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リース
2024-08-24 17:02:14
41947文字
Public
ドラゴンズドグマ
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オルグの独白(完結)
ドラゴンズドグマ2にて
本アカウントの覚者リースのメインポーンのオルグが、サブアカウントの覚者、叢雲さん宅のラルスさんと、そのポーンに転生した異界のリースに出会うお話。
※過去作であるDDON、DDDAのエンディング要素も少し含まれています。
※ゲーム内で語られていない部分は多少捏造が入っています。
叢雲さん宅のラルスさん
Lさん宅のスアくんをお借りしています。
※ラルス×リース
オルグ×スア
それぞれのBLCP要素あり
※2/20
4章、エピローグ他更新(4ページ目から)で完結
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『リースの告白』
ラルス様と共にあの竜を止めるため、体の内から脈打つ衝動に必死に抗いながら無我夢中で飛んだ。
そして竜の顔面めがけ渾身の力で体当たりをくらわせる。まるで痛みに悶えるように身を捩り、やがて緩やかに落下していく巨大な竜の心臓部に取り付いた。
胸部の外皮に爪を立て力一杯にこじ開けると、肉の間から大きく脈打つ心臓が姿を現した。
これでいよいよ終わる。
その前に、私にはまだやり残したことがある。
竜にしがみついたまま、愛しい人へ振り向く。
その人は上空に放り出されながらも私を見つめていた。
この世界で、別の世界の"リース"の記憶と共に流れ込んできた温かいもの。
そしてここに至るまで、虚だった私に貴方が教えてくれたものを、今度は私から貴方に伝えたい。
『ああ
……
ラルス様、私は幸せです。
私の中に、こんなにも熱く尊いものが––––
ここにある"意志"は、ラルス様からの、贈り物なのです。
貴方のためならば
全てを引き換えにしても、惜しくはない。
貴方に捧げます。』
私の声は、ラルス様には届いただろうか。
空からこちらを見ているラルス様の顔は、少し悲しそうに見えた。
嗚呼、最期は
……
あの優しい笑顔が見たかった。
即位の宴の日、神凪の声に苦しむ私を、大丈夫だと抱きしめてくださったあの腕に、もう一度抱かれたかった。
そうして私は巨大な竜の腕に捕まってしまい、空中へと投げ出された。
ポーンに死の概念は存在しない。このまま地上に叩きつけられたとしても死ぬことはない。
それに、きっとその前にラルス様が終わらせてくださると信じている。
安心したからなのかなんだか少し眠くなってしまい、私はゆっくりと目を閉じた。
***
ラルスさん。
ラルスさん、ラルスさん。
あの時頭を撫でてくれた。大丈夫だと抱きしめてくれた。
愛していると言ってくれた。
でも、そのラルスさんはもういない。
俺が、この手で殺した。
俺が、全部忘れてたから。
俺のせいで、ラルスさんは消えてしまった。
俺がここに辿り着くまでずっと、ずっと見守ってくれてたのに。
もう会えない、俺の大事な人。
目と鼻と喉の奥が痛い。それでも止められない。
腹も減らない。眠くもならない。
ただひたすらに、涙と声だけが溢れた。
それからどれくらいの時が流れたのだろうか。
『貴方の好きにしていいんです。』
俺の横にいたオルグはいつものように淡々と、しかしどこか震えたような声色でそう告げてきた。
オルグは、俺がこんなになってもずっと側にいてくれたんだな。見てるだけしかできなかったのは、それはそれですごくつらかっただろうに。
オルグもずっと俺のことを護ってくれて、沢山沢山心配をかけたのに、結局俺はオルグに何も返すことができなかった。
そんなオルグの言葉の意味をゆっくりと理解した後、俺の手は自然とリディルを握りしめていた。
こんな主でごめん、オルグ。でも
…
『
…
ありがとう
…
オルグ』
オルグが小さく『え
……
?』と溢すのが聴こえた。
オルグの方へ顔を向けると案の定彼は目を見開いてこっちを見ていた。驚いたような、どこか悲しそうな目をして、こんなに表情を変えたオルグは久しぶりに見たかもしれない。
『俺
…
思い出してよかったよ』
『俺が、倒されなくてよかった。
そしたらラルスさん、きっと
……
壊れてたかもしれない。』
かつてラルスさんは、俺のために生きると言ってくれた。
だから俺もラルスさんのために生きようって思っていたんだ。俺にとっても、ラルスさんは生きる理由だったよ。
だから––––
『
……
。』
『嗚呼
……
よかった
…
。
残されたのがラルスさんじゃなくて、本当によかった
……
』
俺が最後に立っていて、ラルスさんの生きる理由を奪わなくて、本当によかった。今なら心からそう思える。
でも、俺はラルスさんみたいにこんな何もない場所で、ラルスさんのいない世界を見守るなんて、出来そうにない。
瞳を閉じて、膝をついて仰ぎ見るように体を反らせると、剣先を自身の胸目掛けて突き立てた。
***
再び目を開ければ、私の体はいつの間にか地に落ちていたようだ。
ファズス殿の元でのひと月、微睡の中で見ていた夢はとても悲しく、愛おしいものだった。
そして今また、あの時蘇った"リース様"の記憶がもう一度呼び起こされていた。
先輩
……
オルグにも、そして何も言わずに寄り添ってくれていたスアにも、またつらい思いをさせてしまいました。今度また会えたら、謝らないと
……
すると体が少しずつリムへ溶け込んでいくような感覚を受けた。
嗚呼きっと、ラルス様が終わらせてくださった。
あの竜にトドメを刺し、ラルス様が勝ったのだ。
でも、そのままラルス様は
……
?
……
。
ラルス様
……
ラルスさん。
俺は、ラルスさんの行動で世界にどうなったとしても、ずっと傍にいるから。ラルスさんが俺を見つけてくれたように、また必ずラルスさんを見つけるから。
だから次こそは、一緒に円環から抜けよう
……
そしたら、その時は––––。
永い永い微睡の中、誰かの呼ぶ声が聴こえる。
仄暗いリムの中に佇むリムストーン。声に導かれ手を伸ばせば、視界が急に明るくなり思わず目を瞑る。
土を踏み締める感触と、髪を撫でる風を感じて目を開ければ、そこには綺麗なアッシュブロンドの髪と髭を持つ壮年の男性が立っていた。
彼はこちらを見るなり少しだけ驚いた様子だった。
あの巨大な塔の上から赤いドラゴンの背に乗り飛び去った後、そのドラゴンがラルス様を乗せたまま海に落ちてしまったのだ。
その彼が、今は目の前にいる。
彼の身なりは、初めてお会いした時と同じく、囚人のようなボロボロの服を身に纏っているが、これはどういうことなのだろうか。
私は、何か大事なことを忘れてしまっているような。
「お前が
……
俺のポーン、なのか。」
彼の翡翠色の瞳に見つめられた。
そうですね。
今は、貴方と会えたことを素直に喜びます。
貴方が覚えていないなら、知識を活かして今度は私が何度でも導きましょう。
旅をして、忘れてしまった大事なことを一緒に見つけましょう。
熱い何かが込み上げてきて、唇が震えそうになるのをグッと誤魔化しながら、少し戸惑う様子の彼に笑いかけた。
「
…
はい。ここで会える気がしましたよ、ラルス様。」
fin
→あとがき、補足
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