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RonpaDearR
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:(プロローグ
:(
地球に優しくいきましょう!
リユース、リデュース、リサイクル!
__は怒っていますからね。
ぷんぷん!
―――
さて、今日のニュースはこちら!
地球きっての大舞台、異星との友好関係を示す一大イベント。「交流会」がいよいよ本日昼頃より開催される予定です。
交流会の様子は一部中継、全世界範囲で放送されます。
当番組も、参加者の方々へのインタビューを
――
。
ブツ、とテレビの電源が落とされる。昭和期からもう百年近く、世間を支配してきたと言っても過言ではないそれの影響力はまだまだ健在だ。
メディアはどれも異星人に対し友好的、侵略されているに近しいというのに実にのんきなものである。
20年前の才能保持者集団失踪事件は、自分にとってはいまだ記憶に新しい。あの大事件を起こしたのは異星人に間違いないのに、どうして皆「親愛なる隣人」としてやつらを扱うのだろうか。
デモは封殺された。平和的に声をあげても握りつぶされるのであれば、次はどんな行動に出るのか。まさかそれが分からぬほど、この世界は腐敗しているわけではあるまい、と信じたい。
……
やつらは、きっとまた同じ事件を繰り返すに決まっている。
けれど、そうなれば我々の勝ちだ。やつらを追い出す取っ掛かりになるのだから。
あの輝かしい地球をもう一度!
この地に蔓延る人類は、我々一種だけでいい。
:P
「ねえ、楽しめてる?この交流会」
地球人と見まがう見た目の少女
……
すずめにそう声を掛けられて、新代閑はため息をついた。
自らのこの態度を見て、わざわざ“楽しめているか”と聞くだなんて。こいつは遠慮とか、空気を読むとかいうことを知らないのかもしれない。
楽しいわけがない。楽しめる可能性も、まるでなかった。
ここに来たのはただ、自分の家に住まうあの小さな子がいるからというだけで。
あの子がいなかったら、こんなところになんて来なかった。
こんな交流会
……
これ見よがしに仲良しアピールをして、じわじわと地球を乗っ取っていくための広告塔に過ぎないのではないか。
異星人好みに変えられていくこの星に、果たして未来はあるのだろうか、と考える。
早く全員どっかにいなくなればいいのに。どこからともなく湧く虫のように、増える一方で減る気配はないけれど。
閑は再びため息をついた。自身の質問に対しそんな態度をとられても、すずめはさほど気にしていない様子で。
それがますます癇に障った。
すずめ「頭についてるお花、可愛いね」
新代「
……
」
すずめ「どこで買ったの?」
閑は答えない。どこか遠くを見つめている。
その様子が、すずめにはほんの少しだけ“寂しい”ように見えた。
―
わおんは、自身の手に持つグラスに飲み物が注がれていくのを見つめていた。
給仕を受ける側に回るというのは、なんだか慣れなくて落ち着かない。
交流会の開幕と同時に始まった立食パーティは、ここに未成年が多いからかお酒の類は見当たらない。
ぎこちなく自己紹介を交わして、あとは好きに交流しろとのお達しだ。会場の様子は中継されているらしいが、序盤だからか大々的なパフォーマンスはまだ行われないらしい。
それにしても、自分の幼馴染
……
恋見好梦までここに呼ばれていたのには驚いたけれど。
様子を見るに、他にも知り合い同士だった人がちらほらといるらしい。最初から仲良さげに会話をする人物が数組いたのだから。
隣でチビチビとジュースを飲む好梦を見る。その視線に気がついたのか、彼女はこちらに向かいふわりと笑いかけてきた。
恋見「うふふ、どうしたの?わおんちゃん♡気になる人でも見つけちゃった?」
わおん「えっ、ち、違うよ!みんなと仲良くできたらいいなあ、とは思いますけどねっ」
好梦は相変わらずニコニコと笑みを浮かべている。こちらを慈しむかのようなそれがなんだかむず痒くて、わおんは顔を逸らした。
会場内はまあまあの賑わいを見せている。
そんな中でも静寂を保つものがポツポツといることくらいは、少し観察すればわかることだった。
A・S・1もそのうちの一人だった。会場の真ん中の方にいると落ち着かないから、という理由で、今では端っこの方へと避難している。
交流会、だなんて名目で集められた人たちだからだろうか。なんだかおしゃべりが好きなやつが多いんだなあとふつふつと考えた。
そもそも、どうして自分なんかが呼ばれたのか。異星人への憎しみを乗せてラジオを流し続ける自分が。
異星間交流が盛んに行われる現代では到底時代遅れな思想を抱える自分を呼ぶのは、危険だと思わなかったのだろうか。
考えてもわからない。とにかく来てしまったものはしょうがないのだし、数日耐えればまた日常に帰れるはずだ。
そういえば
……
ここにはどうやって来たんだっけ。
歩いて来たのか、はたまた交通機関を駆使して来たのか。車に乗って来たのか、全然思い出せない。
自分はこんなに忘れっぽかっただろうか、と少しの違和を感じて、思わず頭を押さえた。
「おや、気分が優れませんか?」
うるさいな、と声の方を見れば、首が痛くなるほどの長身がそこにはあった。
どこか無邪気さを感じさせる表情を浮かべる異星人
……
Fは、A・S・1の顔を覗き込もうとしている。
A・S・1《心配ご無用 私は元気です》
F「おや、そうでしたか!でもどうか無理はなさらず!」
人間さんは結構脆いので、なんて続けるFにA・S・1は思わず笑みを浮かべそうになった。
弱かったのはそっちのくせに。随分と大きくなったものだなあ、なんて。
さて、ところ変わって会場の向かい側では、何やらセミナー講座のようなものが開かれていた。
倉庫から引っ張り出してきたホワイトボードとパイプ椅子、そこに講師がいれば完璧!
