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Hizuki
2018-09-16 10:07:35
10500文字
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FF14
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14ふせったーログ[オル光・ルン光・アイ光・その他]
【FF14】オル光・ルン光・アイ光・その他。ふせったーに上げていた分のSSまとめ。
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『とある技師の記録』
私がそれを見つけたのは神殿騎士団本部の片隅の木箱の上だった。
布の袋に入れられていて、その口は固く紐で閉ざされている。
もしかしたらこれかもしれない。
気になって思わず袋を開けてみてしまった。
元々何かの部品だったのだろうが、その面影はなくあちこちガタガタで歪な形になっており、最早ただのガラクタと化していた。
部品の大きさから察するに、武器や防具といった戦いに関連するものではなさそうだ。
細々としたものが多く、どちらかといえば装飾に使うものが多いように見える。
その中でも青と金の色が目立っていた。
「技師様、どうかしましたか?」
団の騎士に声をかけられ、そちらを振り返る。
「いえ、大したことではないのですが
…
」
私が中身を見ていたその袋を見ると、騎士が「あぁ
…
」と何とも言えない声を漏らした。
騎士は辺りを見回し、何かを確認すると私の方に寄り、声を絞った。
「
…
それ、誰が置いていったのか分からないものなのです」
基本的に騎士団内で廃棄物を出す際には申請を出し、上官の許可を得なければならないこと。
そして、許可証を貼付した上で指定の廃棄場所に置かなければならないというのが規則になっているらしい。
それにも関わらず、許可証もないまま置かれていて困っていた、とのことだった。
「
…
なるほど」
話を聞くと、その正体に納得がいった。
間違いない、探していたのはこれだ。
「すみません、これいただいてもよろしいでしょうか?」
「え?大丈夫だと思います
…
何にしてもここにあるものは廃棄予定のものなので
…
」
「ありがとうございます」
騎士に頭を下げ、袋を教皇庁の自分の工房に持ち帰ると、その中身を作業台の上に広げる。
確かに酷い有様になっているものが多いが、よくよく見ればまだ使えそうなものもある。
部品を元に設計図を書き上げ、不足している部品を調達した。
自分の持っている素材や、工房の共有素材の中から良さそうなものを見繕い、全ての部品を揃えた。
―
騎士団の許可のないこの袋を誰が置いていったのか、私は恐らく知っている。
あれは数日前、提出した書類に不備があったと連絡を受け、書類を引き取りに行った日のこと。
日中は別件で手が離せず、引き取りに行くのが夜になってしまった。
書類を受け取り、工房に戻ろうとしたところ、騎士団の別のコマンドがテーブルの上に何かを広げていたのが見えて足を止めた。
そのまま戻ってもよかったのだけど、ふと気になってその様子をしばらく見ていた。
よほど集中しているのか、私が見ていても気付かない。
気合を入れ、道具を手に加工しているようだが、手つきがおぼつかない。
思った通りにいかないのか、道具を置き、肩を落とす。
別のものに手を伸ばそうとすると、腕が当たったのかテーブルから何かが落ちた。
深い青の布きれと金色の細い部品だった。
そして、頭を抱えて諦めたように大きな溜め息を吐く。
テーブルの上にあったそれらと、落ちてしまったものを拾い上げ、布の袋に入れ口を縛るところまで見届けて、騎士団本部を後にした
―
。
あの人が何を作ろうとしていたのか、分かっていた。
魔法人形だ。
誰をモチーフとしたものなのか、四苦八苦していた人物を思えば考えずとも浮かび上がる。
机上にあった青く淡い光を放っていた石は起動するためのコアだろう。
流石にそれは袋に入っていなかったが、きっと大事に保管されていることだと思う。
後から自身で取り付けられるように、あまり器用ではない人でも取扱える簡単な構造にした。
最後に人物の象徴たる蒼い剣の調整をして、完成。
何故、手を加えようと思ったのか。
素材を無駄にしたくなかったというのもある。
戦時下において資源は無限ではない。
例えそれが加工に失敗したものであったとしても、資源の一つに変わりはない。
それ以上に、物を作ることが得意ではないであろうあの人が自分の手で作ろうとして挫折した姿が気の毒に思えたから。
前線で戦うだけではなく、教皇代理の補佐までも務めるあの人を、技師の私でも励ませるかもしれない、そう思って。
個人的なものだから、教皇庁の印の入ったものを使う訳にはいかない。
手頃な大きさの箱を探し出して、人形と剣を中に納め、一言添えたカードを一緒に入れて封をする。
そして、神殿騎士団行きの荷物として手配をした。
―
どうか、あの人の元に無事届きますように。
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