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DUNGEON DE RONPA



✣六章


黒幕は誰なのか。私たちの中にいる、というのは本当なのか。
答えは出ないまま、ただただ時間が過ぎて行った。

誰かを疑うことなんてしたくなかったけれど、誰を信じたらいいのかも分からなくて。
美味しいはずのご飯も、味気なく感じた。

モノリィ『オマエラ!今すぐ集まりなさい!』

すごく焦った声だった。集合場所を伝え忘れるくらいだから、相当酷いことがあったのかもしれない。

何が待っているのか。
それを確かめるのは凄く勇気がいることだった。

――――――――

モノリィ「本当に忌々しいわ……
日暮「どうしたんだい、それ……
宙八覡「……酷い、怪我ね」

モノリィ「今回は、私を襲った犯人を……いえ、黒幕を突き止めてこのコロシアイを終わらせるのよ」
雨車「貴方とその人は、手を組んでいたんじゃないですか?」
モノリィ「大人の事情って言うものがあるのよ。それをオマエラに教える義務はないから、聞かないで頂戴ね」

……頑張るしか、ないのかな。
ううん、頑張るんだから。

いなくなっちゃった人たちのためにも。

🦄

嗚呼、何故バレてしまったんでしょう!

あれから息をひそめて、誰にも見つからないように行動していたのに。
貴方たちに称賛を送って差し上げましょう!

正直、私は彼らの意見に賛同できる部分があったから協力していただけ。
しかし、センスのないあの方にはがっかりしてしまっているんです。

宙八覡「どう考えても、貴方が生きていると……そして、彼に協力しているんだとしか思えなかったの」

「祀祷さん」

【内通者が特定されました】

祀「よく突き止めましたね。ええ、私は黒幕に協力していました。役目は、コロシアイが起きそうもない時に誰かを唆す……という感じですかね」

皆さん呆けた顔をして、どうしたんでしょうか?
司祭である私が、どうしてこんなことを?とでも思っているんでしょうかね。

人は誰しも、どこか偽って生きているものでしょう!
見せられた部分が本物だとそのまま信じるのは、少々不用心に思えますね。

……ね、貴方もそう思うでしょう?

🦄

あはは、それ、面白いね。

わざわざこうやって聞いてくるってことは、キミ、凄い怒ってるのかな?
まあ、意見が合わないかもって言うのは薄々分かってたけど。

雨車「一体、何がそんなにおかしいんですか……?亡くなったあの子を、貴方は大切に思っていたはずですよね」

「星丘碧夢さん」

【黒幕が特定されました】

星丘「あはは、気に入ってもらえなかったのかな?」

おかしいな、喜んでもらえるって思ってたのに。残念!

廻「コロシアイを、気に入る人なんて……どこにも、いないですよ……!」

そんなことないよ。きっと、何かが足りなかっただけだろうね!
例えば、もっと祀くんと協力していたらいいものになったはずさ!

まあ、バレてしまったのは仕方がない。
こうなったら、キミたちに予め用意されていたセリフを伝えるくらいしか、ボクに残された道はないからね。

さあ、選択の時間だよ!
みんなで仲良く過ごしたダンジョンで死ぬまで過ごす「絶望」か!
外に出て、仲間を見捨てた人間として謗られる「希望」か!

どちらを選ぶのも、キミたちの自由だよ。

―――――――――――

「みんなには悪いけど、今までの言動は全部演技だったんだよ。
超高校級のヴィランである俺には、誰かを騙すなんて容易い事だった」

「だから俺は、絶望を選ぶよ」

―――――――

「貴方が内通者だとわかった時、あたし、とっても悲しかったの。
みんなのこと守るって言ってくれたのが嘘に思えて。約束は守るためにあるって言ったのは貴方なのに」

「あの時の貴方の言葉が、本心かどうかは分からない。それでも、生きて欲しいって言われて嬉しかった。
だから、私は希望を選ぶわ。閉じ込められたままだなんて、生きてるって言えないから」

――――――

「お兄さんみたいな人間がここまで生き残れたことが凄い感動的だな〜って思ってるんだ。
正直言って、希望も絶望も死なないんだったら同じじゃない?って思えちゃったりするんだけど」

「ここまで来たなら、俺は希望を選ばせてもらいます。
亡くなった人たちのためにも、俺は外に出て生きていかないといけないんだと思えるから」

――――――――――――

「あの……わ、私、腰抜けだって言われるかもしれないの、怖いんです。
だから、絶望を選びたくなってしまう、楽な方に逃げたくなっちゃって……

「でも、いつまでも逃げてばかりじゃダメなんだって気づいたんです。
例え、石を投げられるとしても。私は希望を選びます……!」

―――――――――――――

「みんなで一緒に過ごしたこの場所を離れるのは寂しいよ。
嫌なこともあったけど、ここには良い思い出も沢山沢山あるんだ」

「でも、みんなだったらきっと、下じゃなくて前を向いてって言ってくれると思うの。
みんなのことを忘れないで、前に進んで生きていく!
私は、希望を選ぶよ」

「それに、今までのことが全部、演技だっただなんて。
嘘を着いていることくらい、私にだって分かるよ。だから、本当の気持ちを聞かせて、終夜くん」

日暮「…………来栖さんは、眩しいね」

「希望なんて、何もない空っぽな俺が望んじゃいけないんだと思ってた。
でも、みんなのために。俺も前に進んでいくよ」

―――

祀「残念ですね、一人くらいは絶望を選ぶと思っていましたけど」
星丘「コロシアイを気に入って貰えなかったのは残念だけど、ボクは別にこれでいいんだと思うよ」

モノリィ「じゃあ、そろそろオシオキに移っても良いかしら。言い残したことがあったら、ちゃんと伝えた方がいいのよ」

星丘「ボクはないよ。彼女に会いに行けるんだから、むしろ早くオシオキして欲しいくらいだよ」

祀「私は……あの通り、彼女の気持ちを裏切ってしまいましたからね。伝えることなどありませんよ」

モノリィ「そう」

モノリィは無機質な声で、アームを作動させるためのボタンを押す。

―――――――――――――――

そうして私たち5人がダンジョンから出たのは、もう1ヶ月前のことだ。

碧夢くんが言ったようなことは起こらなくて。
前のような生活を普通に過ごしている。

でも、あれからダンジョンには1度も入っていない。

今はまだ、あの惨劇を思い出してしまうから。
でも、いつかまた、きっと。

✣六章 完
✣黒幕 星丘碧夢様
内通者 祀祷様
生存 来栖希依音様
   日暮終夜様
   廻えら子様
   雨車サグリ様
   宙八覡天夢様