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kaisou
2026-04-22 23:09:29
4618文字
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私の記憶を離れないものがある
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Aliquid est quod memoria mea non relinquit. 最終章
Aliquid est quod memoria mea non relinquit. 私の記憶を離れないものがある
1740年コンクラーヴェ話。本篇その2
最終章
視点違いの2つの話のうちの1つ。長いので連載にします。
すべては、十分だった。
※歴史創作なので悪しからず
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ランベルティーニは、その報せを、すぐには『悼み』という感情として受け取ることができなかった。名を聴き、年月を聞き、終焉の場所を聞く。記号として差し出された事実は、論理的に理解できた。その意味するところは未だ形をなさず、ただの無機質な情報の断片として、意識の淵を漂っている。 彼は机の前に立ったまま、凍りついたように動かなかった。座って落ち着くべき理由も、どこかへ向かうべき動機も、今の彼には何一つ見当たらなかった。
——
そうか。
その一言が胸の内に落ちた瞬間、思考は白一色に染まり、止まった。指先が、机の縁に触れたまま動かない。冷たい木の感触だけが、かろうじて今の自分を現実に繋ぎ止めていた。何かを続けようとすれば、言葉はいくらでも溢れ出してくるだろう。そのどれもが、今この部屋に降り積もった沈黙の上に置くには、あまりに軽薄で、あまりに不純であると分かっていた。
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