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匣舟
2025-12-14 18:40:59
16321文字
Public
RKRN
おかしといたずらどーっちだ?
秋リクエストで頂いたハロウィンパーティーをするいちは乱です。
更新系で進めていきます!遅くなってすみません!
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A.油断は禁物だぜ?
乱きりしん(きり乱強め)
シスター服を着て恥ずかしそうにする乱太郎の隣には、机の上のお菓子をあのピンクの球体のキャラクターが吸い込むかの如くものすごい速度でパクパクと食べているのは警察官の恰好をしているしんべヱだった。しんべヱの隣にはその光景に呆れつつも、人のこと考えて食べろよ~。と注意をしているゾンビ姿のきり丸がいた。
「ほら、乱太郎も下ばっかり見てないで食べろよ。」
きり丸はシスター服を着ている乱太郎の方を見て、口を開けてぱくっとジェスチャーをする。それに反応した乱太郎はきり丸の方に顔を向けて口を開けた。
まるで親鳥が雛鳥に餌を与えるようなこの光景にツッコむ人は誰一人いない。それがいつも一緒にいる彼らの平常運転だからだ。
「えっ、これめっちゃ美味しい!!!」
「だろ?」
「これ、きりちゃんが持ってきたの?」
「そう、バイト先でもらった。」
「さすがきりちゃん、抜かりないね~。」
「だろ~!?」
さすが~!ときり丸に肘を当てながらそのお菓子を食べる乱太郎とそれにドヤ顔で答えるきり丸。そして、既にそれを口にしていたしんべヱが笑顔でその味を噛み締める。
きり丸が単発のデパ地下バイトで単発なのにめちゃくちゃ働いてくれたからというお礼でもらったというハロウィン限定の新作お菓子たちの味は、やはりデパ地下のお菓子ということもあってみんなで持ち寄って買ってきたお菓子とは違ってどこか上品さを感じる味だった。
「っていうか、まだそれ食べるのかよ
……
?」
「だってえ、おいしいんだもん
…
。」
「まあ、それは、わかるけどよ
…
。」
「へへへ〜。」
もう既にきり丸が持ってきていたデパ地下のお菓子や、バラエティパックがずらりと並んでいた三人が座っている机の前のお菓子はしんベヱによってあらかた食べ尽くされているであろう。おいおい、この調子じゃ全部の机にあるお菓子がしんベヱに食べ尽くされるんじゃないだろうか。ときり丸はそんなことを考えながら壊滅状態である目の前にあるお菓子をひょいと取ってはほらほら、ぼーっとしてたら無くなるぞ。と乱太郎の口へと送り込んでいく。
プチわんこそばのような食べたら口にまたあげて、た食べたらお菓子をあげてを繰り返すきり丸はそんなお菓子をもぐもぐと幸せそうに食べている乱太郎の様子を見ながら、さも俺が育てましたよと生産者側の顔をしながら満足げに自分の分のお菓子を食べている。
そんな二人の様子を見て微笑みながらしんベヱは僕あっちのお菓子もきになってきたからあっちに行ってくるね〜!と喜三太や金吾が居る机へと行ってしまった。
「
…
相変わらずいい食べっぷりだねぇ。」
「あいつはもう止まんねえよ
……
。」
乱太郎ときり丸の前にある机の上のお菓子の山はほとんどしんベヱによって崩されてしまったが、他の机にはまだまだたくさんお菓子がある。きっとその全ての机の上にあるお菓子がしんベヱの胃袋に収まるんだろうなあ、なんて想像しながら二人は顔を見合せて笑いあった。
机の上に残されているお菓子と、無造作に置いてある缶ジュースを飲みながら乱太郎は服装への愚痴をこぼす。
「本当に、毎回なんで私こんな不運なんだろう
……
女装ならきりちゃんの方が似合うのにさあ
……
?」
「
…
まあ確かに女装は俺の方が似合うと思ってるけどよ、乱太郎も可愛いぜ?」
そう言いながらきり丸は乱太郎の頬に手を伸ばしてするりと撫でた。頬を撫でられた乱太郎はそういうのは女の子にやるもんなんだよ〜?きりちゃん。と笑いながらきり丸の手を机の上に置いて、ちょっとだけ赤くなった頬をごまかすように、ジュースを飲んだ。
机に置かれた手を見ながらきり丸はなあんにも分かっていない目の前の彼を見ながら悪態をつく。おまえじゃなきゃこんなことも言わねえし、しねえっつーの。という言葉を心の中で吐く。
鈍感なのはずっと一緒にいるので知ってはいるが、こうも鈍感なのも腹が立ってきてきり丸はこいつ、マジでどうしようかな
……
。と思っていると乱太郎がニコニコしながらこっちを見ていた。
「んだよ?」
「いやあ、きりちゃんゾンビの姿似合うなあ、って思って。」
残り少ない机の上にあるお菓子を食べながら乱太郎は微笑みながらきり丸を見て呟いた。きり丸は褒めても何も出ないぜ〜?とへらっと笑ったかと思えば、なにかと思いついたのか乱太郎の方をみてにやり、と笑ってハロウィンお決まりの言葉を乱太郎に投げかけた。
「乱太郎。」
「
……
ん?なあに?きりちゃん。」
「トリックオアトリート?」
「
…
へっ!?」
突然、きり丸の口から降ってきた言葉に、乱太郎は目をぱちくりとさせた。自分たちが座っている机の前のお菓子はもうあらかたいつの間にか食べ尽くしていたようで乱太郎の目の前には袋のゴミしか置かれていなかった。どうしようどうしようと頭の中がこんがらがっていて動かないでいると、いつの間にか目の前にきり丸がいてはっと気が付くと、自分の顔の前にきり丸の顔があって今にも唇が重なりそうな距離にあった。
なにか、される!と思った瞬間、きゅっと目を閉じると口のまわりにぬるり、とした感触が乱太郎を襲う。
「
…
ぅぇ?」
それが、きり丸に口周りを舌で舐められたと気づいたのは、数秒経ってからだった。乱太郎がようやくそのことに気が付いて、顔を真っ赤にさせながら口をぱくぱくとさせていると、そんな乱太郎の姿を見たきり丸がまた乱太郎の方に顔を寄せて、耳元でこう呟いた。
「
…
あんまり油断ばっかしてると、次はここにキスするからな?」
「
……
ぅ、ぅえぇぇ
……
!?」
きり丸はにこーっと笑いながら乱太郎の唇に指を添わせたあと、固まっている乱太郎を放置して他の人が座っているテーブルに移動してしまった。一体、何が起きたのかわかっていない乱太郎は暫くの間、固まったまま動かなくなった。
後にやっと状況を理解した乱太郎は周りに誰も居ないことをいいことに、きり丸に触られた唇に自分の指を添えながらきりちゃんのバカ
……
。と顔を真っ赤にさせていたという。
了
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