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DUNGEON DE RONPA



✣四章


早くおうちに帰りたかった。

楽しく過ごせていたのに、みんなあんなに仲が良かったのに。
コロシアイなんてものを無理やりやらされたせいで、どんどん仲が悪くなって、お互いに疑うようになってしまった。

どうすれば良かったんだろう。
あの日、もしダンジョンに入っていなかったらこんな怖いことに巻き込まれなくても済んだのかな。

……いや、しっかりしなくちゃ!
絶対に外に出れる方法はあるはずだもん、弱気になってちゃいけないよね!

気合を入れるために頬をぺちぺちと叩く。
……出来ることを精一杯やろう。みんなのためにも。

モノリィ『オマエラ!プレゼントを用意したので、いつもの部屋に来なさい!』

聞こえてくるその声に、負けないようにとこぶしを握り締めた。

――――――――

服部「か……かわいい……!」

部屋に向かうと、煌来くんがドアを開けたままの態勢で固まっていた。

どうしたんだろう?入らないのかな、プレゼントがとっても変なものだったり……
後ろからこっそり部屋の中を見てみると。

『わあ、スライムだ~!』

そこには丸い半透明な体をぷるぷると震わせるスライムが沢山いた。
青いの、赤いの、角みたいなのが生えたのから、虹色に輝いているものまで!

『あんなスライムいるんだね~』
服部「私も見たことがない種類のもいるな。もしかしたら、あのスライムたちには私たち以外まだ誰もあったことがないかもしれないね」

煌来くんはそう言って、部屋に入ってしまう。
スライムに攻撃されても痛くないけど、流石にあんなに沢山のスライムが一気に攻撃してきたら、危ないかもしれないのに……

ハラハラとしながら見守っていると、段々と人が集まって来た。

日暮「服部くんはチャレンジャーだね」
ミリー「倒れてしまったらどうするのかしら……

運がいいのか、煌来くんは怪我することなく部屋の真ん中くらいまで進んでいた。
スライムはぷるぷるとしているだけで、触られても噛みついて来たりはしていない様子。

モノリィ「あら。プレゼント、気に入らなかったかしら?」

いつの間にかモノリィさんが後ろに立っていた。音もなく、本当に突然のことだから、凄くびっくりしてしまって。

モノリィ「……分かったわ、その子たちが体当たりしてくるかもって心配してるんでしょう!安心して、その子たちは大人しいから。一緒に遊んであげて頂戴!」
要件はそれだけよ、と言ってモノリィさんはどこかに消えてしまった。

宙八覡「……本当に大丈夫なのかしら」
廻「み、見る限りは大丈夫そう、ですけど……服部さんも無事そうですし……

モノリィさんのことは、あんまり信用できない。
だから、本当に触っても良いのか分からなくて、みんなで煌来くんとスライムの様子を眺めているだけだったんだけど。

ぽよん。足になにか柔らかいものが当たっていたので見下ろすと、青くて大きいスライムがいて。
そっと手を伸ばしてみるけど、齧られたり、何かを吐きかけてくることもなかった。

星丘「大人しいけれど人懐っこくはあるみたいだね」
中心「は、はい……凄い、色のスライムもいますけど……

近づいてきたスライムを指でつんつん突く。
くすぐったそうに震えるのを見て、可愛いなあと思った。

🦄

どうやら、大人しくはあるものの触ったらかぶれてしまうタイプのスライムもいたらしく。
手を洗ってみたが、赤みが引くどころか腫れあがってしまった。

どうしたものかと頭を抱えていると、ちょうどモノリィさんが目の前にいた。
なにか治る方法はないかと訊ねてみると、「とりあえず、保湿でもしてみたら?」とピンク色のチューブに入った塗り薬を渡された。

試しに塗ってみるも、良くなっているのかどうかは判断に困るところだった。
皆に心配させてしまうのも忍びないし、早く治ってくれると嬉しいんだが……

利き手が腫れてしまったため、食事をするのも一苦労だった。
なんとか食べ終わることは出来たから良かったけれど。

来栖「ねえ、大丈夫……?すごく顔色が悪いけど……

ぼんやりとしていると、そう声を掛けられて。
大丈夫、と返そうとして声が出なくなっていることに気が付く。

なんだか頭も痛いし、熱もあるような気がする。
風邪を引いてしまったのかもしれない。声が出ないため身振り手振りで伝えようとしたところで。

私を見る皆の目が、驚きで染まっていることに気づく。

どうしたんだろう、私の後ろに何かいるんだろうか。
振り返ってみるも誰もいなくて、注目されているのは私なんだと悟った。

中心「か、顔が……

顔色がそんなに悪いのだろうか、皆がびっくりするほど?
問いかけたかった。ようやく声が出たものの、それは潰されたカエルのようで。

本当に何なのだろう。

それを理解するよりも前に、体が焼けつくような痛みを訴えてくることに気が付く。
ゆっくりと視線を下に向けると、棒のようなもので貫かれているのだと分かった。

痛みと、胃から何かがせりあがってくる不快感。
ごぷりと吹き出たそれは、血の塊だった。

疑問で頭がいっぱいになる。
それが何一つ解決されることはないまま、私の目の前は真っ暗になった。

――――――――

煌来くんは、モンスターになってしまうところだったらしい。
どんなモンスターになるのか、攻撃してくるのか分からなかったから殺したんだとモノリィさんは言っていた。

……殺すことはなかったんじゃないかな。
こう思えるのは、傷つけられていないからなのかもしれないけれど。

ああなってしまった原因をモノリィさんは教えてくれなかった。
……ダンジョンの中にいると衰弱死する、確か前にそう言っていた。その衰弱死がモンスターに変わってしまうことなんじゃないかって、めちゃくちゃな考えも浮かんでしまって。

怖くてたまらなかった。
でも、そんな時こそ頑張らないといけないんだと思った。

✣四章 「お手軽!変身アイテム」 完
✣四章特殊死 服部煌来様