和泉 小夜
2021-10-22 03:48:53
3577文字
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深海へ沈む


数日後、長谷部国重を名乗る男が俺を訪ねて来た。長谷部さんは光忠さんの恋仲だった。
どうやら光忠さんは此処へ来る前に長谷部さんに置手紙をしていたらしい。
そうして長谷部さんは光忠さんを探して此の街へ来て、
数日前に俺と光忠さんが一緒に歩いているところを見たらしい。

光忠とは随分と仲睦まじい様子だったがアイツとどのような関係なんだとか、
お前は光忠に恋仲が居ると知ってアイツと付き合っているのかとか、
長谷部さんに色々と責められた。

今は俺が恋仲です、俺は貴方が恋仲だと知って光忠さんと付き合っていますと答えたら。
長谷部さんは今にも泣きそうな表情で、思い切り俺の頬を叩いた。
涙を浮かべて、最低だと云い棄てて。光忠さんを何処かへ連れて行って終った。
其れから光忠さんは数日、帰って来なかった。

お願い、俺から光忠さんを取らないで。彼は俺の王子様なの。
今迄ずっと暗い場所に居たところを、明るい場所へ連れて行って呉れた人なの。
迚も大切な人なの。俺から取らないでよ。酷いよ。