯して殺した男にこれでトドメを刺せと」
「
…
まっとうなバラモンに人殺しをさせたのか」
やつらならやりかねない悪趣味な趣向に眉を顰めると男は俺を見て、妻を見た。
「私の娘の敵討ちをしてくれた王子の胸を裂いた男よ、血で髪を洗った女よ。呪われるがいい」
それ以上の呪詛を塞ぐために俺はまたこの手を血で汚した。憎しみは終わらない。
ならどうしてあいつの声がしたのだろう。
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読んでくださってありがとうございます。
少しでも楽しんでいただけたなら嬉しいです。
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