ひさね
2023-09-02 20:41:17
8222文字
Public
 

納涼祭

夏が終わるそうなので書いたホラーっぽいの。少しだけグロめの気色悪〜い話もある。


(ケントの話)
 納涼のために怖い話、聞きまわってるんだな。あの仲間内だとぼくで9人目? へえ、良く話してくれたな、みんな。そんな風に出し抜けに聞かれたら、普通なら逃げてくと思うんだけどな。
 知り合いのよしみで教えてくれって? ふーん、そういう体か。あんまり関係なさそうだし、付き合ってあげるぞ。
 
 で、どこから話すかな。
 ここの近くの神社、おみくじがしょっぱい結果が多いのが有名なあそこ。その周りの森、鎮守の森って言うんだっけ? そこにちょっと用があって、結構な荷物抱えていったんだぞ。夜に。
 道が悪いのは十分知っていたけど、夜だと視界も悪いし、シャベルとか持つもんじゃないなって若干後悔しながら奥に進んでいったら、パチパチ、何か燃えてるような音がしたんだぞ。
 ちょうど良かったから、音のする方に向かって行ったら、少し開けたところに結構大きめの焚き火と何かを燃やしている女の人がいたぞ。白装束を着てて、やけに本格的だったな。
 たまたま女の人の背中側に出られたから、ちょっと見てみようかなと思って、木蔭を縫って近づいてみたんだぞ。シャベルと大きい荷物があったから大変だったけど。でも、上手くいって、ちょうど良い所に行けたから、近くに荷物置いて覗いてみたんだ。
 女の人の足元に黒い袋があったな。結構パンパンのが二つ、もう破られてゴミになっていたのが三つぐらい転がってたぞ。どうやら、その中身を焚き火に入れてたみたいだな。
 何を燃やしているのかな、と焚き火の周りの方を見てみると、燃え残りがあったんだぞ。赤いのもあれば白いのとか、淡い水色とかがあったな。小さい紐がついた袋っぽいの。
 要はお守りを燃やしてたんだな。どんと祭の時期とは大きくズレてるけど。
 ここまで来ると、何をしたいのか本格的に気になって、もう少し近づこうとしたとき。
 ちょっと手を引っ掛けちゃったんだな。シャベル、思い切り倒れたんだぞ。
 流石に思い切り気が付かれるわけで。しっかり目があった。
 すごい形相で目を大きく開いたかと思ったら、急に顔を真っ青にして、逃げてったんだぞ。足元の袋も焚き火も放置して。神社の方とは逆方向に。声をかける間もなかったな。
 ぼく一人取り残された訳だから、焚き火の方に行って、袋開けてみたんだ。
 案の定、全部お守りだったぞ。
 しかも、全部安産祈願で見たことあるやつが、びっちり。
 中の板も見てみれば赤黒くしてたし、呪いだったんだろうな。
 でも、こういうのって他人に見られたら、自分に返ってくるのが定石だろ? この場合、何が返ってくるんだろうな。
 ま、そんなつまんないこと考えながら、焚き火使いまわして、消して、色々済ませてきたんだぞ。
 いや、呪いに使った火ってよく燃えるもんだな。はは。