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燈 ともしび
2026-01-09 19:50:56
18040文字
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ぎゆさねオメガバ【破れ鍋アルファーに綴じ蓋オメガ】
ぎゆさねでオメガバースを書きました。
キ学軸。アルファー🌊×オメガ🍃
格好良い🌊さんも🍃さんもいません。独自設定モリモリです。
🍃さんが子ども産んでやる等発言します。また2人の子どもの描写がさらっとですが出てきます。
大丈夫でしたらよろしくお願いします🙇♀️
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週明け朝礼の時、滅多にアクセサリーなどつけない不死川が左手薬指に指輪をしていたものだから親しい同僚達からの視線と圧が凄かったのは覚えている。
朝礼が終わるなり囲まれた不死川は、隣に居た俺と腕を組むと
「結婚したァ」
と笑いながら宣言した。
あのプロポーズの後、すぐに不死川と俺の実家に連絡をした。もちろん結婚の挨拶をするためだったが、不死川の気が変わらないうちに籍を入れたいという気持ちか含まれていた。
不死川は綺麗だし格好良くてとても可愛い。料理は上手だし、面倒見も良い。あと教師としても優秀だ。更にオメガとして子どもまで産めるなんてどれほどパーフェクトなのだろう。
アルファーとして生まれたのに、落ちこぼれで人の期待に応えられない俺は今までずっと劣等感の塊だった。でも、その劣等感を壊してくれたのが不死川だ。
世間的にはアルファー、ベータ、オメガの順に優秀だと言われているがそれは違う。人と人の間に優劣なんてあってはいけない。全員等しく自分を大切に、自信を持って幸せになって良い。
「不死川を幸せにしたい」
「不死川と幸せになりたい」
そう思える今は本当に幸せだ。
突然の結婚宣言にもおめでとうと祝福してくれる同僚も居て、泣きながら「ありがとう」と喜んでくれる家族もいて。これ以上の幸せなんてないとさえ思う。
そのあと二人共溜まりまくっていた有給を使い、ハネムーンも兼ねて小さな南の島で結婚式をした。ここは不死川のお母さんが生まれ育った島なのだという。青く美しい海とは裏腹に人口が減り学校が無くなり、今はほとんど無人になりつつある島だったが、それでも式をするならここが良いと、不死川の願いだった。絶対に叶えたかった。
うちと不死川の家族と全員で島の伝統染めの半袖シャツを着て、頭には島でしか咲かない鮮やかな花で冠にして。みんな顔をくしゃくしゃにして笑っていた。島にある『婿投げ』という習わしに則り、俺は砂浜に思いっきり投げとばされたがそれすらも楽しかった。
式の後に家族が帰ってしまうと島には俺と不死川と二人っきり。
宿泊用にと用意された古民家は式の前にみんなで掃除したからとても綺麗で、窓を開けると降ってきそうなほどの星が見えた。それはいつまでも時間を忘れて魅入ってしまいそうなほど美しい光景だったが、
「冨岡ァ、そろそろ俺のとこ帰ってこいよ」
なんて不死川が笑って抱きついてきたから俺は慌てて大切な伴侶を抱きしめ返した。
「幸せになろう」
不死川を抱きしめるとき、いつも泣きたくなる。幸せ過ぎて泣きたくなる。
「ばーか。これから毎日幸せの更新をしてくんだよ俺たちはァ」
不死川はいつものように俺の大好きな笑顔で笑う。その目は涙でキラキラして見えた。
俺たちはアルファーとオメガで、でも冨岡義勇と不死川実弥という人と人で。この世で誰よりも大切な人と巡り会えて結ばれた。それはなんて幸せで幸運なこと。
「冨岡の子は俺がたくさん産むんだ」
「うん。ありがとう。愛してる」
泣きながら抱き合ったら翌日二人して目が腫れて大変なことになってしまったが、それも良い思い出でしかない。
▽
「わ、さ、実弥、ちいさいし柔らかい」
「ちったァ落ち着けや義勇」
生まれたての我が子を抱き上げたら、あまりにも軽くて柔らかくて甘い匂いがしたから慌てた。
相性の良い番はすぐに子どもが出来る。そう知識では知っていたが、本当だったようだ。不死川が時短勤務になってすぐ、妊娠が分かった。
不死川は
「さすが俺だろ」
とピースして大笑いして、俺は驚きと嬉しさで大泣きした。これではどちらがアルファーなのか分からない。でも良いんだ。これが俺たちだから。
やがて十月十日が経ち、俺は母親に似たんだろうなァと本人は笑っていたが、悪阻もほとんど無く、命懸けになることが多いオメガの出産にしては安産で俺たちの子どもが生まれた。
生まれた子は不死川によく似た真っ白な髪の毛のオメガの子どもだった。不死川に瓜二つな外見の中で瞳だけは俺と同じ青。
初めて目を開けた時、瞳の色を見て
「義勇とおんなじだなァ」
と不死川は泣いた。それを見たら俺も堪らなくなって
「実弥そっくりで可愛い」
と泣いた。
第一子は手のかからない子で、よく食べよく眠り、すくすくと大きくなっていった。初めての子育てに慌てることの多い俺にとって有り難すぎる子だった。不死川に似たのが良かったのだろう。
「いくら良い子でもオメガなのはねぇ」
などど言われることもあったが、オメガでも優秀な人間になるのは不死川がちゃんと証明している。だから何も心配なんてなかった。
その次の子は双子でどちらも俺に似た黒髪青目のベータの子だった。おっとりした第二子とせっかちな第三子。第一子が手が掛からなかったぶん、どちらにも振り回らされたけれど、その頃には第一子がお手伝いまでしてくれていて助かった。やっぱり優秀なのは不死川に似たからだと確信した。
そして、だんだんと家が賑やかになっていき、楽しくて幸せで毎日笑いながら暮らしていたら、また不死川の妊娠が分かった。
「次の子はどっち似だろうなァ」
「どっちでも良い。元気ならそれで良い」
「うん」
「どっち似でも、アルファーでもベータでもオメガでも全力で愛するだけだから」
「
……
それは俺も入ってんのかァ?」
「当たり前だろう」
ちょっと拗ねた顔をする不死川が可愛くて可愛くて、お腹に気をつけながら抱きしめた。
「義勇、俺はすごく幸せだ」
「うん。俺もずっとずっと幸せだ」
おでこを合わせて笑い合っていたら、それを見つけた子ども達が
「混ぜてー」
と抱きついてきたので全員まとめて抱きしめた。
俺が望んだ以上の幸せが、ここに。俺の腕の中にある。
「ありがとう」
改めて腕の中の大切な人たちに伝えたら、みんな笑ってくれた。その顔はあの日見惚れた不死川の笑い顔にそっくりだった。
▽happy end▽
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