お姉さんがシママを大切にしているのは分かります。誠実なトレーナーだってことも。シママを捕まえた時点でゼブライカのこともしっかり調べてるし、チュリネの葉っぱが少し丸みを帯びてるのだって、トリミングをちゃんとしてる証です。でも。
「意気込みはいいんだけどさ、会って話してそれからどうするのさ」
「え?」
「その母親を説得できてないうちに連れ帰っても、また同じことが起きるだけだろ」
「それは
……」
「なに、ノープランな訳? それはさあ、無責任なんじゃないの」
言い方を考えて! そういう所だぞリントくん!
……でも言ってることは間違いではないのです。なにも問題が解決しないまま連れて帰っても、お姉さんとゼブライカがまた悲しい思いをするだけでしょう。
「はいはい落ち着きなって。どっちにしろあのままにしておけないだろ?」
「まずはあの子と仲直りしてそれからどうするか考えましょ?」
そう言っておじさんたちが止めに入り、今度はお姉さんも交えて話し始めました。ジムリーダーを呼ぶという話も出ていますが、ホミカちゃんはライモンシティでライブだし、ヒオウギシティのジムリーダーを呼ぶにも時間がかかるでしょう。
私も何か力になれたらなぁと思いながら、またもふもふに埋もれようとしたときです。
「どうしたのリオル?」
リオルが私の服の裾を握りました。きゅっと裾を握るのはさみしいとき。でも今は一緒にいるのにどうしたのでしょう。
あれ?そういえばあの時。
――リンッ。
鈴が鳴ったのは、ゼブライカが止まったとき。引き返す直前。怖いことがなくなったのに、鈴を鳴らすのは変じゃない?
……もしかしたら、あの時の「怖い」はリオルじゃなくてゼブライカの気持ち? ならこれは、この気持ちを持っているのも。
「さみしいのは、ゼブライカ?」
リオルがこくんと頷きました。
お姉さんが怖くて逃げたなら、さみしいのはおかしい。でも、さみしいのが本当なら、怖いことが他にあるはず。
……あ!
「あの! ゼブライカを落ち着かせる方法、わかったかもしれません!」
次のお話
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