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roku
2025-09-27 09:04:55
7930文字
Public
その他CP
沢北月間
沢北月間に書いた沢右SSをまとめたもの
CP→深エジ/松エジ/イチ沢/流沢
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2.赤い糸/松エジ
「運命ってあると思います?」
頬杖をつきつまらなさそうに問いかけたのは沢北。問いかけられたのは沢北の向かいに座っている松本。帰国した沢北に誘われふたりで酒を飲んでいるところだった。
「そんなもんあったらとっくの昔に結婚して子どももいるだろうな」
呆れたように吐き出した松本は波々と注がれた日本酒に口をつけた。お前もオレも。そう付け加えてから。
「そうなんすよね。でももしかしたらまだ運命の人が現れてないだけってこともありえません?」
「ははっ。お前は時々空想的だよな」
松本だって若い頃は沢北のいう“運命”とやらを信じていなかったわけではないが、結局付き合った女性と結婚に至ることはなく、30代も半ばになれば周りの何の根拠もない無責任な『男はまだまだこれからだよ!』を聞き流すようになった。
「それか、近くにいるのに気づいてないだけ。とか?」
「あー。お前の周りには人がたくさんいるからそれはあるかもしれねぇな」
沢北の話の根底にあるものは見えなかったが、いくつになってもそういうものを信じている辺りがきらきらと真っ直ぐな沢北らしかった。
ゴクゴクと勢いよくジョッキの酒を空にした沢北は「そういうことじゃなくて!」と突然怒りをあらわにした。
「な、何だよ、急に」
「何でわかんないんすか!?ここまで言ってんのに!松本さんの馬鹿っ!鈍感!大嫌いっ!」
ぽろぽろと大きな瞳から雫をこぼして浴びせた言葉は稚拙であったが松本を煽るには十分だった。
「あ?もういっぺん言ってみろ!」
「何回だって言ってやりますよ!馬鹿!鈍感!だいきら
……
ッ!!」
突然襲ってきた唇への衝撃に沢北の頬を濡らしていた涙の雨がぴたりと止んだ。
「
…
な、な、、
…
え?き
…
キスした⁉⁉」
「
……
2回も大嫌いは堪えるからな」
「は?だからってキスすることなくない?」
沢北にすればもう一度言えと言われたから言ったまでの話だった。
「お前も十分鈍感だな」
ふぅと小さく息を吐き「行くぞ」と立ち上がった。
「
……
え?え?なに?どういうこと?ちょっと松本さん⁉」
「だから、運命なんじゃねぇの?」
攫われた手から伝わる松本の熱に年甲斐もなく胸が高鳴って、小指を結ぶ赤い糸が見えた気がした。
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