望野おもち
16143文字
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DRAPLS/Prologue③

続いたよ。ダークモードなどは解除して真っ白な世界で読んでいただけると楽しめるかと。



「結構。誰が、何のために、どのようにして、に関しては憶測の域を超えませんが」
「誰、に関しては十中八九絶望の残党さんですわね」

 綾瀬あおい難波元気小僧たちは集中が続かなくなってきたのか手押し相撲をして遊び始めたが、こちらの頭脳派チームは有意義な意見交換を開始している。メモをしながら観察していたけれど、全体を先導する指揮者のような存在は間違いなく鑑定士・宝生ほうしょうさんだ。意見の取りこぼしもなく、場を動かしているのは彼女に見える。
 次いで議論を推し進めているのはコンサルタント・剣城つるぎだろう。時折棘のようなものが見えるが、この状況を打破するための知恵を絞る姿勢は伝わる。現に、360度全てへ皮肉をばらまく事はなく、頭脳派チームの中では議論を円滑に推し進める様子が伺えた。
 飄々とした、どこか掴みどころが無いながら鋭い意見を差し込むのが資産家・早乙女さおとめ。現段階の印象では、宝生さん、剣城、早乙女、ここに数理学者・九十九つくもを加えた4人が、知力という点で何歩もリード、まさに超高校級を体現しているように見えた。得意ジャンルは違うかもしれないけれど。

「ここはどこか、に関しては、都市部の地下以外のどこか、で保留しておいて。情報が無さすぎる。元々ここにいた人……は、痕跡なく消失。大体まとめられるのはその辺」

 出し合った意見を一旦グループごとにまとめ、要点を鋭くする作業。構成メンバーが超高校級だけになると、こうもテンポよく議論が進むのか。自分は本当にとんでもない所に紛れ込んでしまっているようだ。メモを覗き込んでくる早乙女の距離感にいちいちビビりつつ、彼らの言葉を記録していく。

「じゃ次。絶望ぜつぼう残党対策規定ざんとうたいさくきていの確認しようか」
「そうそれそれよ。あんまり詳しくないのよねアタシ」
「あたしも! なんか小難しい感じする」

 絶望テレビから数年後、未だ蔓延る絶望の残党に対抗するための新たなる法律、それを取り締まるための決まり事が発表された。国家だけでなく、絶望の残党と最前線で戦う未来機関みらいきかんが手を取り合い、制定されたそれは「絶望ぜつぼう残党対策規定ざんとうたいさくきてい」とされ、過激な暴徒に対する抑止力となっていた。
 かくいう私もあまり詳しいことは知らない。昔避難シェルターにいた際、その制度のおかげでここは安全だ、という大人たちの言葉をぼんやりと形だけ信じていた記憶だけ。なぜ安全なのか、まで考える頭の余裕は当時なかった。