いを
2025-10-20 17:23:25
3818文字
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くらくら
それぞれフォロワーさんのお子さんお借りしています。


「ひとは変わるな」
 飛白マルタは言った。彼女もおそらく同意したのだと思う。「変わってほしくないところまで変わる」と伝えると、彼女は眼鏡の奥の赤い瞳を細めた。
「変わらないでほしいと思うこと自体、ひとに対する願望のあらわれです」
「願望。そうかもな。俺はまだ、ひとに期待をしているらしい」
 白い部屋。窓の外は暗い。照明が煌々と部屋だけを照らしている。月――月は、白く、銀色に――空に浮かぶ。那月はやわらかそうなおとがいを上にむけ、窓の向こうをながめた。
「何度ひとを裏切っても裏切られても、俺はどうでもいい――が、結果は裏切らない。思い通りにならない結果であるなら十中八九、俺の責任だ」
……それほど、ストイックでしたか」
 彼女の目は窓から離れない。けれども窓に映った那月の目はこちらを向いていた。
「毎日有機物、無機物の相手をしていれば、いやでもそうなる」
 机の上に散らばった白い紙を一枚、手に取る。
「戸叶」
「はい」
「青はまだ、見つけられない」
 変われば変わるほど、遠退いていく気がするよ。そういい、肩をすくめた。