芹沢亀吉
2026-01-10 09:57:10
12543文字
Public 風刺
 

2025年12月8日

暴虐な軍国主義者の楠木武が恥をかく物語の通算121話目。女性が全裸になる場面もありますよ(白目)。

 念願の日本国首相に就任した横堤よこつつみ政美まさみはニヤニヤ笑いが止まらない。憲政史上初の女性総理誕生は各方面にて好意的に報じられ、横堤内閣は発足後高支持率を保ち続けている。ただそれは横堤本人の政治手腕によるものではなく、端的に言えばカネの力によるもの。横堤は広告会社への宣伝費、WEBサイト等の製作企画費に湯水の如く政治資金を投じ、その額は1億とも10億とも。大手TV局が横堤の髪型、化粧、服装等を真似る「マサ活」が若い女性の間で大流行と報じたのもカネの力による世論操作の一環に過ぎない。

「ガハハハハ!ホンマに世の中チョロいわぁ!支持率なんてカネの力でどぉにでもなる!高支持率は正義!正義!正義ぃ!総理であるウチは正義やぁ!」

 門長かどなが内閣の国家公安委員長だった頃報道陣に向かって「政権批判する報道機関は取り潰す!」と放言した一件を見れば横堤の横暴さ、傲慢さは火を見るよりも明らか。そもそもカネの力による世論操作自体会食に多額の税金を投じて大手報道機関の幹部を懐柔し憲政史上最長の政権を実現した門長四郎しろうのやり方を真似ただけ。その門長は首相辞任後選挙演説中に銃撃され命を落とし、横堤は亡き門長の後継者は自分だと公言して憚らない。実のところ長年与党として日本の政治を先導してきた保守第一党内では横暴かつ独断専行が目立つ横堤は嫌われ者。在りし日の門長も自分に媚びる横堤を「女性活躍」を宣伝するため利用していただけ。そんな彼女が総裁に選出されたのは保守第一党が衆参両院共に過半数割れに追い込まれ所属議員の大半がやけっぱちになったのが大きい。その衆参両院過半数割れは門長亡き後裏金問題に加え霊感商法等悪徳行為を繰り返す新興宗教「聖光騎士団」との癒着が明らかになったのが大きく、要するに悪事を隠し通せると思い込んでいた保守第一党の自業自得。

「献金問題について総理の見解を問い質したいのですが。」

「そんなことよりも議員定数削減やりましょうよ。」

「総理、貴方の発言が日中関係に深刻な悪影響を及ぼしたのですが。」

「私は質問に答えただけです。」

 野党議員からの質問にまともに答えようとしない横堤の姿勢は不誠実そのもの。この国会答弁における不誠実な姿勢も在りし日の門長と全く同じ。国会は日本国憲法第41条により国権の最高機関と定められている以上、内閣総理大臣の不誠実な国会答弁はその国権の最高機関を汚したも同然。内閣が国会に対し責任を負う議院内閣制の観点からしても門長、横堤の不誠実な答弁は国会に対し余りにも無責任過ぎる。要するに横堤も今は亡き門長も総理失格、日本国首相失格ということ。

 横堤に負けず劣らず横暴かつ傲慢な楠木くすのきたけし一等陸佐は今猛烈に機嫌が悪い。強過ぎる男尊女卑思考の持ち主故女性である横堤が日本国首相になったのが気に入らないからだ。

「厚化粧婆が総理などこの国の品格を汚す愚挙!そもそも女子に参政権があること自体がおかしい!」

 確かに国会を軽んじカネの力で世論操作を行う横堤は日本国首相失格とはいえ、楠木のこの発言は女性差別そのもの。

 楠木が秘密裏に結成した政治結社「皇国義勇軍」は自衛隊内に根強い旧日本軍体質も相まって拡大を続け、今では全自衛官の過半数が属するまでに。

「楠木はん、あんたが率いてる皇国義勇軍やけど、もう要らんし解散や。」

 画面に映し出された横堤の笑顔は何とも嫌らしく、ただでさえ機嫌が悪い楠木は早くも怒り心頭。

「よ、横堤、貴様ぁ!皇国義勇軍は使い捨てか!」