黑野羊
2024-03-24 00:33:08
4636文字
Public 意味不明小説
 

意味不明小説《2》

意味不明で、ちょっと怖い、不条理だったり、シュールだったりする、短いお話集
掲載作品)
白い悪魔/カランからん/質問。/少年と猫/小噺:マクラ/檻/歪/櫃/書/白


少年と猫


誰も知りませんでした。

少年は猫の頭を撫でる。

かの場所は、こんなにも寂しい事を。

少年は猫を抱きしめる。

彼は、一人暗闇の中。

少年は猫と座り込む。

オモイデをただ壁に見て、幸せを噛む。

少年は猫の前足を握る。

押し出された、幸せな記憶はもう尽きた。

少年は猫の額に頬を寄せる。

入口など初めから無いような暗闇を見つめる。

少年は猫を抱きしめる。

かすかに聞こえる音。

少年は猫を抱きしめる。

ラジオでいつか聞いた、古い曲。

少年は猫を抱きしめる。

だれかに救いを求める事は罪だと思い込む彼。

少年は猫の鳴き声に気付いた。

しらないだろう、神すらも。

少年は猫と眠る。

ての届かない暗闇は、ただただ冷たい。