キィ「いいかー、最近の犯罪の手口は多種多様
……
どんどん巧妙になっていってるから、巻き込まれないように防止すんのが何よりなんだぜ」
誰が求めたのかは定かではないが、キィが教鞭を振るっている。突然の防犯教室に真剣に耳を傾けるものが数人。その異様な光景に、駒割声擬は引いた。立食パーティの会場で、なぜこんなことを、と。
また違う方に目を向ければ、十河みなみの前に数人が並んでいるところであった。
彼に占ってほしい人にでも囲まれているんだろう。
十河「そうだなあ、おにいさんは本当に自分の死期なんて知りたいの?ぼくの占い、ちゃんと当たっちゃうんだけど
……
」
純愛「はは、キミの能力は本当に醜悪だね!それに傲慢で思い上がりも甚だしいな。
……
いいから、早く教えてよ」
……
とんでもない内容の会話が聞こえてきた気がするけれど、彼らは結構楽しそうだったので気のせいかもしれない。
この交流会は無事に終わるのだろうか。この地球はどうなってしまうのだろうか。
未来のことなんてわからないな、と声擬は天井の隅にあるカメラを一瞥した。
――
白澤は手を合わせ、いただきます、と呟いた。
ここで過ごし始めて数日、予定通りに行くのであれば今日でこの交流会は終わるのだ。
インタビューに答えたり、予定されていたレクリエーションをこなしたり。仕事をしている時とは別の緊張感があったが、おおむね楽しく過ごせてしまったような気がする。
ここで出会った人たちと会話するのも楽しくて、有意義だった。旧知の人物とあらためて落ち着いて過ごすこともできたし、身に余るくらい幸せだ。
自分の前の席に座り、食事を口に運ぶ溝内幸雅を見遣る。彼も白澤の方をちょうど見ていたらしく、目が合った。
溝内「ん、食べないの?鯖の味噌煮。苦手だったりする?」
白澤「いえ、少し考え事をしていまして。交流会がもうすぐで終わってしまうなあ、と
……
」
なんだか寂しそうな白澤に、幸雅はなんと声をかけたらいいのか少しだけ迷った。
交流会が終わってもみんなにはまた会える、とはなんだか簡単に口に出せなくって。
あまり考えたくはないことだけれど、再会を果たす前に命を落とす人だっているのかもしれないのだ。
生きている限り、いつかは死ぬ時が訪れる。それを一番わかっているのは、白澤自身なわけだから。
それに、異星の彼らもいつまでも地球にいてくれるとは限らない。
もちろん、永住するつもりでいる異星人だっているかもしれないけれど。
異星間交流が始まる前の地球のことを、幸雅はまだまだ覚えていた。
あの時から地球の様子は随分と変わったけれど
……
そのことを異星人の彼らはどう思っているのだろうか、と。
ナラズ「フフ
……
この味噌煮とやらは、美味しいdeathね。この間のペスカトーレも良かったdeathが」
Blue:L「そうだね?それにしても
……
地球のヤツらは本当になんでも料理にして食べるんだね」
ナラズのもつ触手によく似たものも料理として並べられていたことがある。
果てはナマコとかいう悪魔から乖離した肉のような存在まで食べるらしい、と聞いて、地球とは結構恐ろしいところなのかもしれない、とBlue:Lが思ったのはつい最近のことだ。
あんたもいつか食べられちゃうかもよ、とBlue:Lは冗談混じりにナラズに伝えた。すると「そんな怖いこと言わないでよ〜〜!!」といいながら彼は泣き始めた。泣きながらも食欲はあるようで、鯖の味噌煮と白米をパクパクと食べ続けている。少し面白い光景だった。
交流会ももうすぐ終わる。そうしたら、次はどこに向かおうか。
そんなことを考えていると、食堂の扉が乱暴に開かれた。
―――
アパタイト「
……
ドアと窓が、開かなくなったんですか」
アパタイトは随分と低い位置にある
……
D-rの顔を見た。彼あるいは彼女は、珍しく焦っているように見える。
D-rは優秀な何でも屋だ。それが焦っているのだというのだから、どこか一地帯だけに異常が起こっているのではないだろう、と考えた。
