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RonpaDearR



:(3章

あの事件のことを忘れてはいけないよ。
異星人とは恐ろしいものだということを、いつでも頭に入れておかねばならないよ。

奴らを隣人などと呼ぶだなんて吐き気がする。
将来有望な若者がごっそり消えて、こちらがどれだけ痛手を負ったのか。

……ああ、すまない。こちらの話だ。

難しいことは考えず、君は君のやるべきことをしっかり遂行してくれたまえ。

――⠀⠀⠀

Dーrが忽然と姿を消した。
前回の裁判の後、皆総出で彼あるいは彼女のことを探したが、見当たらず。

まるで最初からいなかったように消えてしまったのだ。未だ外へ通じる出口は見つからないというのに。

ナラズ「どこへ行ってしまったんdeathかね、まさか深淵に飲み込まれたり……!?」
純愛「ははー、想像力豊かだねナラズくん。作家にでもなればいいんじゃない?」
ナラズ「ワ、ワレは真剣に言ってるのに……!」

がっくしと肩を落とすナラズに純愛くんは軽く返す。
無事であればいいが、多分碌でもないことが起こっているのだろう。あまり深入りするときっと戻ってこれなくなるはずだ。

気がつけば、交流会が始まった当初から人数は半分にまで減っている。
このコロシアイはいつ終わるのか、と純愛くんはため息をついた。

さて、今回の動機は至極シンプルだった。“莫大な資産の入手”……誰であっても簡単に富豪になれるとあの怪人物は謳っていた。
見せつけられた黄金は記憶に新しい。幸雅は金には困ってはいなかったが、それでもくらりと眩暈がするほどだった。

溝内「どうしたもんだかなあ……
Blue:L「どうしたの そんなに大きなため息ついて」

音もなく忍び寄ってきたBlue:Lに幸雅は思わず悲鳴を上げる。それを愉快そうに笑われたものだからたまったものではない。

終わる気配のないコロシアイ、突如消えたDーr、それから新しい動機。
考えれば考えるほど頭が痛くなりそうだった。

キィ「ちょっと聞きたいんだけどさあ」
十河「うん どうしたの?おにいさん」
キィ「このコロシアイがいつ終わるかとかは占える?」

キィはみなみを見据えた。盲目の少年に自分がいかに酷い表情を浮かべているかはわからないだろうけど。
みなみは「結果を聞いて後悔しないか」とキィに問うてくる。

キィは、後悔しない、と言い切ることができなかった。

A・S・1《それ 教えてくれますか 私はコロシアイの終わりを知りたい》
アパタイト「……ですって ぼくも知りたいので、お願いします」
十河「うん、いいよ。じゃああっちで話してあげる」

A・S・1のメモの内容をアパタイトが読み上げた。キィは未だに立ち尽くすだけだ。
それから、どこかへ向かう三人の背中を見送ることしかできなかった。

――――――

ぴょんぴょん。
音が先に逃げて、君の脚があとから追いかけてきました。

ぐるぐる。
それを見ていた私の目は、もう私にはついていませんでした。

ごりごり。
赤と青が混ざっていきます。攪拌されて絡み合って。

愛した貴方は、私になりました。

――――――

小さい頃のオレの味方は、ばあちゃんだけだったんだ。

監督とか親には怒られてばっかりで、そんな中で甘やかしてくれたのはばあちゃんだけ。
だから喜ばせたくって頑張ったんだ。それをずっと続けてたら、才能もらえてて驚いたけど。

でも、当たり前のことだけど。人間ってずっと生きられるわけじゃないんだよな。
命がある限り、それに終わりが来るのは当然のことで。

ばあちゃんが死んじゃって、やる気無くなっちゃって。
この交流会終わったら、とかすごいネガティブになってたんだけど。

あのさ、オレ。みんなに会えて、話せてよかったよ。

どうしようもないくらい優しいやつばっかで、オレはすごい救われた。
だから、コロシアイとか始まってすげえ嫌だったんだ。

ね。だから……お前の考えてることはわかってあげられないけど。
どうかオレ以外の、あの優しい子たちのことを。殺さないであげてね。

【3章シロ】溝内幸雅

――――⠀⠀⠀

目の前で行われる、とっても酷くて怖くて痛そうなことが、現実だと信じたくなかった。

次はお前だ、とばかりに指を突きつけられて。それだけで動けなくなってしまうこの体が恨めしい。
だって怖いものは怖いのだ。泣き出して逃げて、それでその後は?

