芹沢亀吉
2026-01-10 09:57:10
12543文字
Public 風刺
 

2025年12月8日

暴虐な軍国主義者の楠木武が恥をかく物語の通算121話目。女性が全裸になる場面もありますよ(白目)。


 念願の決起を実現し興奮状態の自衛官連中は都心への進撃を進める中若い女性を襲う者、老人ホームや障がい者施設に放火する者、銀行から大金を強奪する者、在日外国人を犯罪者だと決めつけ射殺する者が後を絶たない。ちょっと待て、略奪、放火、強姦、殺人等凶悪犯罪を楽しむ自衛官連中こそ凶悪犯罪者だろ。決起に加わった警察官、民間人右翼等も略奪、放火等を楽しんでいるのはわざわざ記述するまでもないか。

 各地の空港を襲い旅客機、貨物機を強奪等ありとあらゆる手を使い、「皇国義勇軍」は決起したその日のうちに首相官邸を取り囲んだ。警察官の大半も「皇国義勇軍」側であり「皇国義勇軍」による略奪、放火、強姦、殺人等は事実上お咎め無しなのが悪質極まりない。官邸包囲に至るまでに「皇国義勇軍」に属する自衛官、警察官、民間人右翼が虐殺した民間人は10万人、あるいは100万人以上とも。

「楠木一佐、やりましたね!これで俺達の天下ですよ!」

 現在官邸前にいるビーグル浦城うらきこと浦城心平しんぺいが計画通り横堤を追い込めたことに喜び勇むも、左隣にいる楠木の機嫌を損ね右頬に拳骨の一撃を貰う破目に。沖縄県糸満市在住の民間人右翼である浦城は楠木の意を受け県内の反自衛隊運動に数々の嫌がらせを行い、「皇国義勇軍」の決起以来楠木と行動を共にしている身。

「何が、俺達の天下、だ!自衛官でもない癖に粋がるな!」

 浦城をはじめ沖縄在住の民間人右翼を「皇国義勇軍」に引き入れ反自衛隊運動への嫌がらせをさせていたとはいえ、楠木にとって彼らは手駒に過ぎない。以前沖縄に来た楠木が三枚肉そばをソーキそばと間違えた際に「それソーキそばじゃなくて三枚肉そばですよ」と指摘するも怒りを買いぶん殴られたため彼の怒りを買わないよう神経を尖らせ続けたものの、その楠木からまたもやぶん殴られた浦城の心中は如何ばかりか。

「陛下、天皇陛下、貴方から総理に任じて頂いた横堤政美です。どうか、どうかお助けを。」

 全裸姿のまま今上天皇清仁きよひとに電話した横堤は幼い頃より教育勅語に毒され続けただけあって皇室の、今上天皇の威光をもってすれば官邸を包囲している「皇国義勇軍」も即退散と考えている様子。

 受話器を握った清仁は嫌らしく微笑み、こう言った。

「横堤、そなたはもう年貢の納め時。速やかに皇国義勇軍に投降せよ。」

 受話器をその場に落とした横堤は金魚のように口をパクパクさせている。

 さて読者の皆様の中には今回物語の区分に「菊タブー」が無いにも拘らず今上天皇が追い詰められた日本国首相を見捨ててニヤニヤ笑う展開になり驚いた方もいることだろう。今回の物語の区分は「風刺」なので菊タブーには意地でも切り込まない他の作者の日和見主義に風刺の矛先を向ける観点からこの展開を用意した次第。今後私の物語を読む際は区分に「菊タブー」が無いからといってくれぐれも油断なさらぬよう。

「何でや!何で究極の愛国者であるウチがこんな惨めな思いせなアカンねん!」

 全裸姿のまま泣き伏す横堤が気の毒に思えたそこの貴方、カネの力で世論操作するわ、秘書官達に罵詈雑言浴びせて惨めな思いさせるわとこの日本国首相が絵に描いたような人間のクズなのを忘れないように。

「もうええ!もうええ!こんな国滅んでしまえばえぇ!」

 そう叫んだ横堤の身体がみるみるうちに変化し全長100m以上の大蛇の怪物と化す。どうやら横堤は全身に貯め込んでいた多大な邪念を放出し文字通り人間を辞めた模様。

「化け物だぁ!化け物が出たぞぉ!」

 官邸を全壊させ外に出た大蛇横堤は口から灼熱の炎を吐き、「皇国義勇軍」の面々を容赦無く焼き払う。

「お待ち下さい、楠木一佐!」