みたむら
2023-12-06 17:50:28
17370文字
Public FGO(鯖ぐだ)
 

Happy Merry Christmas

FGO:術ギルぐだ小話。
2017年クリスマスイベント後の術ギルぐだ子。シリアス→ハッピーエンド。

前 編


 冥界からレイシフトしてカルデアに帰ってきた。
 私――藤丸立香ふじまるりつかと、普段以上に露出が多……いや、サンタの格好をしたアルテラサンタこと、アルテラ・ザ・サン[タ]は、管制室の見慣れた薄暗い風景に緊張が解けた。
 ことの発端は数日前に遡る。
 世間ではクリスマスシーズンで、毎年何かしら普通のクリスマスとは異なったクリスマスイベントを過ごしているカルデアだが、今年こそは普通のクリスマスイベントを過ごすぞと誓っていたのだが、やはり異常発生した。
 カルデア内では謎の高熱でカルデアの職員さんやサーヴァントたちが倒れてしまった。
 いろいろあって冥界に行くことになり、原因元を突き止め、今回の自体を収束させた。
 眼の前にいるアルテラサンタは、色んな事情があってサンタの格好、足元や手元に羊がいる。羊はアルテラサンタになついているのか彼女から離れないでいる。

「お疲れ、二人共」
「先輩、アルテラさん、お疲れ様です!」

 管制室でサポートに回っていたダ・ヴィンチちゃんとマシュが走ってくる。特にマシュが真っ先に私に抱きついてきて安堵している。
 マシュにも大変心配をかけてしまったようだ。

「怪我はありませんか? お腹空いてませんか? それとも先にお風呂に入りますか?」
「あ、う、うん。後で食事もお風呂もいただくよ。それより、職員さんや倒れたサーヴァントたちの様子は?」
「ああ、彼らは徐々に熱が下がってきたよ。多分明日にはいつも通り元気になると思う。本当に君たちのおかげだ。ありがとう」

 そう言ってダ・ヴィンチちゃんは私たちに微笑んだ。その笑みをみて今回も無事に助けられたんだと思うとやっと解決したんだと実感した。

「マスター」
「アルテラサンタ、協力してくれてありがとう。お陰でみんな助かったよ」

 無事に助けられたのは何より、彼女の働きのおかげだ。彼女がいなければ、全滅していたかもしれない。
 アルテラサンタはフルフルと首を振ってそんなことない、と意思表示を示した。

「私の方こそ、サンタらしくみんなに贈り物を届けられそうだ。私の方こそ、ありがとう」
「メェー」
「彼らもこの通り、マスターにお礼を言っている」

 腕に抱かれている羊もめぇ、と鳴いている。可愛い羊を目の前にいて思わず抱きしめたくなる衝動に駆られるが、ぐっと押しとどめた。
 ふと、頭によぎった。
 アルテラサンタはまたいつものセイバーのアルテラに戻るのだろうか。できれば、このままの姿でもいてほしいとも思う。
 それに、今年のクリスマスはまだこれからだ。今年のサンタは彼女なのだから。

「アルテラサンタさん」
「? どうかしたのか?」
「クリスマスまで、その姿にいてくれないかな? その、寒いとは思うけど年に一度のクリスマスだし、その服とても似合ってるし、私の我侭が通るならどうか、クリスマスが終わるまではサンタさんのままでいてほしいと思うんだけど……
「そうですね。今年のサンタさんはアルテラさんのようですし」
「し、しかし――

 アルテラサンタは顔を真赤にしてもごもごと何かを小声で呟いている。褒められて恥ずかしくなったのだろうか。
 普段は無表情で私の指示には忠実に従うアルテラ。そのアルテラが可愛らしいサンタの格好がもうおさめてしまうのは実に勿体無い。

「そ、そこまでいうなら――クリスマスが終わるまでアルテラサンタとして振る舞うとしよう…………へっくしゅん」
「あらあら。じゃあサンタ継続決定したってことでまずは温かいものを用意しよう」

 くしゃみをするアルテラサンタを見て、私達はくすりと笑いつつ管制室を離れた。
 アルテラサンタはお腹が空いたとかで、食堂へと向かい、私は体を温めるためにまずは風呂で汗を流すことにした。