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RonpaDearR



:(1章

さてさて、こういうデスゲームでは最初が肝心だ、といいますが。

上手くやれそうですか?____さん。
我々の未来は貴方にかかっていますからね。

ごめんなさい、本当はこんなこと貴方にさせるべきではないってわかってるんです。

不甲斐ない大人でごめんなさい。こんなことくらいしか出来なくってごめんなさい。

どうか、貴方が無事に帰って来られますように。
そう、祈らせてください。

―――――

コロシアイとやらは始まる気配がなかった。
急に命の危機を知らされても、実際に怪我をしようと。平和慣れした身では、今すぐに実感することは難しい。

だからなのだろうか、あのスピーカーの向こうの怪人物は「1週間以内に事件が起きなければ全員殺す」と言ってきた。

アパタイト「どうにかして、外に出る方法はないんでしょうか」
キィ「さあ……窓もドアも完全に開かなかったしな。窓も頑丈だときちゃ今んとこ打つ手ないぜ」

防犯意識的に見れば超しっかりしてるんだけどなあ、とキィは肩を落としている。
アパタイトもあれから何度か窓ガラスを割ろうと画策していたのだが、結果は芳しくなかった。

ナラズ「困りmathね。まあいざとなればワレがどうにかして見せますが……
駒割「じゃあ今すぐどうにかしてくれない?こっちは締切が迫ってて大ピンチなのよ!」
ナラズ「えっ いや、今はまだその時じゃないっていうか……

ギャーギャーと声擬に噛みつかれ、ナラズはその目に次第に涙を溜めていく。
その後すぐに限界が来たのか、ドッと泣き始めた。その様子を眺めていた閑は、何をしているんだか、と独り言ちた。

十河「おねえちゃん」
新代「……どうしたの?」
十河「コロシアイって、本当に起こると思う?」

みなみの疑問に、閑は上手く答えられなかった。
そんなこと起こらない、とこの子に伝えてやりたかった。けれど、人は時に想像できないくらいとんでもないことをしでかすものだから。

本当に事件が起きて、その時狙われるとなったら……弱者である自分やみなみのような子供からだろう。
その事実が酷く嫌で、閑は返答の代わりにみなみの手を握った。

恋見「ふふふ、二人ともとっても仲良しさんですね……♡」
F「ええ、仲良しなのは素晴らしいことだと思います!人間さんの愛の形はたくさんあるんですねえ」

見ていて飽きない、というFに好梦は頷いた。愛とはいつ見ても素晴らしいものなのだから。

コロシアイなんて起きないのが一番だと思う。
物語はいつだって、幸せに終わるのが良いに決まっているのだから。

――――――

D-r「傷、だいぶ良くなってきたわね。貴方がどういう種族なのかは知らないけれど……少なくとも、地球人よりは丈夫なのかしら」
すずめ「どうだろう。痛みには強い方だとは思うけど」

D-rはすずめが手をぶんぶんと振っているのを見ていた。確かに、消毒に顔を顰めるそぶりもなかったし、地球人を基準に考えれば感覚的には鈍い方なのかも知れない。

Blue:L「あの槍、どういう原理で動いてたんだろうね。ちょっと、いや、だいぶ興味あるな」
A・S・1《今度放送なった時聞いてみたらどう? 答えてくれるかは知りませんけど!》

A・S・1は何やら奇妙な動きをしつつ、Blue:Lに助言する。あの怪人物が何を考えているかは知らないけれど、会話自体はできなくなさそうだった。
次の機会があるのだとしたら、その時は物騒な話をされないといいのだけど。どうにもそれは難しそうだ。

A・S・1は怪人物に告げられたコロシアイのルールを反芻する。
仲間の誰かを殺したクロは脱出できますが、自分がクロだと知られてはいけません。だったか。

とにかく、碌でもないことが起ころうとしていることは間違いない。
その不穏を振り払うように、未だ元気一杯の人物たちもいるのだけれど。

純愛「いやあ、キミの陳腐な時代劇でも暇つぶしくらいにはなるものだね!目も当てられないものを見続けたせいか、すごく疲れたけど!」
溝内「ははは、そりゃあ光栄だね。それにしても、全52話をここ数日で見切ってくれるとは思ってなかったけど……

わおん「わおんはすっごく面白いなって思いましたよっ!普段見ないジャンルでしたけど、勉強になったっていうか……
白澤「ええ。時代考証もさることながら、皆様の演技も素晴らしいものでした。ああいった作品を名作、と呼ぶのでしょうね」

4人は数日にわたる鑑賞会を終えたらしく、興奮冷めやまぬ様子で感想を言い合っている。
目の下に少しだけクマが浮かんでいるので、睡眠時間を削ってまで時代劇を見たことが伺える。

皆それぞれ、違った方法で現実から目を背けている。

それが良いことなのか、悪いことなのか。
ここにコロシアイの経験者がいない以上、誰にもわからぬことだった。

――――

アパタイトは見回りに勤しんでいた。
事件などが起こらぬように。……皆のことを信じてはいたが、この状況では何が起きてもおかしくない。

例えば、あの黒い槍のようなものが飛び出てくるトラップが仕掛けられていたら?
他にも悪意のある仕掛けがされているかもしれない、と危惧していた。

杞憂で終わればそれでいい。助けが来るならもっと良かったが、その気配はまるでない。
この場所……特に大広間は中継映像が外に流れているはずなのだが、どうして助けが来る気配がないのだろうか。

もしかしたら、大規模なドッキリに巻き込まれているだけなのかも。
1週間コロシアイが起きなければ、“ドッキリ成功”のプラカードを掲げた誰かが現れるのかもしれない。

そんなことを考えつつ、アパタイトは進んでいく。
すると、前方から。誰かが走ってくるのが見えた。

青い血と、赤い血に塗れたその人は。

わおん「あ、た、助けて、くださ……向こうで、皆さんがっ……!!」

確かに、アパタイトに助けを求めていた。

:(ざんねーん!間に合わなかったみたいだね!