抵抗しない方がきっと、痛い思いはしなくて済むはずだよね?

だなんて、そんなのやっぱり甘い考えでした!

今までの人生で感じたことのない痛み!
泣き喚いても全然解放される気配がありませんでした。

まあ、十数年も生きていないのだから……この先生き続けたら、もしかしたらこれより痛い思いをしていたのかもしれないけれど。

……嘘をついてました、本当は17歳なんかじゃないんです。高校生のフリしてごめんなさい。

自分が何者なのか、ワレはわかりません。ただ、……ただ居場所が欲しかっただけなんです。

【3章シロ】ナラズ
超高校級のパラサイエンティスト→超小学生級のオカルトの時間

――――⠀⠀⠀⠀

二つの遺体は、酷く傷つけられていた。
赤と青の血溜まりに塗れ、中身を暴いて確かめるように。

そのむせ返りそうなほどの血の匂いに、誰もが目を背けた。

けれどその中で一人だけ。それを真っ直ぐ見つめる人物がいたのだ。

純愛くんは、思わず後退りをして、そしてぐらりと己の視界が傾いたような気がした。

それが錯覚でないと気がついたのは、尻餅をついた時だっただろうか。
己は一体何に躓いたのか、と視線を動かして。

眠るように死んでいる、Dーrの姿を見つけた。

――――⠀⠀

Dーrは、自分が手術台のような場所に寝かされていることに気がついた。
手足は拘束されている。何をそんなに恐れているのだろうか、厳重に。

脱出は難しそうだ。目の前の彼らは何やら話し込んでいる。

“異星人の青い血を赤い血に”。“地球人の血を青くできたのだから、逆もできるはず”。
“今の技術力ならば、コロシアイを経なくてもそれができる”。

……なんだ、自分は被験者に勝手に選ばれたのか、とDーrはため息をついた。

自分勝手で身勝手極まりない。正規の手順を踏んで実験への協力を依頼してくれればいいのに。
そんな風に思いつつ、腕に注射針が突き立てられていくのを見ていた。

コロシアイ中に攫われたということは、黒幕とは仲の悪い派閥の人間たちなのだろうか。
まあ、自分が調べた限りでは一筋縄では行かなさそうな団体だったから……仲間割れをしていようとさほど不思議ではない。

注射器の中の透明な液体が投与され終わる。
血が赤くなる、と言っていたっけ。異星人特有の体質などはどうなるのだろう。

視界が青くなったり、赤くなったりしている。自分の中身が混ぜられているような気がして気持ち悪い。

血が本当に赤くなったらどうしよう。そもそも、皆の元へは帰れるのだろうか。

無事に帰るなんて無理だ、と理性が叫んでいる。
Dーrはそれを無視した。自らの頭脳よりも、見えない奇跡に縋りたかった。

【3章変死】Dーr
超高校級の何でも屋→探偵

――――

あの子はどうして死んでたんだろう?“異星人”だったはずだけど、血が赤くなってたね。
いなくなってた間に何があったんだろう。体を開いて中身に聞いてみればわかるかな?

ん、そうだな。良くない癖だ。
狩りをする時は身を潜めて静かにできるんだけどね、やっぱり仕留め終わった後は少しばかり嬉しくなっちゃうんだ。

嬉しいのを隠すのって難しい。そう思う。
不満を隠すのは結構簡単だけど、嬉しいのって“悪いこと”じゃないからかな。

……あの二人を殺した理由?そんなの本当に知りたいのかな。
輝く黄金が欲しかったんだ。それから、……

地球では、高貴な血のことを「青い血」と形容するらしいね。青ければ青いほど尊いって考え、わかるなあ。
それに君たちみたいな赤い血は……「アイの色」らしいね。それを見てみたかったんだ。

それだけだよ。犯人だってバレちゃったのは、ちょっと残念だけどさ。

あはは!大変良くできました!こういう時は相手を褒めるべきなんだよね?

それじゃあさようなら。
ワタシの命は誰にも渡さないよ。

誰にも、狩らせたくないんだ。

【3章クロ】Blue:L→BaëL
超高校級のハントレス→エゴイスタ