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DUNGEON DE RONPA



✣五章


中心「痛

最近、モノリィさんからよくモンスターをプレゼントされる。
今日は二足歩行の犬……コボルトが贈られてきていた。

モンスターはしばらくすると消えてしまうため、その前に目いっぱい遊ぼうとしていた時のことだった。
ハナノくんが足を噛まれてしまったのは。

『わ、すごく血が出てる……!』
宙八覡「大変、すぐ清潔にしないと……!」
中心「わう、だ、大丈夫ですよ……
雨車「後々病気になっちゃうかもしれないから、消毒とかはした方がいいと思いますよ~」

足を引きずるように歩くハナノくんは、どこからどう見ても大丈夫そうではなかった。
サグリくんの言葉で怖くなったのか、ハナノくんは天夢ちゃんに手当してもらうことにしたみたいだった。

もしかしたら他のコボルトも噛んでくるかもしれない、ということで私たちはコボルトから離れることにした。

――――――――――――――

モノリィ「オマエラの中に、裏切り者がいるのは知っているかしら」

いつものように私たちを呼び出したモノリィさんは、唐突にそう切り出した。

モノリィ「単刀直入に言うわ。このコロシアイの糸を引く者が、オマエラの中に存在しているのよ」
星丘「そういわれたところで信じられないよね。いきなり過ぎるし、嘘を吐いてボクたちを混乱させようとしているだけにしか見えないよ」

モノリィ「……こちらにもこちらの事情があるのよ。本当は正体をばらしてしまいたいけれど、これを教えるくらいが関の山なの」
今までにないほどの不機嫌さでモノリィさんは続ける。

モノリィ「そうね、そろそろ動機を作ってあげないといけないと思っていたし。次のクロは、犯行がバレなかったらここから出られるのに加えて、なんでも一つお願いを叶えてあげようかしら」

信じなくてもいい、けれど裏切っているものがいることは忘れない方がいい。
そう言い残してモノリィさんが去った後の空気は、今までで一番の重さだった。

廻「あんな話……信じるわけ、ないじゃないですか……

苦しそうに言うえら子ちゃんに、私は声を掛けることが出来なかった。

🦄

大人しくて、人懐っこい、というのは嘘だったんですか!

痛む足を引きずり、前へ前へと進んで。
あの人の方が近くにいたのに、どうしてぼくの方に真っ先に向かって来たんだろう、とか、色々分からないことはあったけど。

部屋に入って扉を閉めてしまえば、あれはぼくを追いかけてこれない。
だから……

がぶり、と噛みつかれたことに気づいたのは、なんだか足が重たいのが気になって下を見た時だった。

嫌だ、やめて。

助けて、お姉ちゃんっ!

―――――

ぱちり、目を開けると犬のモンスターは両足にしっかりと噛みついていた。
どうにかしてこのモンスターを引きはがさないと!

今まで感じたことのない痛みで、頭がくらくらとするけど。
あたしはお姉ちゃんだから。

首根っこを掴んで、離れろと叫んでみるけれど言葉が通じるはずもなく。

ごめん。ハナノ。
あたし、ハナノのこと守れなかった。

ごめんなさい。

🦄

ごめんなさい。
そんな気持ちでいっぱいでした。

いえ、謝っても許されないでしょうね。
そんなことは分かり切っているけれど、謝らせてほしくて。

殺人は悪いこと。
そんなの常識で、それが許されてしまっているこの空間が異常なだけで。

……そんな目で、見ないで。
あなたに軽蔑されるような目で見られるのは、とても辛いことだから。

責めるような視線から逃れたくて、私は。

ミリー「……皆さん、流石ですわ。そうです、私がハナノさんを殺しましたの」

【クロが特定されました】

ごめんなさい。本当にごめんなさい。
申し訳ない気持ちでいっぱいいっぱいになる。

堰を切ったように流れ出す涙が止められなかった。

「どうして」と誰かのつぶやきが耳に入り。
それに答えることが出来ず、ただハナノさんへ謝罪をして。

星丘「キミは……
ミリー「もう、私がクロで決まりよね?さっさとオシオキにうつりましょう」

何も聞きたくなくて、大好きな人の言葉を遮った。

アームが私を捉え、どこかへと連れていく。
引き留めようとしてくれて、嬉しかったけれど。然るべき罰は受けなくてはいけないから。

さようなら。お元気で。

【オシオキ開始】

目が覚めると見覚えのある空間だった。
ここは紛れもなく自分が住んでいた屋敷だ。

後ろから沢山の音がする。
暗くてほとんど何も見えない。
ただ必死に走り続ける。

走り続けた先、道は二手に別れていた。

光がさす両親や沢山の人々のいる方。
ほとんど真っ暗であり、いつも彼女が持っている人形がいる方。

「私はそんな愚か者ではございませんわ」
ミリーは迷うことなく真っ暗な方へと足を進めた。

最後に頭に浮かんだのは大好きな彼の笑顔だった。

「さようなら皆様」

そう呟くと、彼女は涙を流しながら笑みを浮かべ、底の見えない真っ暗な闇へと落ちていった。

【オシオキ完了!】

……まあ、精々頑張って探すのね」

✣五章 「われわれには、夢想することも許されぬ」 完
✣五章シロ 中心ハナノ様
五章クロ ミリー・ロベール様