柚子茶
2026-02-14 22:00:46
5277文字
Public 私とリオルシリーズ
 

私とリオルとときどきいとこ 中

リノンのいとこがイッシュに来る回中編。
家に帰る二人の前に、噂の暴れん坊なポケモンが現れたようです。


 茂みで息を潜めること数分。そのポケモンは、雷鳴と共に現れました。
「あれは、ゼブライカ? えらく気が立ってるみたいだ」
「ゼブライカってこの辺には住んでないはずなの。だからきっと、あの子が最近暴れてるポケモンなんだ」
 らいでんポケモン、ゼブライカ。ライモンジムのジムリーダー、カミツレさんのパートナーとして有名。
 気性が激しく、怒ると四方八方に放電する。そして何よりも警戒すべきなのは、稲妻のような瞬発力。ポケじゃらしはあるけれど、それだけで逃げられるでしょうか。
「逃げる隙のない相手から逃げるにはどうしたらいいと思う?」
 リントくんはそう言うと、おもむろに空のモンスターボールを構え、
「無理矢理にでも隙をつくるんだよ!」
 ゼブライカの背中に投げつけました。ボールに吸い込まれるゼブライカを見て私は慌てます。だって、捕まらなかったら気付かれちゃう! 気付かれたら逃げられません!
「何してるの!?」
「覚えておきな。逃げられそうにないなら、逃げられる状況に持っていく。ワイルドエリアで弱いやつが逃げるには、こうするのが1番なんだよね」
 リントくんは、ポケモンたちを出すと淀みなく指示を出します。
「エルフーン『わたほうし』! バイウールーは『まねっこ』!」
 繰り出された2匹分の『わたほうし』が、ボールから飛び出したゼブライカにまとわりつきます。状況がまだ分かっていないゼブライカの動きが鈍りました。
「二人とも耳ふさいでな。ワタシラガ『うたう』」
 『うたう』は相手を眠らせる強力な技ですが、その命中率は高くありません。それを『わたほうし』で動きを制限することで確実に当てたのです。ワタシラガの歌声を聞いたゼブライカはその場で眠り始めました。
「すごい……!」
「ユキハミ、グルグル巻きにしといて。……何ボサっとしてるの。さっさと立って、逃げるよ。眠ったけどあの興奮具合じゃすぐ起きる。近くに建物とかある?」
「えっと、あっちにサンギ牧場! サンギタウンに戻るより近いよ!」
「りょーかい。エルフーン『おいかぜ』」
 エルフーンの起こした風に背中を押されながら逃げる私たち。途中私の足が遅いからと(大人と子供の歩幅なんだから仕方ないと思います!)バイウールーに乗せられながらも牧場たどり着きました。