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ひさね
2023-09-02 20:41:17
8222文字
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納涼祭
夏が終わるそうなので書いたホラーっぽいの。少しだけグロめの気色悪〜い話もある。
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(シオンの話)
この間、図書館行ったときに、ラベルのない本見つけたよ。要は図書館の本じゃないってことだね。閲覧室の机に堂々とあった。
丁度誰もいなかったしちょっと近寄ってみたんだよね。結構大きい本で、写真集みたいなサイズ感。それで背表紙見てもなんにも書いてない黒い本だった。
中に名前でも書いていないかな〜と思って、開いてみたんだ。そうしたら、白黒の写真だけ貼ってあるの。ページ一枚埋まるぐらいの大きさだったよ。
で、その写真、この街の駅舎が写ってたんだ。しかも、昔の姿で。郷土資料なのか、と思いつつパラパラめくっていったよ。駅の周辺の町並み、近くの商店街のアーケード、橋と住宅街とか。何となく既視感があったのが気持ち悪かったけど。
でも少し変で、段々写っている風景が新しくなっていったんだよね。住宅のレンガの積み方がかなり見たことがあって。色だけはずっと、白黒だったけどね〜。
それに気がついたときには、ページももう、終わりの方だったかな。そこら辺だと、図書館に行くとき通る交差点の雑踏、図書館の近道である路地、その先を抜けたらある今の図書館、といった感じになってたよ。
そこで、こっちに向かってるんだな〜って気がついて、読むのやめようと思ったよ。でも手がページから離れなくって。何かに押さえつけられているというか、操られている感じ? どうしようもないから、そのまま読んだよ。
図書館のエントランス、第一閲覧室、そこを抜けた所の本棚、そして最後のページには、今いる閲覧室の入り口。
それでドアが叩かれたと思ったら、生ぬるい風が一瞬吹いてさ。
「何見てるんだよ」って。耳元で言われたよ。ひっくい声だった。
その後? 普通に倒して、本ごと突き返して、還ってもらったけど。最後は力技だよ。人間同士じゃないならそんなもんだって。
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