天体の公転周期とそれに追いつく方法

2023年5月4日発行の太乙×普賢アンソロジー『OVER DUB』用に書いた乙普です。1年経ったのでこちらでも公開します。せっかくだからいろんな乙普がほしいと思って「仲良くない乙普」を書きました。文末に、イベントの無配ペーパーに書いた、普賢視点の掌編も再録しています。

「とにかく、普賢だけは絶対嫌」



閑話休題「不機嫌な天体」

崑崙十二仙の玉鼎真人が訪ねてきた。型通りの礼をして顔を上げると、その人は
見るからに困惑した様子で口を開いた。
「先日話をした件についてだが」
十二仙に推挙する話だとすぐにわかったのは、正式に通達をすると言われたまま音沙汰がなかったからだ。はいと素直に頷くと、彼は眉間のしわを深くして言った。
「待たせてすまない。すこし時間がかかりそうだ」
ああ、と普賢は思った。ではうまく「引き延ばせている」のだ。
「もしかして、太乙さまですか」
なぜそれを、と言いかけて、玉鼎が口を噤む。そして、なぜそう思うのか、何が
あったのかを遠慮がちに根掘り葉掘り聞かれた。もちろん想定していたことだ。

「焦らしたほうがいいですね。多くの人の目につく形で露見させましょう」
そう提案したときの太乙の顔を思い出した。その作戦はきっと太乙もおおよそは
考えていたものだろうに「私が反対したら?」と難色を示す。
「反対?しないでしょう。太乙さまが失敗するはずないし、僕だって同じです」
太乙は深くため息をついた。やけに不快そうだった。
「そんなにまですることないのに」というつぶやきは聞こえないふりをした。十二仙昇格に反対しているのは知っているけれど、なぜ反対しているかはわからない。仲間が増えるのはよろこばしいはずだし、自分だってさんざん好き勝手してきたはずなのに。
「太乙さまはお気に召さないんじゃないでしょうか」
玉鼎をますます困惑させるひと言を投げて、普賢はさも曖昧に微笑んだ。