ドッグスレッド/源間慶一【私を見る彼→あの子を見る彼/教室の彼→試合中の彼】
※うっすら慶ワカ仲良し要素を含みますのでご注意ください
アイスホッケーをはじめ、スポーツ強豪校として名を馳せる狼之神。だけど私みたいに「近所だから」って進学した生徒もそれなりに多い。誰かを追いかけていったわけじゃない、決して。腐れ縁の友達も多いし、ワカミちゃんもいるし。だから6組に顔を出すのは、誰かの顔を見たいわけじゃない、決して。仲良しの友達がたまたまあいつの隣の席ってだけ。
「おう。磯野?」
「あっうん。英語の教科書借りたくて」
「シャーベットパンで俺の貸してやるけど」
「いい。あっワカミちゃーん!」
ラッキー、なんて思ってない、決して。(私は誰に弁解してるんだろう? もういいや。)
教室の入り口でちょっと話せただけで十分。スポーツ全般苦手、勉強も普通、特に何も持ってない私なんて眼中になくて当然だし。だからワカミちゃんに英語の教科書を借りてさっさと教室に戻ろう、そう思ってたのにワカミちゃんからもらったのは意外な返事だった。
「私も忘れちゃったみたい」
「ワアッ」
入学式の日、クラスが違うから助け合えるねって握手したのに一緒にポンコツを発動してしまった。ワカミちゃんは私のクラスの誰かに借りればいいとして、私はどうしよう
……。
「あっ。ふ、富士くんいいところに!」
教室へ入ろうとしていた富士くんをつかまえる。富士くんはシャーベットパンとか言わないし。
「え、教科書? 別にいいけど」
「ありがと~~さすが富士くん」
大げさだべやって笑いながら、富士くんは教室に入っていった。相変わらずいい人だ。やっぱ教科書返す時におやつに持ってきた飴つけてあげよ。
でも教室の外で待つ私に教科書を持ってきたのは慶一だった。
「なんで。富士くんじゃなくて?」
「見当たらないから貸してやれって」
「ふーん」
「じゃ昼休みにでも磯野に渡しといて」
「ん。ありがと」
なんであんたじゃなくてワカミちゃんに返す前提なの。ワカミちゃんはいいなあ隣に教科書見せてもらえて。飲みこんだ言葉がぐるぐるぐるぐる。富士くん、察しのいいあなたのアシストが今はちょっと痛いよ。
私、なんであんたがいいのかなあ
……なんて、わかりきってて。
あの日、試合を観に行っちゃったからだ。
dgsr創作関連
「篠」名義で主にXに出没。
推しは晄(🐻🐮、👓兄弟)。
dgsr二次(X)
短編まとめ(pixiv)
もっと短い夢(Privetter+)
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