氷紀
2024-12-31 00:43:33
13064文字
Public
 

今はおやすみ、蛇沢くん

『蛇沢ちゃんの話/10000字くらい』というリクのはずだったんだ……
世界観は5期軸想定、CP的には一応高沢……の、つもり……たぶん、そうじゃないかな……



 霊水のお陰で、僕は一晩で歩ける程度には回復した。
 そうして家に戻ってから、ことの顛末を父さんに話すと、父さんは呆れたような声でこう言った。
……とんでもない蛇がおったもんじゃのう」
「取りあえずこれで、彼がこの冬に死ぬことはないでしょうけど……ただ、これで冬を越えられても、また繰り返しそうだな、って」
「そうじゃなあ、……これは多分、心の話じゃ。鬼太郎と蛇沢くんで考えるべきことじゃな。ワシには何も言えん……
 今日の茶碗風呂は、ねこ娘から貰った紅茶だ。緑茶とは違う、鮮やかな香りが静かな家を満たしている。
「じゃがな、鬼太郎。それでもワシに、何か言えることがあるとすれば……、一度とった手を放すのは、最初から手を取らないよりも、ずっと残酷なこともある、ということじゃな。そうと分かった上でなら、……死なない限りどういう選択をしても、ワシに咎める気はない」
「父さん、……ありがとう、ございます」
「ワシはいつでも、鬼太郎の味方じゃよ」
 紅茶の鮮やかな色に浮かぶ父さんの黒目が、ぱちりと閉じるのが見えた。