Privatter+
Font
Serif
Sans Serif
Color
Light
Dark
auto
Font size
Large
Medium
Small
Language
Japanese
English
Sign in with Google
Sign in with ID and password
Account ID
Password
Sign in
Forgot password?
Create account
まよこ
2024-10-10 18:02:32
7045文字
Public
神田
Clear cache
怪談
昭和初期の極道神田の語る怪談七話
登場人物: 神田。昭和初期の極道
1
2
3
4
5
6
7
六話
俺の田舎は、山ん中なんだよ。冬になるとあたり一面銀世界、ってやつだった。降り積もった雪はどこまでもべったりと白一色で、地面は奥行きを失われる。かろうじて空の灰色との差はわかるか。わからねえ日もある。見上げる空も灰色の平面だ。じっとみていりゃぼたぼたと落ちてくる雪が、降っているのか湧いてきてるのかもわからなくなってくる。
知ってるか?雪ってのは音を食うんだ。だから冬の山は静かなんだよ。
人の話し声、かすかな衣擦れ、なんだって食っちまう。冬の夜、一晩外にいてれば雪原を踏みしめる自身の足音も、心の臓の音すらだんだんと聞こえなってくる。両の手を耳に当てても、静寂が痛いくらいで何も聞こえなくなる。
そうして、周囲の音を全部食われて、耳が使い物にならなくなったやつもいた。どこにいようと何も聞こえなくなっちまうんだと。
音を全部奪われたくなかったら、雪原に寝そべって、雪に耳を傾けろ。そうすりゃ、うるさいくらいに今で散々食われてきた声が聞こえてくるからよ。雪の降りしきる山で周りに誰もいないからって、余計なことは言わないことだな。
きっとどっかの誰かに聞かれてるぜ。
1
2
3
4
5
6
7
Reaction
If you make a mistake, you can cancel it by pressing the reaction.
Custom color
Reset color
広告非表示プランのご案内