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氷紀
2024-12-31 00:43:33
13064文字
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今はおやすみ、蛇沢くん
『蛇沢ちゃんの話/10000字くらい』というリクのはずだったんだ……
世界観は5期軸想定、CP的には一応高沢……の、つもり……たぶん、そうじゃないかな……
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……
そんなことがあってから、僕は紅葉が色づくまでの間に三度ばかり、山に足を踏み入れた。でも蛇沢くんには会えなかった。避けられているのか、単に間が悪かっただけなのかは分からないけど。
そうこうするうちに山の紅葉が色づき始めて、やがて妙なことが起きた。
ねずみ男が『最近、ネズミたちがばかに多い』と言い、カラスの雛がいなくなることも、リスや狸の子が狙われることもなくなり、気がつけば近くの山の動物たちが、いつもの年より多いくらいになってきたのだ。
「動物たちの噂が、気になるのう」
家の窓から山の紅葉を眺めていると、いつものように茶碗風呂に入っていた父さんが、何気ない風を装って声を掛けてきた。
「いつも通りならともかく、いつもより多い、というのは明らかに変じゃ。森の実りは、そう大して変わらんというのに
……
」
「です
……
よね」
僕の頭に浮かんでいるのは、蛇沢くんの姿だ。紅葉が色づいたら近づくな、という言葉に従って、僕はあれからあの山には行っていない。横丁のみんなにも、妖怪を襲って食べる蛇のようなモノがいるから、戦って逃げる自信がないなら行かない方がいいよ、と言って
――
それでも怖い物見たさで行く奴は行くだろう、それは止めようもないけど。
「実はな鬼太郎、今朝、カラスが教えてくれたんじゃが
……
、この時期、あの山にいる件の蛇が、今年は姿を見ないんじゃと。カラスにとっては、蛇は雛を食う天敵じゃから、そのカラスはほっとしておったが
……
何かあったのかもしれんのう」
蛇沢くんの悲しそうな微笑みが、鮮やかに甦る。
あまり考えたくなかったことが否応なく湧いてきて、僕はいても立ってもいられなくなった。
「
……
、父さん。僕、行ってきます」
「気をつけてな」
父さんの声に押されて、僕は蛇沢くんの願いに背いた。
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