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RonpaDearR



:(4章

__は、貴方のそばにいらっしゃいますよ。

だから、頑張りましょうね。



“交流会”の中継は続けられていた。大広間だけでなく、他の部屋まで。
殺人が個室で起きるのならば、プライベートなど関係なくその場面が映された。

最初は悪趣味なドッキリか演出だと思われていたそれは、期間が伸びるごとに真実味を帯びていく。

彼らを助けに行かなくては、と声が上がった。
けれどあの“交流会”の会場はどこにある?

給仕をしていた人間も、インタビューをしに行った人間も、誰もが場所についての記憶が曖昧だった。
ネットで特定を試みた人物もいたが、どうやら日本国内にある建物であるということくらいしかわからず。

公共の電波に乗せて流され続ける惨劇を、彼らは見ていることしかできなかったのだ。

:P

もう5人しかいなくなったのか、とみなみは残りの人数を指折り数えた。
両手があっても数えられないほどいたのに、今は片手で事足りる。それがなんだか寂しかった。

慕っていた新代閑は、愛が見たいとかいうふざけた理由で殺されたし。
全くもって理解できなかったなあ、なんて。みなみは一つ息をついた。

純愛くんはすっかり大人しくなっている。最初に起こった事件の後はまだ元気があったけれど、この頃は悪態をつく余裕もない様子だ。
あんなに自分に突っかかってきたくせに、とは思わなくもないけれど。みなみよりも長く生きているくせに、誰も彼も情けない。

十河「コロシアイ、まだ終わらないのかな」

誰に投げかけるでもないみなみの呟きを、アパタイトはその耳でしっかりと捉えていた。
未だにこのコロシアイの目的が不明瞭な今、軽々しく少年の疑問に答えるわけにはいかなかったのが歯痒いが。

それよりも、心配なのは他の面々の様子だった。
キィとA・S・1の仲は、もはや修復不可能なように見える。

彼らは視線を合わさない。たまに会話をしていたかと思えば、すぐに互いに顔を背けるのだ。
どうしたものか、とアパタイトは彼らを見守っていた。

不安の種はまだまだ存在する。
例えば、次のコロシアイの動機……謎の病原体がもうばら撒かれていること、とか。

――

純愛くんは、ふらふらとそこらを彷徨い歩いていた。

このコロシアイで失われたものは、あまりにも多すぎた。
これ以上の犠牲が出ず終わることだけを願ってはいるものの、自分に何ができると言うのだろうか。

怒号が聞こえるような気がする。

数日前、あのスピーカーの向こうの怪人物はとある病気のウイルスをばら撒いた、だなんて言ってたっけ。
発症するまでの期間や症状に大きな個人差がある病気だ、と。ならば自分の頭の中に鳴り響く罵声も、そのウイルスのせいなのだろうか。

わからないな、と純愛くんはかぶりを振った。

いなくなったはずの彼らがこちらを見ている。
そして、ある方向を指差している。

それをのろのろと辿っていくと。

友人たちを抱え、呆然とするアパタイトの姿があった。

――

アパタイトは、物音を追って薄暗い廊下を進んでいた。
湿った床板がぎしりと鳴り、遠くから響く金属音が耳を打つ。
嫌な予感しかしない、だが足は止まらない。

角を曲がった瞬間、視界に飛び込んできたのは、鮮血と狂気の渦だった。

彼らはあの病気の影響を顕著に受けていた。疑心暗鬼に陥ったり、まるで人生どん底をリバイバルされているかのような様相をしていた。
自分はそれに気がついていた。けれどなすすべなく、彼らを部屋に送り届け寝かしつけるしかできなかったのだ。

ああ、ベッドに縛り付けて動けないようにしておけばよかった!

なんて、後悔してももう遅いのだろうか。

キィとA・S・1は、互いに傷つけあっている。

彼らは息絶え絶えの様子だ。同じように体力が低下しているからか、まだ勝負はついていないようだった。

今なら止められる、まだ間に合う。
アパタイトは手を伸ばす。

けれどそれが届く前に、きらりと輝く、鈍色が。

彼らを互いに傷つけて。

周囲を赤く染め上げていった。

【4章相討ち】
・キィ→月ヶ瀬仁
超高校級の防犯専門家→義賊
・A・S・1→墨函アリス
???→17歳 女性

―――

彼らのことを、助けられませんでした。

ヒーローとは何かを考えます。
英雄や主人公、困難な状況に置かれても勇敢であり続け、人々のため奮闘する人物のこと。一般的にはそれがヒーローであると言われるようですが。

ぼくはきちんと“ヒーロー”をやれていたのでしょうか。
命を取りこぼしたぼくに、果たして存在する意味などあるのでしょうか。

考えてもわかりません。批判の声だけが頭の中を支配しています。

全てを壊してめちゃくちゃにしてしまえ、と。世界は言っていました。
けれどぼくは、そんな世界の美しさを知っています。

どれだけ無意味であろうと、彼らのことを助けたかった。
それだけです。理由はあんまり、わからないけれど。

助けられなかったのだから罰を受けろと言うのなら、そうします。
そうするべきだ、と。思うんです。

本当は、自由に世界を飛び回ってみたかったんですよ。

なんて、夢を語る資格もないですかね。

【4章代理クロ】アパタイト