レゾン・デートル|CASE. 02 マスグレイヴ家の儀式書

されば得られん────窮極へ至る鍵を。

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CASE. 01 緋色の邂逅 - https://privatter.me/page/69736b2b3ba24

学術研究都市〈いとしま医学特区〉を舞台に描く、現代ドラマ×オカルティックサスペンス! 厚生労働省の〈螺旋捜査官〉市ノ瀬咲良は、ある任務のために学術研究都市〈いとしま医学特区〉へ赴く。彼に与えられた任務はとある人物の監視だった。
その人物の名は──四宮椿。ある一方では〈医学における万能の天才〉と呼ばれ、またある一方では〈忌まわしき名探偵〉と呼ばれる彼女と共に、咲良は殺人事件へ挑むこととなり──? いとしま医学特区の港湾部にて、逆さ吊り状態で発見された遺体。科学で解けない殺人事件、二人の邂逅が導く真実とは?(CASE FILE.01)

※同人誌版の原稿をそのまま移植しているため、改行が少なく横書きでは読みづらいと思います。縦読みリーダー表示をお勧めします。

作者X 🦜 https://x.com/asunashoko
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 10

 フリーライターを名乗るその男は、妙な雰囲気と存在感を併せ持っていた。
 諸星英永もろほしひでながは、光の加減によっては銀髪にも金髪にも見えるくせ毛の男を睨む。右目を覆う黒い眼帯に、片目を失っているか、失明しているな。諸星はそう思った。
「それで? 作家先生が、こんなところになんの要件でしょうか」
……この人物をご存じですか」
 男は写真を差し出した。どこか世間知らずな印象の奥に、悪人に利用されてしまいそうな雰囲気を備えた青年がうつっている。
 柊作のことを聞いてきた奴が前にもいたな。横柄な態度の女医と、やたら美形な官僚だった。
 目の前のフリーライターは、もしかしたらそう名乗っているだけで探偵かもしれない。事件がいっこうに進展を見せないから、坂木柊作の両親がついに探偵を雇ったのか。諸星はそんなことを考えながら、愛想笑いを浮かべた。
 緋色の瞳に、射貫かれる。何だ? この違和感は。
 諸星は背筋につめたいものが伝うのを感じた。
「以前うちで働いていたホストですが。事件に巻き込まれたと聞いています。なんでも、医学特区の港湾部で殺されているのが見つかったとか」
 諸星はとりあえず、己が知っている情報を明かした。男は黙したまま、軽く頷く。
「何か?」
……いえ。では彼が、長岡真凛という少女を事故に見せかけて殺害したということはご存じでしたか」
 諸星は思わず息を飲んだ。バカな。己の知らないところで、とんでもない事態が起きている。諸星は眉間のしわを思わず深くした。
「どういうことだ」
……指定暴力団長岡組。その組長の御令嬢であった長岡真凛は……ある陰謀の生贄にされた可能性がある」
 男は静かに言った。「……私が伺いたいのは、あなたが個人的に取引した人物との関係だ」
「何だと?」
 諸星はスーツの内ポケットに入れた小型の拳銃へ意識を向ける。明らかに目の前の男は何らかの訓練を受けているとは思えない。細身で、いかにも読書が好きそうな男だ。
 勢いよく服の内側から拳銃を引き抜き、男の眉間につきつける。
 しかし彼は平然と眉のひとつも動かさず、銃口を軽く指先で逸らした。肝が据わっているとか、そういう話ではない。まるで撃たれたとしても、死にやしないとでも言っているかのようだ。
 男の唇が、ひとりの男の名前を呟く。
 何故知っている? どこで知った? この男は何者だ?
……奴は、医学特区で何をしようとしているんだ?」

諸注意
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本作品はフィクションです。実在の団体・名称とは一切関係ありません。
一部猟奇的な表現や犯罪に関する表現がありますが、これを助長する意図は持ちません。

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本作は医療従事者ではない人間が書いた、不十分な知見の医療描写を含みます。
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