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由崎
2026-03-05 20:44:52
13400文字
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(未完)朝起きたら俺以外の国が全部女だった
右🏴固定
🏴以外ほぼ女です
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昨夜、兄上たちと派手にやり合った。
きっかけは些細なことだったのに、拗ねた自分の口から余計な言葉が次々とこぼれ、最後には沈黙だけがテーブルの上に残った。
眠ったあとも胸の奥に鈍い火種のように残り続けている。
今日の朝食はスコットランドの担当だった。
あの顔を朝から見る気にはなれないが、布団の中に逃げ続ける勇気もない。
遅れれば「いつまで寝てるつもりだ」と怒鳴られる未来が明確に浮かび、胃がゆっくり沈んだ。
イングランドは重い体を起こし、階段へ向かう前に深く息を吸った。
妖精たちがそわそわと背後を飛び交い、その小さな気配を感じながら階段を一段ずつ踏み下り、リビングへ向かった。
扉の向こうの気配がいつもの朝と違う。
兄たちの存在を示す気配がなく、代わりに見知らぬ空気がいくつか重なっていた。
足が止まり、胸がひとつ跳ねた。
扉を開けると、女が三人いた。
「なっ
……
誰だ!お前らは!?」
思った以上にかすれた声が出た。
エプロン姿の長身の女が皿を並べる手を止める。
食器同士の触れ合う乾いた音だけが室内に残り、その静けさが一層際立つ。
女の眉間に影が寄り、鋭い目がイングランドを射抜く。
スコットランドを思わせる眼差しに、イングランドはわずかに息を止めた。
「はぁ!?寝ぼけて言うんじゃねぇよイングランド」
低く響く声が空気を引き締める。
ソファでは赤毛の女が大きく体を反らせて笑い、クッションを揺らしながら覗き込んでくる。
懐っこい視線や軽い仕草が北アイルランドの影をちらつかせた。
「なんだ〜イングランド?昨日のことでまだ拗ねてんの?ほらおいで〜お姉ちゃんが慰めてあげるよ!」
馴染んだ軽口の調子でありながら、近づいてくる気配はまるで別のものだった。
「ちょっとのんちゃんずるいよ!私もいーくんをよしよししたい!ねぇいーくん、こっち来て!」
金髪のロングヘアの女が身体を乗り出し、両腕を大きく広げる。
髪がふわりと揺れ、柔らかな香りが漂った。
ウェールズを思わせる穏やかさが微かにあるのに、しかしその姿も気配も完全に知らない女だった。
イングランドは三人の顔を順に見比べる。
どこか知っているようで、まるで知らない顔。
金髪の女が動きを止めた。
イングランドの変化に気づいたのか、瞬きをひとつしてから視線が静かに深まる。
「
……
ん?いーくん、どうしたの?なんかおかしいよ」
柔らかい声に、イングランドは僅かに息を呑んだ。
「お前は
……
その、ウェールズなのか
……
?」
金髪の女は大きく目を丸くし、すぐに涙をにじませる。
「え〜!?お姉ちゃんの顔忘れちゃったの!?酷いよぉ!」
涙目の彼女の隣で、赤毛の女が楽しげに笑う。
「あーあー泣かせちゃったね〜?弟としてどうなの?」
長身の女がキッチンから顔を向け、無言のままイングランドを見る。
三人の視線が一斉に戻ってきた。
金髪の女は涙を指でぬぐいながらも心配そうに目を揺らし、赤毛の女はクッションを抱えたまま楽しげに身を乗り出し、長身の女はフライパンを置いてからゆっくり一歩踏み出した。
イングランドはその場で固まり、喉が上下するだけだった。
金髪の女が涙を残したまま顔を近づける。
「いーくん
……
ほんとに大丈夫?具合悪いの?」
赤毛の女がクッションをぽんと叩きながら覗き込む。
「どしたのさ。いつものイングならさっきので噛みついてきてるよね?」
長身の女は前髪を払いながらため息を落とした。
「顔色悪いぞ。朝飯どころじゃないな」
三人が自然と距離を詰めてくる。
圧迫というほど強くはないが、逃げ場が消える。
イングランドは喉を鳴らし、わずかに後ずさった。触れられていないのに空気が押し寄せてくるような圧があった。
「
……
いや、あの
……
」
言葉にならないまま視界の端がふらつく。
長身の女が眉をひそめた。
「おいおい、酷い顔してるな?」
金髪の女が慌てて腕に手を添える。
「いーくん、座ろ?ね?」
長身の女も声を重ねる。
「倒れる前にソファに座っとけ。ほら」
イングランドは青ざめた顔のまま三人を見つめた。
「
……
なんで
……
お前らが
……
」
女なんだよ?
そこまで言った瞬間、足元がふっと抜けたような感覚が走る。
赤毛の女が覗き込む。
「おーい、イング〜?返事できる?」
次の瞬間、肩がぐらりと傾き、金髪の女が鋭く声を上げた。
「ちょっ、のんちゃん!スコちゃん!支えて!」
三人の手が一斉にイングランドへ伸びる。
その動きが重なった瞬間、イングランドの意識は再び深いところへ沈んでいった。
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