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いを
2025-10-20 17:23:25
3818文字
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タグ、掌編、その他
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タグまとめ29
くらくら
それぞれフォロワーさんのお子さんお借りしています。
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無茶をしたか、と椿に伝える。男はそっとかぶりを傾げた。
ガーゼに滲んだ血液を一瞬、見下ろす。包帯で腕を一周させながら、口をつぐむ。外ではサイレンが鳴り響いていた。
「騒がしいな」
「その騒がしさから帰ってきたばかりで」
「へえ」
包帯留めで先をとめ、腕を下ろす。腰をこぶしで軽くたたきながら、男の顔を眺めた。「具合は」と促す。目の前の男は右腕をぐるりとまわし、「上々です」と答えた。
「無茶は結構だが、あんまり傷をこさえてくるなよ」
「できることなら」
男はまなじりを少し下ろして続ける。けれども、すきこのんで傷を増やすのはいないだろう。
「向こうも向こうで、必死ですし」
――
命がけである。相手も人間ならば、なおさら。
「まあ、いいけど。俺は俺の仕事をするだけだ」
「火事場の馬鹿力」
「あ?」
ふいのように、男はいった。金いろの目が、またたく。照明に反射して目玉の粘膜が濡れたように光った。
「
――
って、飛白さんは信じますか?」
「脳科学は専門外だが。アドレナリンが出過ぎるのも考え物だな」
「あれって科学的に証明されているらしいですね」
男は天井をちらと見ながら、手を口もとにあてながら感心したように頷いた。
「脳の神経伝達物質のβエンドルフィン。それが働いている間は痛みも感じにくい。外科医にとってはあんまり褒められたもんじゃねぇな」
「ふふ。それを発揮する前に、なんとかしなければいけませんね」
椿は目をほそめ、窓の向こうを見つめる。サイレンはいまだ、鳴り響いている。
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