いを
2025-10-20 17:23:25
3818文字
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タグまとめ29

くらくら
それぞれフォロワーさんのお子さんお借りしています。


「リスのかっこがそんなに気に入ったのか。森野」
 机の上でクルミとルクミを目の前におき、どちらを先に食べるか吟味しているリス――もとい、森野静を眺める。
 そしてそれぞれを指さし、どうやら相談しているようであった。
「どっちも食えばいいだろ。クルミはお前からもらったものだし」
 合点がいった、とでもいうように手のひらをぽん、と叩く。どうあってもファンシーなようなものに見えて、眉間に指をおいた。
 椅子から立ち上がり、資料を本棚から人差し指の腹で引き抜くと、デスクに向き直る。
……? ああ、なんだお前か。一瞬誰かと思った」
「僕の顔を忘れてしまったんですか?」
 窓辺に立っている男は、――いや、男も、まぎれもなく森野静である。
 耳もとの三つ編みがかすかにゆれた。この美形風の男が、あのリスになるとは誰も考えつくまい。だからこそ、潜入調査では重宝されるのだろうけれど。
「どうした、やぶからぼうに」
「ずっとリスの姿だと、結構高低差のバランスが取りにくくて」
「はは。そりゃそうだ。目線が違うからな」
 男は手袋をした手でひょいとクルミを持ち上げた。リスならば両手、人間ならば片手である。
「重たさも違うか」
「それは、もう」
 くすりと静は笑った。
「小さいほうが、すぐにお腹いっぱいにはなりますけどね」
「慣れたら物足りなくなるだろ」
「ええ」
 不思議ですねぇと心から思っているような色を、見た。