MN*B
2024-06-19 00:59:31
13029文字
Public 蠱毒な夢術廻戦:pixivバックアップ
 

その身に巣食うは蠱毒也て

考えた時系列がちょうど今の時期にぴったりだったので、勢いで書きました。投稿するのは初めてでして、読みにくかったらすみません。
詳しい注意書きは小説1ページ目、もしくはシリーズ概要にあります。
アニメはまだ8話までしか見てません…矛盾やおかしいところがあったら、どうにか修正加筆しようかと思います。
オリジナルモブがいたので、一応オリキャラタグ入れてます。

追記:いつの間にかブックマークを100以上もいただいてました!ありがとうございます。



#オリキャラ #五条悟 #夢術廻戦 #オリ主 #二次創作小説1話リンク集 #夢術廻戦100users入り #もっと評価されるべき #夢術廻戦長編第一話リンク #名作
2021年1月6日 22:51



「それをお前ら呪いで行おうと思った。呪いと呪いが食い合い、強い呪いが産まれる。そしてソレに特級呪物でも取り込ませれば、誰にも止められない」

俺が見上げる黒い影は、どこを見ているのか誰に話しているのかソイツの顔も見えなければ言っていることもよくわかんなかったが、胸糞悪いのだけは確かだった。
きっと俺が吹っ飛ばされたのはコイツのせいだし、俺を人扱いしていないのもムカついた。

「ぶっ殺してやる
拳を握りしめ、自分の足と根性で立つ。本当に殺せるかは置いといて、一発ぶん殴ってやる。


「なんだ。まだ居たか、殺し合え」

 なんでもないことかのようにソイツは言い放った。
そしてまた、俺は吹っ飛ばされる。

 ゴィンと鈍い音を立てて、遊具を支える鉄柱にぶち当たって崩れ落ちる。
まただ、視力が悪いとはいえ何も見えないほどじゃない。夜とはいえ真っ暗なわけでもなかった。
俺には見えていない何かがいる
グッと喉元を掴まれる感覚だけがあり、足が地面を離れ身体が宙に浮く。
目の前には何もいるようには見えない!!
高みの見物をしているアイツだけが、変わらずあそこにいるだけだ。
痛む腕を動かして、自分の首元を触ろうとする。ここに何かがあるはずだ!!

「まさか呪いなのにほかの呪いが見えていないのか。人が弱い呪物でもその身に飼っているとでも

  目が悪い代わりとでもいうべきか、昔から耳は良かったからソイツの独り言もよく聞こえた。  

 記憶_昔から、目が悪かった。
どんなに眼鏡を変えていっても視力は落ちていくばかりで、物を見る時にはつい、目を細めていた。
そのせいで、他人からはこちらを睨んでくると言われた。
言ってくる相手の顔もよくわからなくて、その相手を見た覚えもなかった。ただ、その声で誰かはわかっていた。
目つきが悪い、睨んでくるそう言われた小学生時代を送った。忌々しいくらいの記憶だ。
だから、中学では目を伏せて過ごした。顔から力を抜き、瞼は半分だけ開く。そうすれば、眠たそうな顔にでもみえるのか、眠いの?と聞かれるばかりで睨んでいるとは言われなかった。
うん、眠い。だるい。そう言って過ごしていた。一生懸命になって世界を見ることをやめた。
それでも目は悪くなって、視界は狭くなった。


 今度は地面に向かって振り下ろすように叩きつけられる。その衝撃で肺から空気がすべて吐き出された。
だが、叩きつけられる前、手で何かに触れたような感覚があった
勘違いか?違う!きっとこちらからも触れるはずだ!!
 記憶_オカルトもSFも好きだった。  

幽霊がこちらに干渉してくる間、理論上こちらからも干渉できる状態にある」

いつ役立てるのかも知らない知識だけがここにあった。
目を、眼を見開く。相手が襲ってくる前兆を少しでも掴もうと足掻く。
暴れだしそうな心臓を抑え込み、耳を研ぎ澄ませ、何かあるはずの空間を凝視する。


 1秒か3秒かそれともさらに長い時間か、無音だった。
俺の耳は砂の擦れる音を聞き、その方向へ構えた。乾きかけた瞳でそちらを見れば、眼には熱が籠っているかのように熱くなっている。
拳を振るう時のような風切り音、巻き起こった風と砂の中に見えなかった腕が見えた!!
その腕を死に物狂いで避ける。恰好はつかないが、振り下ろされる拳を地面を転がりすり抜け、避けていく。
 その最中に相手を盗み見れば、それは人の姿をしていない化け物がそこにいたのだ。
顔らしき部分に目と口にあたるものがあるが、おおよそ動物のものとは考えられないほど醜く変形していた。
胴体や手足にあたる部分も、生き物とは思えない色味とケロイド状の肌形容しがたい気持ち悪さ、生理的な嫌悪感がこみ上げてくる。
 こんなヤツに触られていたかと思うと吐き気がした。
だが吐いている時間も余裕もない、避けても避けても相手は殴って追って叩きつけてこようとする。
身体が、頭が、眼球が、心が軋む。殴り返してやる余裕もない。
ついに膝がガクリと下がり落ちた。

もう、ダメか



 見開いた眼のその数センチ先、まつ毛が触れるほどの距離で、化け物の拳が止まっていた。
恐る恐る見た化け物の胴体、そこを鋼でできた鉤爪が突き抜けている。
そして、化け物をバターのように柔く切り裂いたのだ。


 化け物の臓物が撒き散らかされ、血潮がばら撒かれる。目の前にいた俺はそれを頭から被ってしまう。それでも、動けないまま瞬き一つできないでいた。
どちゃりと肉の崩れ落ちる音、その向こうで月明りに照らされる人影。
 泥にまみれた肢体。その喉に走った斜めの切れ目そこから覗くのは並んだ歯と垂れ下がる舌。腕から掌に這うように続き、指先から30センチは伸びた鋼。

「あハハはハァゼンバぃいイ」

生きた人間じゃない。