芹沢亀吉
2026-01-10 09:57:10
12543文字
Public 風刺
 

2025年12月8日

暴虐な軍国主義者の楠木武が恥をかく物語の通算121話目。女性が全裸になる場面もありますよ(白目)。


 案の定横堤内閣は支持率が暴落し今新内閣を発足させても次の衆院選での議席増はまず無いという保守第一党の党利党略により内閣総辞職こそ免れたとはいえ、長年保守第一党と連立を組んできた正大党は裏金問題の解明を拒む横堤の姿勢に嫌気が差し連立を離脱、正大党に代わり連立入りした王政復古の会は党幹部がキャバクラ通いに政治資金を使い込んでいた上、党を挙げての国保支払い逃れまで発覚する有様。横堤本人も複数の企業から上限額を超える政治献金を受け取っていた件が発覚とまさしく泣き面に蜂、いや単なる自業自得か。

「アンタ、ホンマに使えん秘書やな!総理であるウチの温情で路頭に迷わずに済んでるのに、そのウチへの感謝を全然示さへんとか近頃の若いもんは!」

「何やその顔は!ニヤニヤしてたらアカン!もっとシャキッとせんかい!」

 まだ横堤内閣が高支持率だった頃真夜中の3時の勉強とやらに官僚や秘書官を無理矢理つき合わせた横堤だけに、支持率が暴落した鬱憤を晴らすため秘書官に暴言を浴びせるのはわかりきったこと。カネの力で内閣が高支持率だった頃は常時ニヤニヤしていた癖に支持率が暴落すれば「ニヤニヤしてたらアカン!」と秘書官に難癖付けるのも実に汚く、何処までも人間のクズであることを貫き通す横堤のさもしさよ。

 防衛省から無期限謹慎の通達を受けた楠木ではあるものの、横堤内閣の支持率が暴落したのを受け「皇国義勇軍」の団員達を動かしいよいよ政権転覆を企てる始末。旧日本軍体質の根強い自衛隊の中でも「皇国義勇軍」に属する自衛官連中は特に旧日本軍意識が強く、楠木同様女性である横堤が日本国首相、即ち自衛隊の最高司令官であることに我慢ならないのだ。楠木も横堤同様つい最近全裸事件により世界に大恥を晒した身とはいえ、「皇国義勇軍」内部では「楠木一佐は横堤の巻き添えでやむなく全裸になり横堤の陰謀により無期限謹慎を強いられた」なるかなり無理筋な擁護論、もとい陰謀論が広まっている模様。

光文こうぶん7年12月8日、本日は記念すべき日だ!何故なら楠木正成公の末裔であるこの楠木が占領軍憲法の恩恵を受け総理になったあの厚化粧婆を成敗し、大日本帝国の輝きを取り戻す日になるからだ!日本男児の諸君に告ぐ!正義は我らにあり!我らに刃向かう者は皆反日だから即座に射殺せよ!さぁ!光文維新の幕開けだぁ!」

 楠木のこの扇動演説がネット上に生配信されたのを皮切りに「皇国義勇軍」に属する自衛官は勿論、機動隊員を含む警察官、民間人右翼等も一斉に決起し日本各地が瞬く間に戦場に。楠木がわざわざ決起の日を12月8日にしたのは勿論1941年12月8日の真珠湾攻撃を強く意識してのこと。なお平然と元号を使う楠木とは違い私が書く物語の地の文では極力元号は使わない。即位や退位などという天皇個人の都合により時代を区切る元号は「時間をも支配する天皇」なる虚構を日本国民に信じ込ませるための欺瞞に過ぎないからだ。

「楠木武、そんなにウチに屠られたいんやったら思う存分屠ったる。自衛隊法78条に基づく治安出動を発令や!全自衛隊は直ちに出動を!」

「そ、総理、自衛隊の、ほっ、殆どは、あ、あちら側に。」

「何やて!せや、米軍や、米軍!米軍に出動要請を!」

 横堤の意に反し在日アメリカ軍指令部からの通達は「我々はどちらにも味方しない」とのこと。楠木は在日アメリカ軍上層部との繋がりが深く、今回の決起に際し横堤側から出動要請があっても応じないよう予め働きかけていたのだ。真珠湾攻撃はアメリカ側にとって忌まわしきこととはいえ時差の関係上現地時間では1941年12月7日であったため、楠木が来たる12月8日に決起すると在日アメリカ軍指令部に伝えても何のお咎めも無かった。

「終わりや、もうこの国はお終いやわ、ガハハハハ!」

 自衛官の大半に叛かれた上在日アメリカ軍にも事実上見捨てられたと知り頭の中の何かが壊れた横堤はまたもや全裸になり、「シン・マサミ200%」と称し裸踊りに現を抜かす。そして秘書官達は裸踊りに夢中の日本国首相を放置し1人、また1人と無言のまま執務室から退出していく。

「おお!良い女だ!脱がせろ!年末のボーナスイベントだぁ!」

「生産性の無い連中を生かしておく施設など不要!燃やしてしまえ!」

「宝くじ買うより銀行の金庫から直接頂く方が効率良いぜぇ。」

「貴様外国人だな!くたばれ!」