この会場全体の、出口が封鎖されている。アパタイトに声を掛けたのは、力尽くで蹴破れないか試してもらうためらしかった。
D-rの言葉に頷き、アパタイトは勝手口のような比較的簡単に蹴破れそうな扉を蹴ったりなんだりしてみる。が、全く手応えはない。
近くにあった窓も同様だ。いくら物をぶつけようと、割れるどころかヒビが入る様子さえなかった。
D-r「貴方でもダメなのね。困ったわ、どうしましょう」
アパタイト「そろそろ交流会も終わりますし、その時に外部の人がどうにかしてくれますよ」
D-r「そうだといいのだけれど」
Dーrはどうにも嫌な予感が拭い去れなかった。
色々と疑問に思うことはあるが
……
一番は、この交流会の会場の住所を全く思い出せないことが不気味だった。
あまりにも記憶が曖昧なのだ。この交流会に関すること全てが。
どうしたものか、と天を仰ぎ見そうになる。
それをちょうど見ていたかのように、天井のスピーカーから音が流れ始めた。
《みなさーん 大広間に集合してくださーい》
――――
交流会の参加者たちは、続々と大広間
……
最初に立食パーティをした場所に集まってきていた。
出口が封鎖されているという異変を知らないものもまだいるのだろう、浮かべる表情はまちまちだ。
全員が揃うと、それを待ち構えていたように再びアナウンスが鳴る。
男か女かわからない、どこか機械的な調子のその声は、交流会は楽しかったかと尋ねてくる。
純愛「まあまずまず
……
最悪の気分だったよね!地球人と共同生活送るだなんて吐き気がしたな、あんまりにも酷い体験だった!」
純愛くんは大袈裟に肩をすくめ、スピーカーの方へと返事をした。
あまりにも酷い物言いにここ数日間で慣れてしまったのだろう、周囲は胡乱げに彼を見つめるだけだ。
駒割「よくあんなに堂々と酷いことが言えるわよね
……
これも中継されてるんでしょうし、後が怖くないのかしら」
声擬はため息をついた。しかし、スピーカーの向こうの得体の知れない隣人は、くすくすと楽しげに笑っている。
《これからもっと 最悪なことが起こるって言ったらどうする?》
《あの、才能保持者の集団失踪事件のことは知ってるかな》
あの凄惨な事件をもう一度!怪人物はそう謳っている。
何を言っているのか、と誰かが呟いた。
《コロシアイ》
《コロシアイしようって言ってるんだよ》
――――
突然のことに、動けた人物は少なかった。
現に、わおんの頬からは真っ赤な血が滴っている。
沢山の黒い槍が降ってきた割にはそれ以外に怪我をした箇所がなく、“運が良かった“と言えるのかも知れないが。
わおん「い、いたっ
……
な、なんなんですかっ、これ
……
!」
涙を滲ませ、安全だろう端の方へ逃げようと周囲を見る。
自分の他に傷ついているものがいないか、確認しようとした。
ああ、流石というべきなのでしょうか。
大事なお宝を抱えて逃げるそのさまは、まさしく英雄そのものだった。
キィに抱えられた白澤は、何が何だかわからないと言った顔をしている。
そうして安全な場所まで逃げると、キィは目の前の彼が傷ひとつ負っていないことを確認して息をついた。
キィも怪我をしなかったから良かったものの、自分のことなんて助けなくっていいのに。
危険を冒してまで助けられる価値なんて、果たしていjぶんにあるだろうか、と白澤は目を逸らす。
さて、地球人は難を逃れたらしい。
ならば、異星の彼らは?
この青色はどこから出ているのか、とわおんは再び視線を巡らせた。
見た目はほとんど同じでも、やっぱり中身は別物なのだ。
少女の手を貫く杭が、飛び散る青色が。それを証明していた。
槍の雨はいつの間にか止んでいる。厄災は通り過ぎた。
ただの一人も死者がいないことを祝福するかのように、安っぽい拍手のサウンドエフェクトが鳴り響いている。
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