――

情報って、結構お金になるんだよ。
実体がないのに、時にはどんなお宝よりも重宝されるの。それってなんだか不思議だよね。

悪いことなんかしないで、みんな仲良くしてくれればいいなあって思ってるの。
苦しむ子がいなくなりますようにって、ずっとずっと考えてる。

ね、地球の人たちも同じようなこと考えてるんでしょ?世界平和とか、みんな手を繋いで仲良くしましょう、とか。
とっても素敵なことだよね。いつか叶うといいなあって僕も思ってるよ。

ああ、でも。なんだかすっごく頭が痛いな。僕、結構痛みに強い方だと思ってたんだけど。

君も、僕が異星人なのか信じられなくなっちゃった?
騙されていないか、確かめてみたくなっちゃったのかなあ。

ごめんね。異星人なのは本当。けど、色々と嘘はついてたの。
みんなと仲良くなりたかったんだ。だから許してだなんて、言わないけど。

【1章シロ】すずめ
超小学生級のお話の時間→超高校級の情報屋

――⠀⠀

ろうそくの火が、見えました。

ゆらめくそれに手を伸ばして、どうか最後まで燃え続けますようにと両の手で思い切り締めました。
ぐえ、とひしゃげたカエルのような声が聞こえます。空気を求め、されどそれが叶わず必死で動く口が愛おしい。

炎は次第に青く、白くなっていきました。床に倒した時にどこかにぶつけてしまったのでしょう、青い蝋が垂れているのが酷く印象的でございました。

ああ、ご冥福をお祈りいたします。貴方のこれからの旅路が、幸せで溢れていますように。

死とは決して、恐ろしいものではないと考えます。
あくまでも桃源の考えですが、此岸よりも彼岸にいる今の方が幸せでおりますので。

皆様のために何かしてあげたかったのです。だから手を伸ばしました。
ろうそくの火が見えたので、次は彼を、と思いました。彼もなんだか苦しんでいるようでしたので、安らぎを与えてあげたかったんです。

けれど、もう少しのところだったのに。先に桃源があるべき姿に還るためのお手伝いをされてしまっては仕方がありませんね。
ありがとう、そんな顔をしないで。……どうして、そんなに苦しそうなんだろう。

ああ。桃源のことは、どうかお気になさらず!
皆様と違って、一人で地獄に向かいますから。

幸せでした。地獄に行く前にいい夢が見られた、と思います。
だからどうか、貴方……幸雅様も。

私と過ごした時間は夢だった、と思って。
どうか全て、忘れてくださいね。

【1章シロ?】白澤→白澤桃源

――⠀⠀⠀

酷いことを口走っている自覚はあった。
だから、コロシアイをしろと言われた時、いつかはこうなるんじゃないかと予想はできていたのに。

広がる青い血を見た瞬間、逃げてしまえば良かったのかもしれない。
失敗した。それと同時に、すごく腹が立った。

あの子はボクを占って……“出来るだけ最初に死ぬようにする“って言ったのに!
何が絶対当たる占いだ、一番に死んだのは違うやつじゃないか!

息が、苦しい。思いっきり首絞められてるんだから当然なんだけど。
ボクもここで終わりかあ、なんて考えてたのに。首を絞める手が緩まった。

彼は赤い血を流して倒れている。それをやった犯人は。

……

……いつもこうだ。ああ、やっぱり嫌になるなあ。

地球人なんて、みんな大っ嫌いだよ。ドブネズミみたいで、最悪なんだから。

【1章シロ未遂(負傷)】純愛くん

―――

じゃあ、あの時どうすれば正解だったっていうんですか。
あの時ああしなかったら、様子がおかしいあの人は何人殺していたのかわからないのに……

ずっと頑張ってきました。お金が欲しくて、でも働ける場所なんて限られていたから。
家族の助けになりたくって、売りたくもない媚売って。

簡単ですよね、地球人も異星人も。ちょっと愛想を振り撒けば勘違いして、お金くれるんですから。
ああ、でも。あの人だけは、ちゃんと“ご主人様”って呼びたい人なのかもしれません。

……やだ、いやだ。死にたくないよ、助けてください。
ご主人様を助けたかっただけなのに、どうして音寧が死ななくっちゃいけないの。

助けたじゃん、一人助けて一人殺したんなら見逃してくれたっていいじゃない!
音寧は帰らなくっちゃいけないのに、待ってくれてる人がいるのに!!

ねえ。助けて、ご主人様。
いつだったか、自分の星に来るかって聞いてくれたじゃないですか。

わおんのこと、連れて行ってよ。
だめ、ですか。なんでもしますよ、弾除けでも。なんでも。

【1章クロ】わおん→三和音寧

――――

幕は上がりました。引き金は引かれました。
これからのことが楽しみでなりません。

あなたは見てくれていますか。
あなたは信じてくれていますか。

____を、より良いものにしてみせますから。

どうか、見守っていてくださいね。