ゴールデンカムイ/月島基【堅物上司→ふぉーぜ】
午前の仕事がまあまあ押しちゃったお昼休み、近場の店はちょうどピークの時間帯。ただでさえ短くなった休み時間を無駄にはできなくて、向こうの通りへショートカットをキメるために公園を突っ切ろうとした──その時。
「わっ!!」
強い風が吹いて、目を瞑った。そして、目を開けた時に傍らのベンチからころころ、何か小さいものが転がり落ちるのが見えた。
「ぬいぐるみ
……?」
とっさに拾い上げたものの、ベンチには誰もいない。なのに、そこにはペットボトルの水とお弁当箱。しかも中には食べかけのおにぎりが置き去りになっている。あたりを見回しても誰もいない。のっぴきならない事情で全部置いて行っちゃったのかな
……? トイレとか。きっとそうだ。いずれ誰か戻ってくるだろうけど、その間に大事なぬいぐるみがまた飛んで行っちゃうかもしれない。
……そうだ!
勝手に触って申し訳ないけど、お弁当箱の横に無造作に置かれてるきんちゃく袋を借りてぬいぐるみをイン。顔を出してあげて、襟元で紐をきゅっとしてからきんちゃくの紐をお弁当箱で重しにすれば
……大丈夫かな。ぬいちゃん、もう飛ばされないでね。鼻先をちょんと触ったら、
「くしゅんッ」
「わぁっ?!」
ぬいぐるみがくしゃみした?! さ、さすがに気のせいでしょ。ドッドッと大騒ぎの心臓を押さえてそっと顔を近づける。きんちゃくをそ~っと持ち上げてみても、どう見てもやわらかな布地だし、丁寧なステッチ。あ、かわいー♡このジト目、誰かに似てる
……ていうか、このコってば、なんだかすっごく、
「
……済まんが」
「ひゃぁっ?!」
「驚かせたか」
「その声
……やっぱり月島係長
……?」
ぬいぐるみはもそもそと口を動かして私に何かを訴えかける。とりあえずきんちゃくから出してほしい? あっはいすみません。
「面倒なことになったな」
「面倒で済ませていいんですかコレ」
どうやったら戻るんですかとか、月島係長はこの状況に慣れてるんですかとか、だっこしていいですかとか、言いたいことはいっぱいあったけど、とりあえず「食べかけのおにぎりを食べたい」と言う月島係長を膝にのせて、風よけに徹した私は自分のお昼ごはんを食べ損ねたことにも気付かなかったのだった。
……で、頼まれるままに連れ帰ってきちゃったけどどうすればいいの、この状況?!
knkm創作関連
「あび」名義で主にXに出没。
推しはtnさん。海のそばで二人静かに暮らしたい気持ち半分、アロハ着て海の家やって一派のみんなが絶えず訪れる全然静かじゃない暮らしをしたい気持ち半分。
knkm夢(X)
短編まとめ(pixiv)
もっと短い夢(Privetter+)
ネタ出し(Privetter+)
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