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lilie_y0527
2026-02-19 23:08:54
13117文字
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先生ルークと保護者ディン
現代AUルクディン
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【先生の片想い】
朝、登園開始時間が来てからの掃き掃除。ルークは竹箒を動かしながら、無意識に門の方を気にしている。登園してくる親子が来れば「おはようございます!」と元気に挨拶する。それは「先生」として当たり前のことだ。
けれど、シルバーのSUVが見えた瞬間、思わず箒を持つ手に力が入ってしまう。
(あ、来た。
……
今日はグローグーくん、緑の帽子だ。可愛い。
……
ディンさん、少し目が赤い。昨夜は夜更かしだったのかな)
挨拶のついでに「今日は少し冷えますね」とか「グローグーくん、帽子可愛いですね」とか、他の保護者より一言だけ多く、特別な言葉を添えてしまう。
(
……
いけない。僕は全員に平等であるべきなのに)
そう自分を戒めるのに、夕方になると、つい延長保育の名簿を確認してしまう。「グローグー」の名前が残っているのを見て、心の中で小さくガッツポーズをする自分がいる。
(
……
不謹慎だ。彼が遅くなるということは、仕事が大変だということなのに。グローグーくんも寂しい思いをする。
……
でも、お迎えが最後だったら、少しだけ、長くお話しできるかもしれない)
ひとり、またひとりと少しずつ子どもが少なくなっていく保育室。ルークの願い通りグローグーのお迎えが最後になった。お気に入りのカエルのおもちゃの腹部を握りしめ、プギュウと音を出しては、嬉しそうに笑っていた。
駐車場に一台の車が入ってくる音が聞こえた。お迎えが来たようだ。荷物を持ちグローグーを抱っこしてテラスで出迎える。園庭の砂利を踏む靴音が聞こえてくる。
「おかえりなさい、ディンさん。お仕事お疲れさまです」
「お待たせしました、ルーク先生。
……
いつも、すみません」
そう言って申し訳なさそうに立つディンに、ルークは最高の『先生としての笑顔』を向ける。
「いいんですよ。グローグーくんと遊べて、僕も楽しかったですから」
……
嘘ではない。けれど、その『楽しい』の半分は、彼を待っている時間そのものだった。ディンとグローグーが帰り、誰もいなくなった保育室で、ルークは自分の頬が熱いことに気づいて、ロッカーに突っ伏した。
(主よ
……
僕は、彼の苦労を、自分の喜びにしてしまっています。
……
なんて、身勝手な
……
)
ルークは自分の神に祈りながら、記録簿に今日も最終降園であった「ディン・グローグー」の名前を記す。彼は、愛おしそうに何度も「ディン」の文字を撫でた。いつか、書類上の名前だけではなく、本物の彼の手に触れることができたなら。
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