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DUNGEON DE RONPA



✣二章


楽しかったパーティの中で起こった悲しい事件。
それが起こってから、みんなは全然おしゃべりしなくなってしまった。

それどころか、モノリィさんがくれた自分の部屋から出てくる人の方が少なくなって。
私も思いっきり遊ぼう!って気持ちにはなれないけれど、ずっとお部屋に閉じこもってると悲しい気持ちが爆発しちゃいそうな気持ちがして、こうして部屋の外に出てきている。

小学生みんなで一緒に遊んだり、お部屋から出てきている人たちでお話したり。
少しでも辛いのを紛らわせたくて、色んなことをしてみた。

楽しかった。でも、次の瞬間にはフィリップくんの苦しそうな顔とか、グリムくんの泣いた顔とかを思い出してしまって、楽しんじゃいけないのに、って思っちゃう。
暗い顔してどうしたのって聞いてきてくれた終夜くんに、そうやってお話ししてみたら。

日暮「楽しんじゃいけない、なんてことはないと思うよ。ただ、緑愛くんと縫衣口くんのことを忘れないであげたらいいんじゃないかな」
『それで、二人は怒ったりしないかな……?』
日暮「怒るだなんて。そんなことしないよ。大丈夫」

終夜くんは優しい笑顔で伝えてくれた。
だから私も安心して、相談に乗ってくれてありがとう、って言おうとしたら。

モノリィ『オマエラ~!いつもの部屋に集合しなさい!』

どこかから響いてくるその声は、これから酷いことが起きると予感させるには十分だった。

―――――

モノリィ「腑抜けてしまったオマエラに、新しい殺人の動機を差し上げるわ。私ったらなんて優しいのかしら」

モノリィさんはそう言って、抱えていた段ボールを床にドスンとおろした。
何が入っているんだろう、隙間から見えるのはCD……いや、DVDかな。そんなのが人を殺す理由になるだなんて、全然思えなかった。

モノリィ「このDVDには、オマエラがコロシアイを起こしたくなってしまう様な映像が入っているわ。試しに……そうね、亡くなった緑愛くんや縫衣口くんのもあるから見てみる?」
狐悔「そんな……プライバシーを侵害するようなこと、出来ないよっ!」

愛螺ちゃんの言う通り、勝手に見ちゃいけないものだと思ったから賛成するように頷いた。
他のみんなも同じような反応だったのか、モノリィさんはつまらなさそうにため息を吐いた。

そこから、どこからともなくDVDプレイヤーが運ばれてきて。
手渡された自分の名前が手書きで書かれているDVDを見ることになった。

🦄

全く、あの映像はどこで準備したのでしょうか。人が嫌だと思うことを確実に突いてくるような映像でした。

しかし、あの程度で私の心を思い通り動かせると思ったのでしょうか。
そうだとするならば、随分と見くびられたものです。いや、それとも……

一段と追い詰められたような暗い顔をした方に、張り付けた笑みを浮かべ、甘く心地よい言葉で救い上げてあげようと。
絶望の淵から、なんとかしてこちら側に引っ張りこんであげようと。

……人から信頼を得るのは、得意だと自負していました。

こうして、害されてしまった今でも、それは変わることはありません。

ドクドクと、私が確かに生きていた証が流れ出してしまっていくのを感じて。
心も体も、空っぽになっていくのを止められずに、ただただ朦朧とするしかありませんでした。

まだまだ、救うべき……いや、救われるべき方が沢山いらっしゃるのに。

幸せにしてあげると、伝えたのに。

……やはり、死は救済などではないのでしょうね。

――――――――――――――――

岩瀬「あ……来栖さん……

みんなで遊んでいる最中、転んでしまったすみちゃんに、怪我はないかと聞く。
天夢ちゃんや核くんやハナノくんも走ってきて。

岩瀬「ちょっと、擦りむいちゃっただけです……それより、あの……

どうみても大丈夫そうに見えないすみちゃんが指さした先には。
血まみれになった祷くんがいた。

天夢ちゃんが駆け寄って、声を掛けてみたり、色々していたけど。
祷くんは目覚めることはなかった。

宙八覡「……貴方のせいで、幸せじゃなくなったわ」

🦄

「祀祷は敵である」
一緒に過ごしてきた人たちの中にラスボスがいる、という信じられないような内容の映像を見せられた後、囁かれた呪いのような言葉を俺はすんなりと信じてしまった。

皆を救いたいと、善であることを謳いながらも平気で奈落の底に突き落とすような悪魔のような人間。
俺が落ち込んでいたなら、奴はきっと、笑顔を張り付けて近づいてくるだろうと睨んでいた。

……予想通り歩み寄ってきたときは、大笑いしてしまいそうになったけれど。

ともかく、俺は……我は、時に悩み、苦しみながらも。
ラスボスを倒しただけなんだ!

服部「祀くんは、倒すべきラスボスなんかじゃない。それが分からないほど、君は優しくない人間じゃないだろう……?」

「藤塚核くん」

【クロが特定されました】

藤塚「確かに、アイツを殺したのは俺だ。けど、それのどこが悪いんだ?」

前回の裁判、それに今回の裁判までのみんなの反応を見て、クロ、というのはとんでもなく恐ろしくて悪い奴なんだな、という感想を持っていた。
俺は使命を全うしただけなのに、どうして悪逆非道なクロだと決めつけられなくちゃいけないんだ?

訳が分からない。これで世界は平和になるのに。

矢張「貴方ね……!人を殺すのは、やってはいけないことなのよ」
藤塚「だから、俺は敵を倒しただけで……

モノリィ「……これ以上話し合ったところで、相互理解なんて夢のまた夢じゃないかしら」

みんなを閉じ込めた悪い奴がにこりと笑う。
アイツ以上に悪い奴なんていないけれど、コイツも世界を脅かすかもしれない。睨みつけるも、コイツは気にしてすらいないようだった。

ひんやりとした金属製のアームが俺の首を掴み、どこかへと引きずっていく。

この先にどんな冒険が待ち受けているのかは知らないけれど。
どんなことがあったとしても、俺はただやるべきことをやるだけなんだ。

✣二章「トライアル&エラー!平和への道のりは長く」 完

✣二章シロ 祀祷様
二章クロ 藤塚核様